この記事では、施設基準「患者サポート充実体制加算」の要件である
「標榜時間内において常時1名以上配置されており」
の解釈と、基準を満たすための根拠書類(例)を紹介しています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 「患者サポート充実体制加算」算定している
- 「患者サポート充実体制加算」を届出しようと考えている
- 「患者サポート充実体制加算」の相談窓口の専任者になっている
「常時1名以上配置」とは、相談窓口に、常に誰かがいる状態のこと
お恥ずかしい話、僕は、適時調査で指導されるまで、
「相談窓口への常時1名以上の配置」
って、相談窓口の専任者が1名以上出勤していて、患者やその家族などの相談に、都度、対応できる体制ができていればいいと思っていました。
なので、
専任者が誰もいなくなる日がないように、勤務計画を作成(確認)し、さらに勤務実績の確認を行っていました。
でも、解釈が、ぜんぜん違いました・・・
厚生局の調査員によると、
- 「相談窓口への常時1名以上の配置」とは、その時間帯は、常に誰がいることを意味していて、専任者が出勤しているという意味ではない
- 相談窓口の専任者が、昼休み、院内の会議、患者の相談、入院対応、研修の参加などにより、席を外す場合は、相談窓口に別の専任者を配置しなければならない
- 相談窓口の専任者の代わりに、事務員などを配置し、相談が来たときに、すぐに連絡が取れる体制では要件を満たしているとは言えない
とのこと。
つまり、
「標榜時間内は、相談窓口の専任者(1名以上)が、常に、そこにいなければならない」
ってことなんです。
ちなみに、「トイレに行くために、席を外すぐらいはいいけどね」と言ってました。
相談窓口への職員(専任者)の配置状況が確認できる書類とは
厚生局の調査員は、
「標榜時間のすべての時間において、相談窓口に、誰(専任者)が配置されていたかがわかる書類」
の確認をします。
「適時調査 調査書」でも、このとおり確認事項になっていますし。
「標榜時間のすべての時間における配置状況」ということなので、
1日ごとの勤務体制を記録している、「勤務実績表」や「タイムカード」では、この要件を満たすことはできない
ってことになります。
実際に、
「勤務実績表やタイムカードでは、出勤している根拠になっても、相談窓口に配置していた根拠にはならないですよね?」
と指摘を受けました。
そこで、「相談窓口への常時1名以上の配置」の根拠となる記録(書類)をどうしようかと考えてみたんですが、
僕としては、
「日ごとのシフト表みたいなものが必要かも!?」
って思いました。
こんな感じの。
【根拠書類(例)1】
【根拠書類(例)2】
【根拠書類(例)3】
手書きで実績を書き込んでもいいかも。(矢印などで)
これなら、どの時間帯に、どの専任者が配置されていたかがわかりますよね。(バッチリでしょ!?)
エクセルファイルのダウンロード(無料)
必要ないかもしれませんが、もし、使えそうなら使ってください。
「患者サポート充実体制加算にかかる、相談窓口 職員配置表(シフト表)」ダウンロード
患者サポート充実体制加算の施設基準(通知・事務連絡等)
一応、患者サポート充実体制加算の要件について、載せておきます。(2018年4月の基準)
患者サポート充実体制加算の診療報酬
患者サポート充実加算は、患者やその家族などの疾病に関する医学的な質問や入院上の不安などの様々な相談に対応し、良好な関係を築くための患者支援体制が整備されていることを評価したものです。
診療報酬は、入院期間中1回(入院初日)に限り、70点を加算するものです。
診療報酬の算定方法に係る実施上の留意事項
A234-3 患者サポート体制充実加算
(1) 患者サポート体制充実加算は、医療従事者と患者との対話を促進するため、患者又はその家族等(以下この項目において「患者等」という。)に対する支援体制を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。
なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。
(2) 当該保険医療機関に相談支援窓口を設置し、患者等からの疾病に関する医学的な質問並びに生活上及び入院上の不安等に関する相談について懇切丁寧に対応すること。
(3) 医療従事者と患者等との良好な関係を築くため、患者支援体制が整備されていること。
(4) 区分番号「A232」に掲げるがん拠点病院加算を算定している場合は算定できない。
