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回復期リハビリ病棟「体制強化加算1」の専従者の取扱い【厚生局の回答】

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医師、病院、聴診器

この記事では、回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」の要件である

  • 専従の常勤医師1名以上の配置
  • 専従の常勤社会福祉士1名以上の配置

の解釈と施設基準を満たすための取扱いについて紹介しています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 「体制強化加算1」を算定している
  • 「回復期リハビリテーション病棟入院料」の届出を検討している
  • 医療機関で、施設基準の管理を担当している
この記事は、厚生局の担当者に確認(令和元年6月)した内容をまとめたものです。

専従の常勤医師は、土日・祝日以外の日に常時配置され、その病棟以外の仕事はできない

まずは、「専従の常勤医師(社会福祉士)1名以上の配置」の取扱いについてまとめておきます。

言わば、この記事の結論です。

  • 当該病棟における専従配置とは、「その病棟以外の業務はできない」ということ
  • 「体制強化加算1」における常勤とは、土日・祝日以外の日に当該病棟で勤務していること
  • 夏休みや突発的な休み(体調不良や忌引きなど)においても、原則は、他の常勤医師を専従配置すること
  • 「専従の常勤社会福祉士」も医師と同様の取扱いが望ましい

 

それでは、1つずつ説明していきます。

当該病棟における専従配置とは、「その病棟以外の業務はできない」ということ

専従とは、「専ら当該業務に従事すること」をいいますので、回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」の当該病棟における専従とは、その病棟以外の業務は行えないことを意味します。

なので、「体制強化加算1」の専従医師は、外来診療を担当したり、他の病棟の患者を診ることはできません。

 

法的根拠は、次のとおりです。

(問)

体制強化加算の施設基準にて、「当該病棟に専従の常勤医師1名以上及び専従の社会福祉士が1名以上配置されていること」とあるが、専従の常勤医師は、外来診療を行うことができるか。

(答)

行うことはできない。

出典:厚生労働省「疑義解釈(平成26年4月4日)」

 

ちなみに、所定労働時間外においても、外来診療は担当することはできません。

 

ただし、当直(宿直)はすることはできます。

このとおり。

(問)

体制強化加算1について、当該病棟に専従の常勤医師が所定労働時間外に当該保険医療機関において、外来、当直を行うことは可能か。

(答)

外来は不可であるが、当直は可能である。

出典:厚生労働省「疑義解釈(平成26年3月31日)」

「体制強化加算1」における常勤とは、土日・祝日以外の日に当該病棟で勤務していること

厚生労働省の疑義解釈(事務連絡)によると、回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」における「常勤」とは、次のように定義されています。

(問)

体制強化加算の要件にある「専従の常勤医師」は、雇用契約で定める所定労働時間の勤務でよいか。

(答)

よい。なお、土日、祝日以外の日において、当該専従の常勤医師が当該保険医療機関に勤務しない日が存在する場合は、当該医師とは別のリハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有し、リハビリテーションに係る研修を修了した専従(当該日において専従であればよい)の常勤医師を配置すること。

出典:厚生労働省「疑義解釈(平成26年3月31日)」

 

ポイントは次の3つです。

  • 常勤の定義は、雇用契約で定める所定労働時間の勤務でOK
  • 土日、祝日については、「専従の常勤医師」を、その病棟に配置しなくてもいい
  • 土日、祝日以外の日に、その「専従の常勤医師」が勤務しない場合は、他の常勤医師を専従配置する必要がある
他の常勤医師の専従配置とは、その日において専従であればOKです。

 

要するに、

「専従の常勤医師は、土日、祝日以外は休まないこと」

もしくは、

「専従の常勤医師を2名以上配置し、フォローしあえる体制を整備しよう」

ってことですね。

夏休みや突発的な休み(体調不良や忌引きなど)においても、原則は、他の常勤医師を専従配置すること

上記のとおり、厚生労働省の疑義解釈によると、

「土日、祝日以外の日について、当該専従の常勤医師が勤務しない場合は、他の常勤医師を専従配置が必要」

とされていますが、

  • 夏休みや有給休暇を取得した日は、どうなるの?
  • 体調不良や忌引きなどの突発的な休みの場合は?

と疑問に思ったので、厚生局に確認してみました。

 

で、回答は次のとおりでした。

  • 夏休みや有給休暇などで、予定がわかっているものについては、他の常勤医師を専従配置すること。
  • 体調不良や忌引きなどの突発的な休み場合も、原則は、他の常勤医師を専従配置することが望ましいが、対応が難しい場合もあるでしょうから、配置ができないからといって施設基準を満たしていないということにはならない。

 

要するに、「できる限り配置しましょう!」ってことです。

「専従の常勤社会福祉士」も医師と同様の取扱いが望ましい

厚生労働省の疑義解釈には、「専従の常勤医師」のことしか書いてないため、「専従の常勤社会福祉士」の取扱いについて厚生局に確認してみました。

 

【質問】

「当該病棟の専従の常勤社会福祉士」が、休んだ場合の取扱いは、専従医師と同様ということでよろしいのでしょうか?

