マネージャー(管理職)の悩みとして、
「部下が指示に従ってくれない(言うことを聞かない)」
がありますよね。
このとき、やさしいマネージャーは、
- 部下が言うことを聞かないのは自分のせいだ
- 部門の責任者としては、部下を守り、育てるのが役割
- 部下が育ってないのは、マネージャーの責任なので、少しでも良くなるように根気強く関わっていかないといけない
- 部下を見捨ててはいけない
みたいに考えて、自分を苦しめちゃったりします。
で、ひたすら、その部下に自分の時間を投下しちゃいます。
それはそれで、1つの手段としては、間違ってないんでしょうが、僕としては、
- 経営資源を効率的に分配する
- 部下には、公平に接する
という視点が抜けてないか?って思います。
そこで、この記事では、
「経営資源の効率的な分配を考えたときの言うことを聞かない部下への対応方法」
について、まとめておきます。
部下とのコミュニケーション(関わり方)で悩んでいる人に読んでいただけると嬉しいです。
言うことを聞かない部下にはかまわない【経営資源を投下しない】
部下が言うことを聞かないのは、
- 指示の内容に納得できない
- やる意味を感じられない
- 単純に、上司のことがきらい
など様々だと思います。
ただ、どんな理由があるにせよ組織として決まったことには、組織の一員として、従うべきだと思います。(決まる前に色々な意見を言うことは大切だと思います)
もちろん、上司として、部下に納得してもらえるように、丁寧に説明するってことは大切です。
それでも、指示に従わない(言うことを聞かない)っていうのは、ただ、かまってほしいだけの「かまってちゃん」なんだと思います。
僕は、基本的に、「かまってちゃんは、かまわない」って決めています。
理由としては、次の3つです。
- 部下の行動がエスカレートする
- 時間がもったいない
- 公平感が失われる
これだけだと、わかりづらいと思いますので、1つずつ詳しく説明していきます。
部下の行動がエスカレートする
かまってちゃんは、かまってもらうことが目的なので、かまえばかまうほど、行動がエスカレートします。
つまり、「指示に従わない = かまってもらえる」という心理です。
なので、かまってちゃんは、かまっちゃダメです。
大きな害がないなら、ほうっておいてください。
逆に、すごくいい働きをしてくれたなら、かまってちゃんは、存分にかまってください。
どんどん、いい働きをするようになります。
つまり、「こういう行動をすれば、たくさんかまってもらえるのか~」って心理です。
時間がもったいない
マネージャーの役割の中には、
- 経営資源の効率的な分配
- 限られた経営資源を使って、最大限のリターンを生む
というのがあります。
これって、「投資効果が大きいものから、優先的にやろう」ってことで、もっと言うと、「優先度を設定して、やらないことを決める」ってことです。
経営資源って無限じゃないので、リターンの少ないものには、極力、経営資源を使うべきじゃないです。
そういう意味では、人材育成についても同様に考えないといけません。
たとえば、
- やる気がない
- 非協力的(向きが合わない・常に反発的)
- 成長欲求がない
- 生産性が低い(さぼっている)
みたいな人への投資は効率的なのか?ってことです。
「時間」って、貴重な経営資源なので、やる気がなく、非協力的な人など、成長が期待できないような人に時間を分配するのはもったいないです。
その分、一生懸命頑張ってくれる職員さんに、時間を投下し、どんどん成長してもらった方が組織にとって投資価値は大きくなります。
ちなみに、結構、みんな忘れがちなんですけど、自分自身の時間も、組織にとっての大切な経営資源です。
なので、自分の時間価値も意識したうえで、仕事の「やる・やらない」を決めた方がいいです。
公平感が失われる
仕事で職員さんと関わるときに、意識しないといけないのは「平等」ではなく「公平」です。
なので、
- 一生懸命頑張ってくれる職員:関わる量を多く
- やる気がなく、非協力的な職員:関わる量を少なく
というのが、公平だと思います。
一方、手のかかる「かまってちゃん」に多くの時間を投下するのは、
- 一生懸命頑張ってくれる職員:関わる量を少なく
- やる気がなく、非協力的な職員:関わる量を多く
となり、不公平になっちゃいます。
わかりやすく、上司の関わりと部下の勤務態度の関係を図にすると、こんな感じになります。
不公平な職場だと、一生懸命やってくれてる人が報われないため、本来、大切にしないといけない職員が、最悪の場合、辞めちゃいます。
そうなると、組織の損失が大きいです。
言うことを聞かない人や規律を守れない人は、適切に突き放す
組織の方針や指導に対して、言うことを聞かない人や非協力的で規律(ルール)を守らない人は、あえて突き放すことも大切です。
ただ、突き放すと言っても、
- 強い言葉で叱責する
- 情報を伝えない
みたいなことではなく、
- 必要以上に関わらない
- 新たな仕事を任せない
- 賞与額で差をつける
がいいと思います。(僕は、これらのことを「適切に突き放す」と言っています)
もしかすると、「新たな仕事を任せない」について、「そもそも仕事なんか任されたくないけど、なんでそれが突き放すことになるの?」って思う人がいるかもしれません。
ただ、「仕事を任される = 上司から認められている」ってことなので、職員さんの承認欲求を満たすことができます。
また、新しいことを経験できるという意味でも、仕事から得られる経済的な価値以外の付加価値(経験価値)を増やすことができます。
そういう意味では、「いい仕事のご褒美は、新たな仕事」と言えなくもないんです。
もちろん、経済的な価値としても、いい仕事をすれば、給料や賞与に反映されますので、「仕事を任される」というのは、プラスが多いということになります。
一方、「新たな仕事を任されない」というのは、
- 承認欲求が満たされない
- 何年たっても、同じことしかできない
- 給料は増えない
ってことになりますので、「突き放している」となります。
ちなみに、「一生懸命、努力してるんだけど、結果につながってない」という人もいると思います。
そういう人は、突き放しちゃダメです。
アドバイスをしつつ、温かく見守ってあげることが大切だと思います。
そういう人は、あなたがピンチの時など、必ず、力になってくれるはずです。
まとめ
ここで、「言うことを聞かない部下への対処方法」について、おさらいです。
- 経営資源の効率的な分配を考え、ほうっておく
- 平等さではなく、公平さを意識して、職員と関わる
- 新たな仕事は任せない
マネージャーにとって、「職員を大切にする」というのはあたりまえのことですが、組織の和を乱したり、他人の足を引っ張ったりする人を「職員だから大切にしないと」と考えるのは間違っています。
というのも、そういう人を大切することで、その行動を見ている他の職員は、蔑ろにされていると感じてしまうからです。
そういう意味では、「職員を大切にする」というより、「一生懸命な職員を大切にする」というのが正解かもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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