出典:平成30年3月5日 保医発0305第1号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」
施設基準等とその届出に関する手続き
第21の2 患者サポート体制充実加算
1 患者サポート体制充実加算に関する施設基準
(1) 当該保険医療機関内に患者又はその家族(以下「患者等」という。)からの疾病に関する医学的な質問並びに生活上及び入院上の不安等、様々な相談に対応する窓口を設置していること。
(2) (1)における当該窓口は専任の医師、看護師、薬剤師、社会福祉士又はその他医療有資格者等が当該保険医療機関の標榜時間内において常時1名以上配置されており、患者等からの相談に対して相談内容に応じた適切な職種が対応できる体制をとっている必要がある。なお、当該窓口は区分番号「A234」に掲げる医療安全対策加算に規定する窓口と兼用であっても差し支えない。
(3) (1)における相談窓口に配置されている職員は医療関係団体等が実施する医療対話仲介者の養成を目的とした研修を修了していることが望ましい。
(4) 当該保険医療機関内に患者等に対する支援体制が整備されていること。なお、患者等に対
する支援体制とは以下のことをいう。ア 患者支援体制確保のため、(1)における相談窓口と各部門とが十分に連携していること。
イ 各部門において、患者支援体制に係る担当者を配置していること。
ウ 患者支援に係る取組の評価等を行うカンファレンスが週1回程度開催されており、必要に応じて各部門の患者支援体制に係る担当者等が参加していること。
エ 各部門において、患者等から相談を受けた場合の対応体制及び報告体制をマニュアルとして整備し、職員に遵守させていること。
オ (1)における相談窓口及び各部門で対応した患者等の相談件数及び相談内容、相談後の取扱い、その他の患者支援に関する実績を記録していること。また、区分番号「A234」に掲げる医療安全対策加算を算定している場合は、医療安全管理対策委員会と十分に連携し、その状況を記録していること。
カ 定期的に患者支援体制に関する取組みの見直しを行っていること。
(5) 当該保険医療機関内の見やすい場所に、(1)における相談窓口が設置されていること及び患者等に対する支援のため実施している取組を掲示していること。また、当該保険医療機関の入院患者について、入院時に文書等を用いて(1)における相談窓口について説明を行っていること。
(6) 公益財団法人日本医療機能評価機構等、第三者の評価を受けていることが望ましい。
2 届出に関する事項
患者サポート体制充実加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式36 を用いること。
出典:平成30年3月5日 保医発0305第2号「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」
疑義解釈(Q&A)
疑義解釈は、「相談窓口への常時1名以上の配置」に関係する部分のみ紹介します。
(質問)
A234-3患者サポート体制充実加算の施設基準にある「患者等からの相談に対して相談内容に応じた適切な職種が対応できる体制」について、どのような体制が必要か。
(答)
専任の医師、看護師、薬剤師、社会福祉士又その他医療有資格者等が、窓口に常時配置されており、必要に応じて専任の医療有資格者等が患者等からの相談に対応できる体制が必要である。
(質問)
A234-3患者サポート体制充実加算の施設基準における専任職員は非常勤職員でも可能か。
(答)
雇用形態を問わないが、指揮命令権が当該保険医療機関にない請負方式などは不可である。なお、専任の担当者は医療機関の標榜時間中は窓口に常時1名以上配置されていなければならない。
出典:平成24年4月20日 事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その2)」
まとめ
ここで、患者サポート充実体制加算の「標榜時間内において常時1名以上の配置」についておさらいです。
- 専任者(1名以上)は、相談窓口に常にいること
- 標榜時間内すべてにおいて、誰が配置されていたか、記録すること
- トイレに行くぐらいはOK
僕は、この一件で、「日本語の読み方があまいな~」と、つくづく反省しました。
もっと、しっかり日本語を読まないといけないですね・・・
次から、気をつけます~(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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