 

【回答】

通知や事務連絡で明示されているわけではないため、強制力はないが、医師と同様の取扱いが望ましい。

 

つまり、社会福祉士の配置についても、

  • 常勤の定義は、雇用契約で定める所定労働時間の勤務でOK
  • 土日、祝日については、「専従の常勤社会福祉士」を、その病棟に配置しなくてもいい
  • 土日、祝日以外の日に、その「専従の常勤社会福祉士」が勤務しない場合は他の常勤社会福祉士を専従配置する必要がある

ってことですね。

 

ただ、強制力はないみたいです・・・

 

ちなみに、専従配置ではありますが、次の2つは「兼任」が可能です。

  • 回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」の専従の常勤社会福祉士
  • 退院支援加算1の退院支援及び地域連携業務に専従するものとして当該病棟に専任配置される社会福祉士(その社会福祉士が、他の病棟を兼任しない場合に限ります)

 

法的根拠は、次のとおりです。

(問)

回復期リハビリテーション病棟入院料1・2の施設基準に従い病棟に専任配置される社会福祉士、体制強化加算の施設基準に従い病棟に専従配置される社会福祉士、地域包括ケア病棟入院料の施設基準に従い医療機関に専任の在宅復帰支援担当者として配置される社会福祉士は、退院支援加算1の施設基準に従い退院支援及び地域連携業務に専従するものとして病棟に専任配置される社会福祉士と兼任できるか。

また、認知症ケア加算1の認知症ケアチームの専任の社会福祉士と兼任できるか。

(答)

体制強化加算の施設基準に従い病棟に専従配置される社会福祉士は、当該病棟において退院支援業務を行うために配置されることから、退院支援加算1の施設基準に従い退院支援及び地域連携業務に専従するものとして当該病棟に専任配置される社会福祉士(当該の社会福祉士が他の病棟を兼任しない場合に限る。)と兼任できるが、認知症ケア加算1の認知症ケアチームの専任の社会福祉士とは兼任できない。

回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準に従い病棟に専任配置される社会福祉士及び地域包括ケア病棟入院料の施設基準に従い医療機関に専任の在宅復帰支援担当者として配置される社会福祉士は、退院支援加算1の施設基準に従い退院支援及び地域連携業務に専従するものとして病棟に専任配置される社会福祉士又は認知症ケア加算1の認知症ケアチームの専任の社会福祉士と兼任できる。

出典:厚生労働省「疑義解釈(平成28年3月31日)」

回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」の施設基準等

一応、「体制強化加算1」の診療報酬と要件について、載せておきます。(2018年4月の基準)

診療報酬

  • 回復期リハビリテーション病棟入院料1「2,085点」(生活療養を受ける場合にあっては、2,071点)
  • 回復期リハビリテーション病棟入院料2「2,025点」(生活療養を受ける場合にあっては、2,011点)
  • 体制強化加算1「200点」
患者1人につき、1日あたり、上記の点数を算定することができます。

 

言うまでもありませんが、「体制強化加算1」は、患者1人につき1日あたり「200点」となっており、かなり強烈な点数です。

 

たとえば、「入院患者の稼働数30床」の場合、1年間で、

30床 × 365日 × 200点 = 2,190,000点

となり、年間 21,900,000円の売上となります。

 

医師の採用や人件費の問題などあるかとは思いますが、届出しておきたい加算の1つだと、僕は思います。

体制強化加算1の施設基準

(1) 回復期リハビリテーション病棟入院料1又は2の届出を行っていること。

(2) 当該病棟に専従の常勤医師1名以上及び専従の常勤社会福祉士1名以上が配置されていること。

(3) (2)に掲げる医師については、次のいずれも満たすこと。

ア リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有していること。

イ 適切なリハビリテーションに係る研修を修了していること。

(4) (3)のイに掲げるリハビリテーションに係る研修とは、医療関係団体等が開催する回復期のリハビリテーション医療に関する理論、評価法等に関する総合的な内容を含む数日程度の研修(修了証が交付されるもの)であり、研修期間は通算して14 時間程度のものをいう。

なお、当該研修には、次の内容を含むものであること。

ア 回復期リハビリテーションの総論

イ 脳血管リハビリテーション

ウ 運動器リハビリテーション

エ 回復期リハビリテーションに必要な評価

オ 高次脳機能障害

カ 摂食嚥下、口腔ケア

キ 地域包括ケア

(5) (2)に掲げる社会福祉士については、退院調整に関する3年以上の経験を有する者であること。

まとめ

この記事では、回復期リハビリテーション病棟入院料「体制強化加算1」の専従配置の要件について、厚生局に確認した内容を紹介してきましたが、どうやら、厚生局の担当者によっても、回答にバラつきがあるようです。

 

というのも、別の医療機関で働く友人に確認したところ、僕が聞いた回答と違うところがありました。

なので、今回紹介した内容がすべてだとは限りません。

 

ただ、「体制強化加算の考え方としては、適正かも?」と僕は思っています。

そもそも、体制強化加算は、

「患者の早期機能回復及び早期退院を促進するために、専従の医師及び専従の社会福祉士の配置を評価したもの」

とされているので、「自己都合で休んだ日は、配置しなくていいよ~」って方が違和感がありますし。

 

ちなみに、個人的には、次のような疑問も感じています。

  • 土日・祝日以外の休診日は?
  • 年末年始は、祝日扱いでいいの?
  • 会議や院内研修などの時間ってどうなるの?

 

まぁ、このあたりに関しては、確認でき次第、追記できればと考えています。

ただ、あんまり細かく確認しすぎると、こっちが損しちゃう可能性もあるので、ほどほどにと思っていますが・・・(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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