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介護医療院への転換にかかる経過措置(基準緩和)をまとめておくよ

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転換、変更、矢印

今回は、介護医療院へ転換する際に適用される「経過措置(基準緩和)」についてまとめておきます。

介護医療院への転換を検討しているなら、ぜひ読んでみてください。

 

この経過措置、「は?マジか!?級の罠」が潜んでいますので!!(笑)

「介護医療院」の経過措置(基準緩和)対象施設

まずは、介護医療院への転換で経過措置が適用される施設からです。

  • 医療療養病棟
  • 介護療養型医療施設
  • 介護療養型老人保健施設(転換型老健)

 

この3つの施設において、2018年4月1日~2024年3年31日までに「介護医療院」に転換した場合、経過措置が適用されます。

主な経過措置(基準緩和)の内容

経過措置が適用されると、介護医療院の「指定基準(施設・設備)」が一部緩和されます。

指定基準 経過措置適用なし 経過措置適用あり

療養室の床面積
(入居者1人あたり)

8.0㎡ 6.4㎡
廊下幅 1.8m(中廊下2.7m) 1.2m(中廊下1.6m)
直通階段・エレベーター 屋内の直通階段およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること 屋内の直通階段を2以上設けること

 

なお、経過措置(基準緩和)の期間ですが、

「新築・増築又は全面的な改築の工事が終了するまでの間」

となっていますので、大規模改修工事等をしなければ、永遠に適用されます。(ちょっと、長過ぎ!?)

 

一応、わかりやすいように、介護医療院「施設・設備基準一覧」を載せておきます。

厚生労働省「介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯」から引用しています。

介護医療院 施設・設備基準(厚生労働省)

「移行定着支援加算」の算定で、入居者1人あたり年間34万円の加算が!!

介護医療院への転換で経過措置が適用される

  • 医療療養病棟
  • 介護療養型医療施設
  • 介護療養型老人保健施設(転換型老健)

が「介護医療院」に転換した場合、「移行定着支援加算」の算定が可能です。

なお、この加算は、施設基準のハードルが比較的低いのに単位数が高いので、必ず算定しておきたいところです。

 

ただ、この加算を算定するにあたり、いくつか注意していただきたい点がありますので紹介しておきます。

【移行定着支援加算の注意点(ポイント)】

  • 入居者1人あたり 93単位/日
  • 最初に転換した日を起算日とし、1年間に限り算定可能
  • 期限付きの加算(平成33年3月31日まで)

入居者1人あたり 93単位/日

まず、この加算ですが、単位数がすっごく高いです。

単純計算で、

930円(93単位)×365日=339,450円

となり、入居者1人あたり年間34万円の加算となります。

 

もし、病床数が60床の場合、年間20,367,000円となります。

 

「たかが、2,000万円の売上でしょ!?」

って思うかもしれませんが、この2,000万円は、完全な粗利です。

 

税引前利益としての、2,000万円は、かなり嬉しい加算だと思います。

最初に転換した日を起算日とし、1年間に限り算定可能

移行定着支援加算は、算定期間に制限があり、1年間に限り算定が可能です。

 

なお、最初に転換した日を起算日とするため、

「何回かに分けて、介護医療院に転換した場合、2回目以降の転換病棟は、移行定着支援加算の算定期間が短くなる」

ってことになります。

 

ですので、移行定着支援加算の算定を視野にいれるなら、転換は1回にまとめたほうがいいかもしれません。

期限付きの加算(平成33年3月31日まで)

最後の注意点は、移行定着支援加算は「平成33年3月31日まで」の限定的な加算というところです。

つまり、「算定期間である1年間が、まだ残っていたとしても、平成33年4月からは算定できなくなくなる」ってことです。

 

ですので、移行定着支援加算を、1年間まるまる算定するのであれば、平成32年4月1日までに「介護医療院」へ転換する必要があります。

 

そう思うと、結構急かされますね・・・(笑)

廊下幅および療養室の面積基準を満たせない場合の減算(介護報酬)

これが、最初に僕が言った「は?マジか!?級の罠」です。

 

それは、

経過措置(基準緩和)の適用を受け、「介護医療院」を無事開設できたとしても、廊下幅および療養室の面積基準を満たせない場合、介護報酬上の減算がある

ってことです。

 

ちなみに、その減算ですが、

  • 療養環境の基準(廊下)を満たさない場合 -25単位/日
  • 療養環境の基準(療養室)を満たさない場合 -25単位/日

となっており、最大で-50単位/日となります。

 

単純計算で、

  • 入居者1人あたり年間182,500円の減算
  • 60床で試算した場合、年間11,950,000円の減収減益

となります。

 

そもそも、利益率の低い「介護保険施設」で「税引前利益1,100万円」を毎年失うのは、ちょっと厳し過ぎませんか???

 

ね、「は?マジか!?」でしょ!?(笑)

まとめ

ここで、介護医療院への転換にかかる経過措置(基準緩和)のポイントについてまとめておきます。

  • 経過措置対象施設は、医療療養病棟、介護療養型医療施設、介護療養型老人保健施設(転換型老健)の3つのみ
  • 経過措置の適用を受けるには、対象施設が「2018年4月1日~2024年3年31日」までに介護医療院に転換した場合
  • 主な経過措置の内容は「療養室の床面積、廊下幅、直通階段・エレベーター」の3つ
  • 「移行定着支援加算」は、必ず算定を!(入居者1人あたり93単位/日)
  • 経過措置の適用でも、しっかり減算あり!(廊下幅、療養室の面積)

 

介護医療院への転換するなら、厚生労働省が用意した「支援策」をうまく活用し、スムーズに移行していきたいですね。

そのためには、読みづらい関係法令を熟読する必要がありそうです・・・(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

法令遵守
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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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