自治体立病院の92%は、赤字経営!!損失の補てんは多額の税金!?

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経営分析、グラフ、経営改善

今回は、厚生労働省が「平成29年度医療施設経営安定化推進事業」において行なっている「病院経営管理指標調査」の結果から、自治体が運営する病院の経営状況についてご紹介します。

 

結構、衝撃的な結果で、目を疑いました!!

この結果を見ると、公立病院が経営破たんするニュースが増えている理由がわかります。(笑)

 

なお、ここで言う自治体とは、次のとおりです。

医療法第7条の2に規定する開設者(自治体)

  • 都道府県
  • 市町村
  • 地方独立行政法人
  • 一部事業組合

自治体立病院(公立病院)の経営状況

まずは、衝撃的なデータからです。

  • 医業利益で、92%の病院が赤字
  • 経常利益で、ほぼ赤字が解消
  • 赤字額のは、1病院あたり5~10億円

「病院経営管理指標調査」の結果

それでは、「衝撃的なデータ」を示す、根拠資料を見ていきます。

資料は、厚生労働省「平成28年度病院経営管理指標調査」からの引用です。

経営主体(開設者)別「医業損益」

開設者別医業損益

これは、医業損益における「黒字病院の割合」を示したものです。

  • 医療法人 64.2%
  • 自治体 7.9%
  • 社会保険関係団体 41.2%
  • その他公立 30.8%

 

つまり、医療法人が経営する病院の35.8%は赤字ということになります。

なお、自治体が運営する病院にいたっては92.1%が赤字です。

医業損益とは、本業の儲けを示す数字です。
※株式会社で言うところの営業利益

経営主体(開設者)別「経常損益」

次に、経常損益における黒字病院の割合を見ていきます。

開設者別経常損益

  • 医療法人 69.3%
  • 自治体 43.9%
  • 社会保険関係団体 52.9%
  • その他公立 40.6%

 

経常損益になると、自治体の病院の黒字の割合が一気に跳ね上がります!!

医業損益の黒字割合「7.9%」⇒ 経常損益の黒字割合「43.9%」

 

なお、その理由ですが、経常利益の場合、自治体病院は一般会計から税金が投入されます。

だから、自治体病院の場合、医業損益で赤字でも、経常損益で黒字になる病院が多くなるのです。

 

結果、病院本来の経営状態を表しているのは、「医業損益」であると言えます。

自治体立病院の赤字額と税金額

続いて、自治体立病院の「経常利益率」と「医業利益率」に注目し、赤字額と投入されている税金額を試算してみます。

自治体病院の「経常利益率」と「医業利益率」の推移

グラフは、厚生労働省「平成28年度病院経営管理指標調査」からの引用です。

 

自治体病院の経常利益率

 

自治体病院の医業利益率

赤字額と税金額の試算

まずは、上記の表から、平成28年度の「経常利益率」と「医業利益率」を一覧にしてみます。

病院の種類経常利益率(%)医業利益率(%)
一般病院-2.4-17.6
ケアミックス病院-3.0-22.9
療養型病院-0.1-17.1
精神科病院-0.3-36.1

 

次に、赤字額を試算してみます。

今回の「平成28年度病院経営管理指標調査」における自治体病院の平均病床数は283床となっていますで、概算ではありますが、病院の売上額を30億円とし試算してみます。

 

【自治体病院 赤字額一覧表】

病院の種類経常利益における赤字額医業利益における赤字額
一般病院1.0億円5.3億円
ケアミックス病院0.9億円6.9億円
療養型病院0.03億円5.1億円
精神科病院0.09億円10.8億円

医業利益の赤字額から、経常利益の赤字額が強烈に減っていることを考えると、かなりの額の税金が投入されているってことになります。

しかも、毎年・・・

 

なお、投入されている税金額を試算すると、

  • 一般病院 約4.3億円
  • ケアミックス病院 約6.0億円
  • 療養型病院 約5.0億円
  • 精神科病院 約10.0億円

って感じでしょうか。

なお、試算した内容は、僕の独自の判断(思考)によるものです。

自治体の病院って、どのくらいの数あるの?

これは、僕が気になったから調べたものです。

平成30年3月末時点の医療施設動向調査(厚生労働省)によると、自治体立病院は全国で925あります。(開設者の分類上、多少の誤差はあります)

 

医業損益上、ほとんどの自治体病院が赤字経営であることを思うと、すっごい金額の税金になりますね・・・

なお、赤字病院(自治体)の比率から試算すると、約850の病院が赤字経営ってことです。

平成30年3月末現在、日本全体の病院数は8,389病院であり、うち5,758病院が医療法人の経営となっています。(参考情報)

まとめ

ここで自治体病院の経営状態について、おさらいです。

  • 医業利益で、92%の病院が赤字
  • 経常利益で、ほぼ赤字が解消
  • 赤字額のは、1病院あたり5~10億円

 

自治体の病院って、結構厳しい経営を強いられているんですね。

まー、過疎地などの医療を担う関係上、税金の投入は当然なのかもしれませんが、いくらなんでも、ほぼすべての病院で赤字経営とは、びっくりです!!

 

ちなみに、財務諸表を見ているわけではないため、どの費用が経営を圧迫しているかわかりませんが、「もうちょっと、赤字を減らせないものかな~」って思ったりします。

だって、民間の病院だったら、完全に潰れちゃってますよ~

 

でも、そう思うと、民間経営(医療法人)の病院は、優秀な経営をしてるってことかもしれませんね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ひとりごと
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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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