「上司とのコミュニケーション」「部下とのコミュニケーション」って、結構、苦労しますよね?
でも、仕事をしていくうえで、コミュニケーションってすっごく大切なものです。
なので、「コミュニケーションが苦手だから・・・」と投げ出すわけにもいきません。
そこで、この記事では、上司や部下とのコミュニケーションが楽になる「共感と理解を分ける技術」を紹介します。
仕事における、コミュニケーションの目的は「相手に動いてもらうため」
まずは、コミュニケーションの目的から整理しておきます。
つまり、「なぜ、コミュニケーションを取るのか?」ってことです。
目的を明確化することで、「コミュニケーションを取ること」に意義が生まれるので、それだけでも、少し楽になります。(目的が不透明な仕事は、ツラいので・・・)
一般的に、コミュニケーションを取る理由は、
- 楽しいから
- 良い関係を築きたいから
- 嫌だけど、しょうがなく
など、人それぞれだと思います。
ただ、「仕事における」という意味では、「相手に動いてもらうため」というのが、コミュニケーションの最終的な目的だと思います。
というのも、
- 仕事をお願いする
- 進捗の報告や相談
- あいさつや雑談
- 面談(1on1)
など、どんな行動であっても、良い関係を築き、仕事をスムーズに進めるためのにするものだからです。
つまり、
「相手に動いてもらうために、どんなコミュニケーションを取ったらいいか?」
という視点が大事であり、コミュニケーションとは、目的達成の1つの手段なんです。
逆に言えば、コミュニケーションを取ることで、「相手に動いてもらえなくなる」とか、「相手が動きたくなくなるコミュニケーション」は取るべきではないということになります。
コミュニケーションで苦労するのは、「価値観」が違うから
上司や部下とコミュニケーションを取るとき、
「意味がわからない・・・」
とか
「ただただ、疲れる・・・」
など、苦労することってありますよね。
じゃあ、「なんで苦労するのか?」なんですけど、僕としては、「価値観が違うから」だと思っています。
そもそも、価値観がぴったりなら、「共感」しかしないので、イライラしたり、相手の意見に違和感を感じたりしません。
ただ、価値観がぴったりな人なんて、ほぼいないので、大なり小なり
「コミュニケーション = 苦労するもの」
なんだと思います。
コミュニケーションにおける価値観が合うとは、「理解も共感もできる状態」
価値観がぴったり合っている状態というのは、相手の意見や感情などが理解できて、かつ、共感もできている状態です。
そういう意味では、「価値観の合う・合わない」とは、「理解」と「共感」の2つの要素で成り立っていると言えます。
「共感と理解って、同じじゃないの?」って思うかもしれませんが、「共感」と「理解」は、似て非なるものです。
「共感」は、相手の意見や感情などに、そのとおりだと感じることです。
「理解」は、相手の意見や感情などがわかる(意味や内容がわかる)ことです。
わかりやすく、「共感・理解・価値観」の関係を図にすると、こんな感じになります。
①「理解できる・共感できる」が、価値観が合っている状態です。
価値観が合っている状態では、コミュニケーションの摩擦はありませんので、コミュニケーションで苦労することはありません。
②「理解できる・共感できない」は、価値観が合わない状態です。
この状態が、コミュニケーションで一番苦労します。
なぜなら、全く共感できない話を理解しなくてはいけないからです。
この状態のとき、結構な人たちが、イライラしている気がします。
共感と理解を分けると、コミュニケーションが楽になる
「共感」と「理解」をしっかり分けて考えるようにすると、コミュニケーションは楽になります。
つまり、②「理解できる・共感できない」を意識するってことです。
ただし、このとき、注意しないといけないことが1つあります。
それは、「共感しない」ってことです。
「②は、価値観が合わない状態だから、コミュニケーションで苦労するし、イライラする人が多い」
と説明しましたが、②の状態で、イライラする人は、無意識に共感しようとしています。(または、相手を共感させようとしています。)
だから、イライラするんです。
