この記事では、厚生局の「適時調査」における
- 事前提出書類
- 当日準備書類
- 当日までに準備したこと(やったこと)
- 当日の書類確認および院内巡回の流れ
について、備忘録的にまとめています。
こんな人のお役に立てると嬉しいです。
- 適時調査の通知が届いてしまった・・・
- 適時調査への準備(対応)は、どうすればいいの?
- 施設基準の適正管理のため、日頃から何をしていればいいの?
適時調査は突然に!?実施通知は、調査日の1ヶ月前に届く
適時調査の通知は、調査日のちょうど1ヶ月前に、何の前触れもなく届きます。
なので、
「いつ来ても、いいぜ~」
「かかってこーーーーい!!」
って感じに、日頃から記録などを整備(整理)しておいたほうがいいです。
ただ、日頃から「コンプライアンス(法令遵守)」を徹底し、記録などを整備(整理)していたとしても、提出書類やら、準備書類やらで、すっごく忙しくなっちゃうんですけどね・・・
ちなみに、僕は、超ノーマークで、
「今年は、適時調査はないでしょ!?」
って、思い込んでいたので、完全に業務スケジュールが狂いました。(自業自得ですね・・・)
適時調査の通知で届く「3つの書類」
適時調査の実施通知で届くのは、次の3つの書類です。
- 施設基準等に係る適時調査の実施について(通知)
- 事前に提出していただく書類
- 当日準備していただく書類
「施設基準等に係る適時調査の実施について(通知)」に、調査日時と事前提出書類の提出期限が明記されています。
ちなみに、通知が届いた瞬間に、少し意識が遠のきます・・・(笑)
適時調査の通知が届いたら、まず、実施要領と各種様式をダウンロード
厚生労働省および厚生局のホームページから「適時調査」に関する書類がダウンロードできます。
適時調査の通知が届いたら、
- 適時調査の概要(全体の流れ)
- 事前提出書類の内容
をチェックするために、次の4つの書類をダウンロードしましょう。
【まず、チェックしてほしい書類】
- 適時調査実施要領
- 調査書(重点的に調査を行う施設基準)
- 届出書添付書類の様式
- 保険医療機関の現況について
ちなみに、厚生局のホームページから、「事前提出書類」「当日準備書類」のリストもダウンロードできますが、あなたの病院が届出している施設基準以外もリストに入っているため、すっごく使いづらいです。
適時調査における「事前提出書類」の準備と作成時の注意点
適時調査の概要(全体の流れ)と、事前提出書類の内容をチェックしたら、さっそく、事前提出書類を作成していきましょう。
時間も限られてるんで。
事前提出書類
- 基本診療料に係る書類
- 特掲診療料に係る書類
- 保険医療機関等の現況(別添)
- 入院案内(入院のしおり)
- 組織図及び平面図
- 掲示物の写し(写真可)
「施設基準等」「入院時食事療養費」「保険外併用療養費」「保険外負担」の掲示
「1.基本診療料に係る書類」「2.特掲診療料に係る書類」は、あなたの病院が届出している「施設基準等に係る届出書(様式○○)」のみとなります。
ただし、次の書類は、すべての病院が提出する必要があります。
- 入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類(様式9)
- 入院基本料等及び特定入院料を算定している病棟(治療室含む)の勤務実績表
- 勤務実績を確認する際に必要な次の書類
「勤務実績表に用いている記号等の内容及び申し送り時間が分かる一覧表」
「勤務形態(日勤、準夜勤、深夜勤など)ごとの勤務時間が分かる書類」
「会議、研修、他部署勤務の時間及び出席者が分かる一覧表」 - 特定入院料を算定している治療室の日々の入院患者数等により看護職員の配置状況が分かる書類
- 病院報告(患者票)【直近1年分】の写し
作成時の注意点
- 基本診療料および特掲診療料の施設基準等に係る届出書(別添7・別添2)の提出は不要
- 施設基準等に係る届出書(様式○○)に記載された添付書類の提出は不要
- 提出日の前月の状況にて作成
適時調査の調査員は、事前提出書類を、かなり細かく確認してきます。
特に、「勤務実績表(様式9)」の確認は、スゴイです!!
一人ひとり、一日一日すべての勤務日について、チェックしてます。(不明点や疑義があれば、問合せもあります)
なので、
- 勤務記号に漏れがないか?
- 病棟勤務をしていない時間(会議、研修、医療安全管理者などの他の業務など)を明確にし、勤務時間から引いているか?
- そもそもの、計算ミスはないか?
など、確認を徹底してください。
また、「勤務実績表(様式9)」の作成はもちろんですが、「保険医療機関等の現況」についても職員名簿など、結構なボリュームがありますので、提出期限から逆算し、作成スケジュールを立てたほうがいいと思います。
「間に合いませんでした・・・」じゃ済まないので。(笑)
ちなみに、「保険医療機関の現況」は、次のような内容(項目)になっています。
結構、がっつりな内容だと思いませんか?
