保育所に入れないときの「育児休業の延長」手続き【要件、書類、給付金】

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保育園、赤ちゃん、子ども、おもちゃ

この記事では、保育施設(保育園など)に入れなかった場合の

  • 育児休業期間の延長制度(要件や手続き書類)
  • 育児休業給付金の取扱い
  • 育児休業を延長するときの注意点

について紹介しています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 保育園に落ちてしまった
  • 育児休業中で、保育園に入れるか不安を感じている
  • 出産を予定している(産休・育休の取得予定がある)
この記事は、医療・介護施設で、社会保険手続きを10年以上担当してきた経験をもとに書いています。

保育園に落ちた…でも、大丈夫!!育児休業は、子どもが2歳になるまで延長できる

育児休業は、次の2つの要件をいずれも満たした場合、最長で、子どもが2歳に達する日まで延長することができます。

  1. 育児休業に係る子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
  2. 保育所に入所できないなど、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
子どもが1歳に達する日とは、「子どもの1歳の誕生日の前日」、子どもが2歳に達する日とは、「子どもの2歳の誕生日の前日」のことです。

 

なお、「2.保育所に入所できない場合」とは、

「保育所等における保育の利用を希望し、市町村などに対し、申込みを行っているが、子どもが1歳(又は1歳6か月)に達する日の翌日において、保育が行なわれない旨の通知がされている状態」

のことです。

 

なので、簡単に言うと、

子どもの誕生日の前日まで育児休業をしていて、市町村から「保育園に入れないという通知」を受け取った人

は、育児休業を延長できるってことになります。

育児休業を延長するときは、まず、事業主(職場)に相談しよう

育児休業の延長に関する申し出は、

「育児休業開始予定日の2週間前まで」

に、事業主(職場)へ行うこととなっています。

 

なので、市町村からの「保育園に入れないという通知」が届いたら、早めに職場へ相談(申し出)しましょう。

 

ちなみに、「育児休業開始予定日」とは、

  • 1歳6か月までの休業については、子どもの1歳の誕生日(パパ・ママ育休プラスの場合は終了予定日の翌日)
  • 2歳までの休業については、子どもが1歳6か月に達する日の翌日

のことです。

育児休業を子どもが2歳になるまで延長するには、2回の申し出が必要

育児休業の延長は、最長で、子が2歳に達する日まで可能ですが、手続き(休業の申し出)は、2回に分けて行います。

わかりやすく一覧表にしておきます。

【育児休業期間延長の申し出】

申し出の回数申し出のタイミング休業期間(最大)
1回目子どもが1歳になるとき子どもが、1歳6か月に達する日
2回目子どもが1歳6か月になるとき子どもが、2歳に達する日

 

イメージとしては、こんな感じです。

育児休業期間延長イメージ

出典:厚生労働省リーフレット「平成29年10月より育児休業給付金の支給期間が2歳まで延長されます」

申し出時において、都度、「育児休業期間延長の2つの要件」を満たす必要があります。

延長した育児休業期間は、育児休業給付金が支給される

育児休業給付金は、原則、1歳に達する日の前日までの育児休業期間に対し支給されるものですが、「保育所に入所できない」などの理由で、育児休業を延長した場合は、その延長した期間に対しても受給することができます。

つまり、経済的な心配をすることなく、育児休業を延長できるってことです。

 

そんな、延長した育児休業期間の給付手続きはというと、

「市町村が発行した保育所等の入所保留の通知書など当面保育所等において保育が行われない事実を証明することができる書類」

を、原則、職場(事業主)に提出するだけでOKです。

この書類は、育児休業期間を延長するときに必要な「市町村からの保育園に入れないという通知」のことですので、提出し忘れることはないはずです。

 

ちなみに、僕の周りでは、「市町村からの保育園に入れないという通知」のことを、

「利用調整結果通知書」

なんて言ったりしますが、自治体によって「不承諾通知」「入所保留通知」などと言うみたいです。

 

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育児休業期間を延長し、育児休業給付金をもらうときの注意点

職員さんの育児休業手続きを通じて、

  • 学んだこと(失敗したこと)
  • 気をつけていること
  • 案内していること(職員さんへ)

を紹介します。

ここで紹介している内容については、参考程度にご覧いただき、職場の担当者に相談しながら制度を利用してください。(企業により取扱いに違いがあるかもしれませんので)

保育所等への申込みのタイミングと保育開始日に注意する

育児休業期間が延長できるのは、子どもが1歳に達する日の翌日(または1歳6ヶ月に達する日の翌日)において、市町村から「保育が行なわれない旨の通知」がされてなければいけません。

なので、次のような場合だと、要件を満たせなくなります。

  • 子どもの1歳に達する日の翌日(誕生日)が「6月28日」
  • 7月からの保育所の利用を申し込み

 

これだと、市町村からの「保育が行なわれない旨の通知」が、7月からとなってしまうため、育児休業を延長することはできなくなります。

このケースは、うちの職員さんで、実際にいましたので、気をつけてください。

認可外保育施設は対象外

育児休業期間の延長制度に関して、認可外保育施設は対象外です。

根拠としては、このとおり。

保育所等とは、児童福祉法に規定する保育所、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に規定する認定こども園及び児童福祉法に規定する家庭的保育事業等をいいます。