なので、厳密にいうと、「理解できる・共感できない」ではなく、「理解する・共感しない」が正しいです。
「共感しない」と割り切ることで、感情を揺さぶられることが少なくなり、第3者的に、相手の話を理解することだけに集中できるようになります。
つまり、取材をしているみたいな感じです。
こうすることで、コミュニケーションが少し楽になります。
ちなみに、相手からすれば、共感はしなくても、
- しっかり話を聞いてくれた
- 話したことを理解してくれた(わかってくれた)
ってことで、重要感を与えることができるので、信頼関係を築きやすくなります。
つまり、コミュニケーションの目的(相手に動いてもらうため)も果たすことができます。
「理解できない・共感できる」は最強
共感には、次の2つがあります。
- 「理解」の延長線上の「共感」
- 「理解」が不要の「共感」
1つずつ説明していきます。
「理解」の延長線上の「共感」
理解の延長線上の共感とは、「相手の意見や感情が理解できるから、共感もできる」ってやつです。
これは、わかりやすいですよね。
共感・理解の関係図でいうところの、①「価値観が合う」ってやつです。
「理解」が不要の「共感」
理解が不要の共感は、共感・理解の関係図における、③「理解できない・共感できる」という状態です。
「理解できないけど、共感できることなんてあるの?」と思うかもしれませんが、結構、僕らの身近なところにあります。
それは、「熱狂的なファン」です。
たとえば、
- 大好きなアーティストのファン
- カリスマ医師の患者
- カリスマ経営者の会社の社員
- 特定のブランドが大好きな人
などのことです。
こういう人達の場合、理解の延長線上に共感はありません。
というか、共感するにあたり、理解を必要としません。
つまり、「無条件の共感」という状態です。
また、「無条件の共感」とは、「コトへの共感」ではなく「ヒトへの共感」とも言えます。
「あの人が言ってるんだから、間違いない」みたいな状態だからです。
そして、この「熱狂的なファン(ヒトへの共感)」という状態は、信用を積み重ねることにより、ある程度、つくることが可能です。
つまり、仕事において、活用できるってことです。
なので、仕事におけるコミュニケーションという意味では、共感・理解の関係図における、③「理解できない・共感できる」は最強の状態です。
コミュニケーションの摩擦がなく、苦労することはありません。
そして、相手が気持ちよく、あなたのために動いてくれます。
「理解できない・共感できない」は、極力、関わらないこと
最後は、共感・理解の関係図の④「理解できない・共感できない」です。
こういう状態の人には、極力、関わらないほうがいいです。
というのも、ここでいう「理解できない」とは「理解しようとしない」ってことなので、何をしても意味(効果)がありません。
いわゆる、「アンチ」という状態です。
アンチに対し、時間を使うのは、もったいないです。
経営資源は有限なので。
ちなみに、「極力関わらない」というのは、
- 自分がアンチの場合
- 相手がアンチの場合
の両方です。
【関連記事】
部下とのコミュニケーション(関わり方)で悩んでいる人へ、「経営資源の効率的な分配を考えたときの言うことを聞かない部下への対応方法」について、まとめておきます。
まとめ
ここで、「仕事における、コミュニケーションが楽になる方法」について、おさらいです。
- 目的の明確化:相手に動いてもらうため
- 共感と理解を分ける
- 信用を積み重ね、理解が不要の共感(熱狂的なファン)をつくる
- アンチには、極力、関わらない
仕事をしていくうえで、コミュニケーションを避けて通ることができないため、コミュニケーションが苦手な人は、コミュニケーションを取ることが目的になってしまいがちです。
手段が目的になっちゃうと、コミュニケーションの効果が出ずらくなります。
そうならないように、少しでもコミュニケーションの苦労を軽減して、「手段の目的化」が起きないようにしたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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