- 病院の概要
- 許可病床数
- 医師数等
- 平均入院患者数
- 平均在院日数
- 保険外併用療養費
- 勤務医の概要
- 看護要員の概要
- その他の医療従事者等の概要(事務職も含む)
- 病棟構成
事前提出書類の提出期限
適時調査実施要領では、
「調査日の10日前までに提出を求める」
となっていますが、うちの場合の提出期限は、調査日の2週間以上前でした・・・
なので、事前提出書類の作成期間は、通知が届いてから、ちょうど2週間しかありませんでした。
ぶっちゃけ、かなり厳しかったです・・・
通常業務もありますので。
適時調査当日に準備する書類
適時調査の通知で届いた「当日準備していただく書類」にあわせて、書類を準備していきます。
当日準備していただく書類
- 入院基本料の施設基準に関する書類一式
- 入院時食事療養の施設基準に関する書類一式
- 基本診療料及び特掲診療料の施設基準等の届出要件に記載された関係書類一式
- 調査日現在有効な施設基準の届出書(控)一式
- 保険外併用療養費及び保険外負担に関する書類一式
適時調査が行われる病院(あなたの病院)が、届出している施設基準等にあわせて、準備書類がリスト化されていますので、そのリストに従って書類を準備していきます。
なお、リストは、こんな感じです。(入院基本料等における準備書類の一部を紹介しています)
「適時調査 調査書」の聴取方法のポイントが、当日準備する書類
「当日準備していただく書類」のリストは、「適時調査 調査書」における「聴取方法のポイント」から、当日準備の部分をリスト化したものです。
この部分です。(赤く囲ったところが「当日準備」の部分)
なので、徹底的に「適時調査 調査書」を読みこんで、チェックしておくことをオススメします。
ちなみに、「適時調査 調査書」は、2種類あり、
- 重点的に調査を行う施設基準
- 重点的に調査を行う施設基準以外
に分けられています。
時間に余裕があるなら別ですが、基本的には、「重点的に調査を行う施設基準」だけの確認でOKだと思います。
「重点的に調査を行う施設基準以外」については、全く確認されませんでしたので。(うちの場合はですが・・・)
調査日の2~3日前に、調査員と調査員が担当する施設基準等のリストが届く
適時調査実施日(調査日)の2~3日前に、
- 調査員の人数
- 調査員の名前
- 調査員ごとの担当施設基準等
がFAXで届きます。
僕としては、この連絡で、「よしこれで、会場と書類の準備ができる~」って感じです。
理由としては、適時調査は、各調査員ごとに対面式で行われるため、テーブルの配置(数など)と、どのテーブルに、どの書類を準備したらいいかが、やっとわかるからです。
ちなみに、調査員は、「適時調査実施要領」のとおり、2~3名でいらっしゃいます。
調査員の人数は、病院の規模で変わるみたいですが、「看護師1名 + 事務1~2名」が基本みたいですね。
当日の書類確認および院内視察の流れ
ついに、適時調査当日です。
適時調査当日の流れ
- 書類確認(調査員が、個々に自分の担当箇所を確認)
- 院内視察(調査員が、バラバラに院内を回る)
- 講評(口頭で講評を行い、後日、結果通知を送付)
適時調査は、「適時調査 調査書」どおりに行われる
調査員は、「適時調査 調査書」を持参し、調査書の確認事項どおりに、チェックしていきます。
確認の順番も、各調査員ごとに、調査書どおりでした。
ですので、
「適時調査 調査書」で自主点検(チェック)を行い、すべての項目が適合になるように準備をしておくことで、適時調査で指摘(返還など)をもらうことはないはずです。
なお、あたりまえかもしれませんが、「やってます」という口頭説明だけでは要件を満たしたことにはなりません。
「根拠となる書類(記録)」を提示できるようにしておきましょう。
また、施設基準の要件によっては、準備書類になっていない書類も確認されます。
「そんなの聞いてないよ~」と、あたふたしないように、「もしかして、この書類も確認するかも?」と思う書類は、事前に準備しておいたほうがいいと思います。
医療安全管理者などの現場の担当者は、必要に応じて立会いが必要
施設基準の配置要件(専従・専任)となっている職員は、必要に応じて、立ち会えるようにしておきましょう。
適時調査の調査員に、呼ばれますので。
たとえば、
- 医療安全管理者
- 社会福祉士
- セラピスト(PT・OT・ST)
- 看護師
- 管理栄養士
- 薬剤師
などです。
ちなみに、うちの場合は、看護責任者、事務責任者、事務担当者は、終始対応に同席しました。
院長については、講評のみの同席でした。
まとめ
ここで、今回の適時調査で僕が学んだ「厚生局の適時調査への対応で、やっておきたいこと」についてまとめておきます。
- 適時調査をノーマークにするな!!やつはいきなりやってくる
- 「やっている」だけではダメ!!「やっている根拠(記録)」を残せ
- 「適時調査 調査書」を活用し、定期的な自主点検を!
これで、適時調査対策は、バッチリ(?)のはずです。
ただ、解釈の相違や記録の不備などは、どうしても出てしまうものです。
そういうときは、潔く指導を受け入れて、さっさと改善しちゃいましょう。
前向きに捉えれば、適時調査って、解釈の相違や記録の不備を正す、いい機会だと思うんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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