仕事において、「ていねいさ」と「スピード」は、相反すると思われがちです。
たしかに、短期的な視点では、ていねいにやることで、時間がかかってしまいます。
でも、中長期的な視点で見ると、ていねいな仕事をしておくことで、仕事のスピードは上がっていきます。
スピードって、「生産性」に大きな影響を及ぼすものなので、ていねいな仕事を徹底することは、結果的に生産性の向上につながります。
そこで、この記事では、
- なぜ、ていねいさを徹底することで、生産性が上がるのか?
- ていねいな仕事とは、具体的に何なのか?
について、まとめておきます。
「仕事が多くて終わらない」
「生産性を上げたい」
「人材育成で悩んでいる」
という人に読んでいただけると嬉しいです。
生産性とは何か?(生産性の定義)
まずは、生産性について定義しておきます。
仕事における生産性とは、「投下した時間(労力)」に対し、「どのくらい成果が得られたのか?(成果物の量)」で示されるものです。
式にすると、こんな感じです。
生産性 = 得られた成果/投入した時間
なので、生産性を上げる方法は、大きく分類すると、次の2つということになります。
- 投入する時間(労力)を減らす
- 成果物の量(得られた成果)を増やす
ていねいな仕事を徹底することで、生産性が上がる理由
「なぜ、ていねいな仕事が、生産性を上げるのか?」ですが、それは、次のような理由からです。
- 仕事って、なんだかんだで繰り返しが多い
- 二度手間を減らせる
- 脳のエネルギーを節約できる
- 他の人に任せられる
それでは、1つずつ説明していきます。
仕事って、なんだかんだで繰り返しが多い
超クリエイティブな仕事は別かもしれませんが、ほとんどの仕事は、繰り返しです。
最初はすっごく苦労した仕事でも、繰り返し、回数を重ねることで、簡単になっていきます。
この繰り返しによる効果(効率)を最大限に高めるのが、「ていねいにやる」です。
はじめてやる仕事(1回目)を、ていねいにやっておくことで、2回目以降にかかる時間を、大幅に短縮できます。
逆に、いいかげんな仕事をしていると、2回目以降も、1回目とほぼ変わらない時間がかかっちゃいます。
1回目に時間がかかったとしても、2回目以降のスピードが早ければ中長期的に考えると、生産性は高くなります。
ちなみに、仕事内容によって実施頻度は、「毎日、週1回、月1回、年1回、5年に1回」など、様々だと思いますが、単に周期が長いだけで、すべて繰り返しの業務です。
二度手間を減らせる
はじめてやる仕事(1回目)って、手探りな部分が多いですよね。
たとえば、
- この仕事の目的はなんなのか?
- なぜ、この仕事をやるのか?
- 制度はどうなっているのか?
- 必要な情報(数値など)をどこから集めるのか?
などなど。
また、成果物のイメージがしづらいこともあり、終わったと思った仕事が、ミスや方向性の違いなどでやり直しになることも少なくありません。
やり直しになるってことは、投入する時間が増えるってことなので、生産性は下がります。
でも、1回目で、ていねいに仕事をしておけば、2回目以降は、一度調べたことを再度調べる必要がなくなりますし、やり直しも減らせます。
結果、1回目に時間がかかったとしても、中長期的には生産性が高くなります。
脳のエネルギーを節約できる
「考える」って、疲れますよね?
僕は、考える体力(思考する体力)は有限だと思っています。
なので、
- 繰り返しの業務(2回目以降)に、極力、考える体力を使わない
- 重要な仕事と新しい仕事に、考える体力を使う
を心がけています。
「ていねいな仕事」をしておくと、2回目以降の仕事を、ルーチンワーク化し、考える体力を使わない作業的な業務に変えることができます。
結果、考える体力(脳のエネルギー)を節約できますので、少ない労力で、同様の成果が得られます。
また、1度、ていねいな仕事をしておくと、「手を抜いていいポイントがわかる」というメリットもあります。
他の人に任せられる
ていねいな仕事をしておくと、仕事を任せやすくなります。
仕事をしっかり理解しているので、引継ぎがしやすく、情報が整理されているので、相手にも伝わりやすいです。
引き継ぎの時間も少なくできます。
また、ていねんな仕事をしておくことで、あなたのメモは、自然とマニュアルになります。
マニュアルがあると、業務が透明化されるので、属人化の防止につながります。
もちろん、チーム全体の生産性向上も期待できます。
ていねいな仕事とは?
僕がやっている「ていねいな仕事」とは、次のようなことです。
- メモの徹底
⇒仕事の目的、制度、スケジュール、手順、注意点、上司に確認した内容など、すべてメモしておく - 「なぜ、やるのか?」を深堀りし、しっかり理解しておく
- その仕事に必要な情報は、日ごろから取れるように仕組化(ルーチン化)しておく
- 使用したデータは保管し、使いまわしできるようにしておく
- 考える体力を、極力使わないように、作業レベルまで仕組化しておく
つまりは、「2回目以降にやるときに、極力、パッと見て、作業できるようにしておく」ってことです。
指数関数的成長を目指そう
僕は、仕事における成長は、「指数関数的」だと思っています。
指数関数的とは、「最初は横ばいが続いて、その後、一気に上昇する」という意味です。
図にすると、こんな感じです。
なので、コツコツとていねいな仕事を続けるというのは、なんだかんだで、成長への近道だと考えています。
また、職員さんの成長というのは、組織にとって「人材育成」という大きな課題でもあります。
人材育成とは、突き詰めていくと、「生産性の向上」に他なりません。
「ていねいさ」を徹底し、中長期的な生産性の向上を目指しましょう。
ちなみに、経験則ではありますが、いいかげんな仕事をしている人は、いつまでたっても、生産性は上がりません。
ミスは多いし、何度も同じことを言われるし。
でも、「仕事は遅いんだけど、ていねいな人」というのは、いずれ必ず、「仕事がていねいで、かつ、早い人」になります。
「ていねいさ」って大事です。
こんなイメージです。
まとめ
ここで、「ていねいに仕事をする効果」について、おさらいです。
- 繰り返し効果の最大化
- 生産性の向上
- 指数関数的成長
- 人材育成効果が高い
- 属人化の防止
仕事のできる人や頭の回転が速い人って、結局は、
- すでに、その仕事をやったことがある(似たようなパターンの使いまわし)
- すでに、そのことについて考えたことがある
が多い人、なんだと思います。
「ていねいな仕事」というのは、この両方をしっかりやっておくことでもあるので、コツコツと続けることで、気づいたら爆速で仕事ができるようになっていると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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