精神療養病棟入院料に常勤配置されている作業療法士における精神科作業療法の算定可否【厚生局の回答】

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病院、事業継続、BCP

精神療養病棟入院料の施設基準の1つに、「常勤の作業療法士の配置」があります。

また、精神科作業療法の施設基準に、「専従の作業療法士の配置(最低1人)」があります。

 

このとき、

「精神療養病棟入院料に常勤配置されている作業療法士は、当該病棟において、精神科作業療法の算定をしてよいのか?(精神科作業療法の専従者を別に配置している場合)」

について、当院で「あーでもない、こーでもない」と、ごちゃごちゃしたんです。

 

そこで、「精神療養病棟入院料おける精神科作業療法の算定」について、厚生局に確認しましたので、備忘録的にまとめておきます。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 医療事務の仕事をしている
  • 精神科の医療機関で働いている

厚生局の回答:精神科作業療法の算定が可能

厚生局に確認したところ、

「精神科作業療法の非専従者で、精神療養病棟入院料へ常勤配置されている作業療法士は、当該病棟に限り、精神科作業療法の算定をしてよい」

とのことです。

厚生局の担当者さんの話によると、平成20年度の厚生局内の疑義解釈に記載があったそうです。

 

つまり、精神療養病棟入院料に常勤配置されている作業療法士は、常勤配置されている精神療養病棟入院料の入院患者のみ、精神科作業療法の算定が可能ってことです。

精神療養病棟入院料の常勤配置の作業療法士は、精神科作業療法の専従者にはなれない

言うまでもないかもしれませんが、

  • 精神療養病棟入院料に常勤配置されている作業療法士は、精神科作業療法の専従者にはなれない
  • 精神科作業療法に専従者として配置されている作業療法士は、精神療養病棟入院料に常勤配置できない

となります。

 

ちなみに、精神療養病棟入院料に常勤配置されている作業療法士は、疾患別リハビリテーションの専従者になることもできません。

このとおり。

【精神療養病棟入院料】

問64

区分番号「A312」精神療養病棟入院料を算定する病棟に配置されている作業療法士が、当該保険医療機関における疾患別リハビリテーションの専従の常勤作業療法士を兼ねることはできるか。 

(答)不可。

出典:厚生労働省「事務連絡 令和2年3月31日 疑義解釈資料の送付について(その1) 」

認知症治療病棟入院料・精神科地域包括ケア病棟入院料における精神科作業療法の算定

精神療養病棟入院料と同様に、

  • 認知症治療病棟入院料
  • 精神科地域包括ケア病棟入院料

でも作業療法士の配置基準があります。

 

認知症治療病棟入院料では、「専従の作業療法士の配置(1人以上)」です。

精神科地域包括ケア病棟入院料では、「専任の作業療法士の配置(1人以上)」です。

 

どちらの入院料においても、精神療養病棟入院料の取扱いと同様に、配置されている作業療法士は、当該病棟に限り、精神科作業療法の算定が可能です。

 

ちなみに、精神科地域包括ケア病棟入院料については、はっきりと疑義解釈が出ています。

問126

精神科地域包括ケア病棟入院料の施設基準について、「当該病棟におい て、一日に看護を行う看護職員、作業療法士、精神保健福祉士及び公認心 理師の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十三又はその端数を増すご とに一以上であること。」とされているが、当該病棟に配置されている作業 療法士が、当該入院料を算定する病棟に入院中の患者に対し、精神科作業 療法を実施した場合に、「I007」精神科作業療法を算定できるか。

(答)算定可能

出典:厚生労働省「事務連絡 令和6年3月28日 疑義解釈資料の送付について(その1) 」

まとめ

ここで、「病棟配置している作業療法士における精神作業療法の算定」について、おさらいです。

⇒ 当該病棟の入院患者に限り、精神科作業療法の算定が可能

 

診療報酬等の取扱いって、わかりづらいものが多くて、結構、ごちゃごちゃしますよね。

ただ、保険医療機関としては、極力、算定誤りがないようにしたいところです。

そのためにも、制度の理解を深め、適切に判断していきたいですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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