なお、認可外保育施設は含みません。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」

保育所は、自分の希望するところで良い

育児休業期間の延長(給付金も含む)に関しては、あなたが希望する保育所に申し込みを行い、定員がいっぱいであれば、他の保育所が空いていても問題ありません。

なので、「この保育園は、嫌だな~」ってところは、希望しない方がいいと思います。

 

ちなみに、うちの場合、院内保育室を整備しているため、市町村の保育所等に入れなくても、子どもをお預かりし、職場復帰していただくこともできるんですが、

「院内保育室は利用したくない」

という理由で、育児休業を延長した看護師さんもいます。

 

制度上は、これもOKです。

 

ただ、このあたりは、事業主(職場)との相談が必要かもしれませんが・・・

保育所等に空きができても、育児休業を終了しなくてもいい

育児休業期間の延長(給付金も含む)の要件は、

「少なくとも、子どもが1歳に達する日の翌日(または1歳6ヶ月に達する日の翌日)において、保育が行われない旨の通知(保育園に入れないという通知)がされていること」

となっています。

 

なので、子どもが1歳に達する日の翌日(または1歳6ヶ月に達する日の翌日)において、延長の要件に該当していれば、その後に希望している保育所等に空きができたとしても、育児休業を終了する必要はありません。

ちなみに、育児休業を終了しなければ、育児休業給付金の支給が止まることもありません。

職場復帰のタイミングは、職員の自由でOK(育児休業等からの早期の職場復帰)

「育児休業期間中に、職場復帰したいな~」って思ったら、原則、いつでも職場復帰可能です。

もちろん、事業主(職場)との相談は、必要ですけどね。

市町村が「保育園に入れないという通知」を発行してくれない時は?

こんなケースは、ほとんどないと思いますが、

「市町村からの保育園に入れないという通知が発行されない場合」

は、被保険者の疎明書を提出すればOKみたいです。(僕は、経験したことはありませんが・・・)

 

根拠は、このとおり。

市町村から証明書等が発行されない場合については、1歳に達する日(一定の要件を満たすことにより、育児休業終了予定日が当該子の1歳に達する日後である場合は、当該育児休業終了予定日。当該育児休業終了予定日が1歳2か月に達する日である場合は、1歳2か月に達する日)の翌日において、保育等の実施がされていない事実を記載した被保険者の疎明書(被保険者による署名、捺印付き。様式例参照。)を提出させることにより、確認して差し支えないものとする。

出典:厚生労働省職業安定局雇用保険課「業務取扱要領雇用継続給付関係(育児休業給付)」

 

【様式例「疎明書」】

育児休業延長にかかる「疎明書」

出典:厚生労働省職業安定局雇用保険課「業務取扱要領雇用継続給付関係(育児休業給付)」

両親(パパ・ママ)が、同時に育児休業を延長することもできる

「育児休業期間を延長するための2つの要件」を満たせば、パパ・ママともに育児休業を延長することが可能です。

たとえば、次のような場合です。

  • 両親ともに、育児休業を取得していて、「保育所に入れないという通知」をもらった場合
  • 両親のどちらかが、育児休業を取得していて、「保育所に入れないという通知」をもらった場合
この場合、希望により、両親とも同時に育児休業を延長することができます。

 

一応、根拠です。

(質問)

2歳までの育児休業は、それまで育児休業を取得していた配偶者と交替することなく、両親が同時に取得することも可能か。

(答)

可能である。

2歳までの育児休業を取得するための要件は、

①労働者又は配偶者が1歳6か月時点で育児休業をしていること、

②子の1歳6か月に達する日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められること、

である。

よって上記2要件を満たす限りにおいて、両親が同時に2歳までの育児休業を取得することも可能である。

なお、このことは1歳6か月までの育児休業においても同様である。

出典:厚生労働省「平成29年改正法に関するQ&A」

延長した育児休業期間中も、社会保険料が免除される

通常の育児休業と同様に、延長した育児休業期間についても、

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料

が免除されます。

 

手続きについては、原則、事業主(職場)が行ないますので、気にする必要はありません。

 

詳しくは、日本年金機構公式サイトを。

日本年金機構「育児休業保険料免除制度」

 

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まとめ

ここで、「保育所に入れなかったときの、育児休業の延長制度」についてまとめておきます。

  • 保育園に入れなかった場合、育児休業を、子どもが2歳になるまで延長できる
  • 育児休業の延長は、育児休業開始予定日の2週間前までに申し出する
  • 延長した育児休業期間は、育児休業給付金が支給される
  • 認可外保育施設は対象外
  • 両親(パパ・ママ)が、同時に育児休業を延長することもできる

 

育児休業の延長制度は、「育児・介護休業法」で定められた労働者の権利です。

ですので、たとえ、職場の就業規則に「育児休業に関する制度」がなかったとしても、利用することが可能です。

事業主は、育児休業の要件を満たした職員の申出を、拒むことはできないことになっていますし。

 

もし、保育園に入れなかったとしても、

「保育園に落ちた・・・」

と、がっかりせず、

「さらに子育てを楽しめる~」

と前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。

 

最長で、子どもが2歳になるまで、休めますので。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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