【中等症の定義】新型コロナに感染した入院患者の取扱い(令和4年7月)

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わからない、不安、疑問、考える

入院患者が新型コロナウイルスに感染した場合、臨時的な取扱いとして、原則、14日間に限り、

  • 救急医療管理加算 3,800点(中等症Ⅰの患者)
  • 救急医療管理加算 5,700点(中等症Ⅱ以上の患者)

を算定できます。

 

このとき、新型コロナに感染した入院患者が軽症だった場合でも、

「救急医療管理加算 3,800点(中等症Ⅰの患者)」

の算定が可能です。

 

ただ、「中等症じゃないのに、ほんとに算定していいの?」って思いますよね。

僕も、思いました。

 

そこで、この記事では、新型コロナ感染症における中等症患者の定義についてまとめておきます。

「新型コロナの算定が訳わからん・・・」という人のお役に立てば嬉しいです。

この記事で紹介している算定ルールは、令和4年7月時点のものです。
また、地域や行政機関の担当者によっても解釈に多少の違いがあるかと思いますので、1つの意見としてご覧ください。

中等症の新型コロナウイルス感染症患者とは?

新型コロナウイルス感染症の重症度は、次のように分類されています。

新型コロナウイルス感染症の重症者分類表

出典:新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第8.0版

 

このとき、中等症Ⅰに該当する患者は、

  • 酸素飽和度:93%<SpO2<96%
  • 臨床状態:呼吸困難、肺炎所見

に当てはまらないといけないと思いがちですが、ちょっと違います。

 

というのも、厚生労働省事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その56)」で、中等症の新型コロナウイルス感染症患者を次のように定義しているからです。

中等症の新型コロナウイルス感染症患者(急変等のリスクに鑑み、自宅・宿泊療養の対象とすべきでない患者を含む。以下「入院加療を実施する患者」という。)

 

はっきりと中等症の患者には、「自宅・宿泊療養の対象とすべきでない患者を含む」となっています。

逆に言えば、自宅・宿泊療養の対象とすべきでない患者は、すべて中等症ってことです。

そして、自宅・宿泊療養の対象とすべきでない患者を含めて、「入院加療を実施する患者」としています。

 

結果、「入院加療を実施する患者 = 中等症の新型コロナウイルス感染症患者」ということになります。

入院加療を必要とする患者かどうかは、「入院勧告・措置」の有無により判断する

新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の「新型インフルエンザ等感染症」に分類されており、入院勧告の対象となっています。

入院勧告の対象者は、次に該当する人です。

【入院勧告・措置の対象者】

  • 65 歳以上の者
  • 呼吸器疾患を有する者
  • 腎臓疾患等により臓器等の機能が低下しているおそれがあると認められる者
  • 臓器の移植等により免疫の機能が低下しているおそれがあると認められる者
  • 妊婦
  • 中等症以上の者
  • 症状等を総合的に勘案して医師が入院させる必要があると認める者
  • 都道府県知事等が感染症のまん延を防止するために入院させる必要があると認める者

 

一応、法的根拠です。

厚生労働省 健発0203第2号 令和3年2月3日

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について (新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律関係)

(2)入院勧告・措置の見直し(感染症法第26条第2項、第37条第3項、第80条)

① 新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち病状の程度を勘案して厚生労働省令で定めるもの(感染症法施行規則第 23 条の5において「新型コロナウイルス感染症」を規定。)について、入院勧告・措置の対象を次の者に限定することを明示すること(感染症法第 26 条第2項)。

なお、新型コロナウイルス感染症については、現行も政省令により(ア)及び(イ)と同様の内容を規定している。

(ア)病状又は病状の程度が重篤化するおそれを勘案して厚生労働省令で定める者

(イ)宿泊療養・自宅療養の協力の求めに応じない者

※ (ア)については、以下の内容を感染症法施行規則第 23 条の6にて規定。

  • 65 歳以上の者
  • 呼吸器疾患を有する者
  • 腎臓疾患等により臓器等の機能が低下しているおそれがあると認められる者
  • 臓器の移植等により免疫の機能が低下しているおそれがあると認められる者
  • 妊婦
  • 中等症以上の者
  • 症状等を総合的に勘案して医師が入院させる必要があると認める者
  • 都道府県知事等が感染症のまん延を防止するために入院させる必要があると認める者

※ (イ)については、その入院費用の自己負担分を徴収できるものとする(感染 症法第 37 条第3項)。

② 入院先から逃げた場合又は正当な理由がなく入院措置に応じない場合は 50 万円 以下の過料に処すものとすること(感染症法第 80 条)。

※当該過料に処される旨についても入院勧告・入院措置の対象者に通知しなければならない(感染症法施行規則第 13 条第1項第9号)。

 

都道府県知事は、入院勧告の対象者に対して、入院を勧めることができます。

 

入院勧告された患者は、都道府県知事が「入院が必要と判断した人」です。

もっと言うと、都道府県知事が「自宅・宿泊療養の対象とすべきでない患者」と判断したってことです。

とすると、「入院勧告で入院した患者 = 入院加療を実施する患者」となりますよね。

 

ちなみに、入院患者が新型コロナに感染した場合、保健所から患者またはその家族へ「入院勧告書」が送付されます。

こんな書類です。

【入院勧告書(参考)】

入院勧告書(渋谷区)

出典:渋谷区「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく入院の勧告について」

入院加療を実施する患者は、救急医療管理加算(臨時的な取扱い)が算定できる

救急医療管理加算(臨時的取扱い)の算定ルールは、次のとおりとなっています。

新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その56)

厚生労働省 事務連絡 令和3年8月27日

(1)入院加療を実施する患者(入院基本料又は特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限り、次の(2)に該当する患者 を除く。)については、14 日を限度として1日につき救急医療管理加算1の 100 分の 400 に相当する点数(3,800 点)を算定できることとすること。

ただし、上記において継続的な診療が必要な場合には、当該点数を 15 日目以降も算定できることとすること。

なお、その場合においては、継続的な診療が必要と判断した理由について、摘要欄に記載すること。

(2)入院加療を実施する患者のうち、呼吸不全に対する診療及び管理を要する中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者(入院基本料又は特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)については、 14日を限度として1日につき救急医療管理加算1の100分の600に相当する点数 (5,700 点)を算定できることとすること。

ただし、上記において継続的な診療が必要な場合には、当該点数を 15日目以降も算定できることとすること。

なお、その場合においては、継続的な診療が必要と判断した理由について、摘要欄に記載すること。

 

この事務連絡のとおり、

  • 入院加療を実施する患者は、救急医療管理加算1の 100 分の 400 に相当する点数(3,800 点)を算定
  • 入院加療を実施する患者のうち、呼吸不全に対する診療及び管理を要する中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者は、救急医療管理加算1の100分の600に相当する点数 (5,700 点)を算定

となります。

まとめ

ここで、「新型コロナ感染症における中等症患者」についてまとめておきます。

  • 入院勧告で入院した患者は、中等症に該当する
  • 中等症の新型コロナ入院患者は、救急医療管理加算(臨時的な取扱い)が算定できる

 

新型コロナ関連の通知は多すぎるうえ、内容も複雑なので、すっごくわかりづらいですよね。

ただ、保険医療機関としては、極力、算定できるものはしっかりと請求したいところです。

そのためにも、制度の理解を深め、適切に判断していきたいですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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