
マネージャー(部下が1人でもいる人)にとって、仕事をする上で、部下からの信用や部下との信頼関係は、すっごく大事です。
そのため、職場のコミュニケーションを活発化し、信頼関係の構築のため、色々と部下に話しかける上司って多いと思います。
もちろん、仕事を円滑に進めていくために、部下との会話は大事です。
ただし、それは、「会話すること自体が目的になっていなければ」の話です。
というのも、上司によっては、「部下と会話すればいい」という部分だけを切り取り、「なんでもかんでも話しかければいい」と思って、自分の趣味の話や家族の話、休日に何をしたか、昔の武勇伝など、仕事を全く関係のない、いわゆる「雑談」を繰り広げる上司が多いからです。
「雑談」がすべて悪いとは思いませんが、部下にとって、「上司の雑談」は、仕事の邪魔になっていることが多いです。
そこで、この記事では、上司がやりがちな「勘違い雑談」について、まとめておきます。
「上司の雑談がウザくて困っている」
「部下とのコミュニケーションに悩んでいる」
という人は、ぜひ、読んでみてください。
上司の雑談で、部下が笑ってくれるのは、ほぼ忖度
上司の勘違いで、すごく多いのが、
「部下は、私(上司)の雑談で笑ってくれているから、楽しんでくれている」
というものです。
そして、雑談で笑ってくれているから、「コミュニケーションはバッチリだ!」とか「信頼関係はできている」という勘違いです。
部下にとって、上司は権威者です。
それは、人事評価を含めた「決裁権」などがあるからです。(経営者はその最たるものです)
また、役職は、本人(上司)が思う以上に、部下には強い権威として働きます。
そんな人から話しかけられて、無表情・無反応でいるわけにはいきません。
たとえ、つまらない話だとしても、上司に気を使って、あいづちを打ち、笑ってくれます。
このとき、部下は、上司のために、ムダな感情コストを負担しているのです。(感情労働を強いられている)
つまり、大変残念ではありますが、上司の雑談に対する部下の笑顔は、ほぼ忖度(そんたく)ということです。
上司の雑談は、「部下の時間を奪っている」という自覚が必要
上司は、部下に話しかける行為を「部下のために行っている(部下のための時間)」と思っているかもしれませんが、それは完全な勘違いです。
部下からすれば、上司の雑談は、仕事時間が奪われる「時間コスト」でしかありません。
日々の仕事に追われている職員(部下)からすれば、上司の雑談に付き合っている時間などありません。
「仕事の邪魔をしないでくれよ・・・」が、部下の本音だと思います。
そのため、部下の時間を、ただただ奪うだけの「独りよがりのコミュニケーション」はやめましょう。
信頼関係を築くどころか、逆に、部下から嫌われちゃいます。
部下からすれば、上司のプライベートに興味はない
心理テクニックとして、
「まずは自分のプライベートを話して、相手に心を開いてもらおう」
みたいなのがあるかと思います。
僕としては、上司・部下の関係性においては、このテクニックは、ほぼ効果がないと思っています。
というのも、そもそも部下からすれば、上司のプライベートに、1ミリも興味がないことがほとんどだからです。
興味のないことを強制的に聞かされて、心を開こうと思う部下はいません。
信頼関係は、「言葉」ではなく、「行動」で築かれていくものです。
「雑談を通じて信頼関関を築く」なんて考え方もあるようですが、「雑談」を繰り返すことで、信頼関係ができていくと考えるのは間違えです。
正解は、
「雑談が信頼を作るのではなく、信頼関係があるからこそ雑談が成立する」
だと思います。
もし、部下と雑談がしたいのであれば、
- 仕事で困っている部下に的確なアドバイスをし、解決に導く
- トラブルが起きたときに、きちんと責任を取る
- 部下からの相談に対し、きちんと話を聞き、サポートする
などにより、「この人は信頼できる」という関係づくりが先です。
逆にいえば、信頼されている上司は、部下から雑談をしてくれます。
ぜひ、部下から雑談してもらえるような上司(マネージャー)を目指しましょう。
コミュニケーション力とは、「話す力」ではなく、「聴く力」
僕は、コミュニケーションに長けている人というは、話す力よりも、聴く力がすごい人だと思っています。
というのも、人は、自分の話をしたいものです。(脳にとって快楽になるため)
そして、自分の話をしっかりと聞いてくれる人には、もっと話したいと思うものです。
また、「話を聴く」という行為は、相手の承認欲求を満たします。
そのため、部下への「あなたのこと(話)を大切に思っています」というメッセージにもなります。
逆に、部下の話を聞かずに、よく喋る上司は、部下に「大切にされていない」と思わせてしまいます。
仕事におけるコミュニケーションの目的は、相手に気持ちよく動いてもらうためです。
自分のことを大切にしてくれない人のために、部下は、自発的に動くことはありません。
部下からの相談や雑談は、マネージャーにとって、すっごく有り難いものです。
ぜひ、その際には、しっかりと部下の話を聴いてください。
部下は、話をしっかりと聴いてくれる上司にしか、心は開きません。
自分の承認欲求を満たすために、部下にベラベラと喋るのはやめましょう。
ぜんぜん、部下のためになりませんので。
ちなみに、「聴く:話す」の理想的な比率は、「8:2」ぐらいかと思います。
8割聴くって、かなり大変ですが、部下の話にあいづちを打ちながら、所々で、相手の話を掘り下げるような質問を挟んでいくイメージです。
そうすると、相手は、どんどん話してくれるようになります。
「1on1」は部下のために時間
仕事において、上司は部下と「仲良し」になる必要はありません。
もちろん、部下に媚びる必要もありません。
上司(マネージャー)の役割は、組織の成果を最大化するべく、部下(メンバー)が高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えることです。
「上司の雑談」は、部下の仕事を邪魔する行為であり、本来の上司の役割とは、逆の行動です。
とはいえ、あなた(上司)が仕事をやりやすくするために、「部下と話したい」という人もいるかと思います。
そういう時は、仕事中にいきなり雑談をするのではなく、事前に予定を立てた「1on1ミーティング(面談)」がオススメです。
事前に予定を立てることで、部下からすれば、その時間は上司と話をする時間だと、スケジュール調整をしておけます。
結果、「ウザいな・・・」と思われることもないはずです。
このとき、次のことに注意してください。
【1on1ミーティングの注意点】
- 1on1は、部下のための時間であるということ
- 部下に、8割以上、話してもらうこと
- 部下の困りごとを、しっかり聴くこと(部下の話を理解すること)
- 部下の話を否定しないこと
- 上司の独演会にしないこと(上司の承認欲求を満たす場にしないこと)
- 部下が話してくれたことは、しっかりとメモをすること
このあたりを徹底しておくと、コミュニケーションも円滑になり、仕事がしやすくなると思います。
ちなみに、部下から困りごとの相談があったときは、すぐに対応しましょう。
部下からすれば、上司への相談や仕事に対する意見というの言いづらいものです。
そのため、せっかく意を決して話してくれたのに、上司が何もしてくれないとなると、次から何も話してくれなくなります。
「どうせ話したって、何もしてくれないのでしょ!?話すだけムダじゃん!」という心理です。
まとめ
ここで、上司がやりがちな「コミュニケーションにおける勘違い」について、まとめておきます。
- 上司の雑談で、部下が笑ってくれるのは、ほぼ忖度
- 上司の雑談は、「部下の時間を奪っている」
- 部下は、上司のプライベートに興味はない
- コミュニケーション力とは、「話す力」ではなく「聴く力」
- 「1on1」は部下のために時間
上司が部下に行う、コミュニケーションにおける最大の勘違いは、「たくさん話すことが、信頼関係に繋がる」と思い込んでしまうことだと思います。
上司の良かれと思っての「雑談」は、部下にとっては仕事の手を止める「邪魔」であり、表情を作らなければならない「感情労働」になり得ます。
本来、上司がやるべきことは、自分の話を聴かせることではなく、部下が心置きなく仕事に没頭できる環境を整えることのはずです。
上司と部下の信頼関係とは、話した回数ではなく、「困った時にどれだけ助けてくれたか」という行動の積み重ねでしか築けないと思います。
ぜひ、部下から「ちょっと相談してもいいですか?」と声をかけてもらえるような、そんな「聴く力」を持ったマネージャーになりましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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