副業・兼業の労働時間は通算する!労働基準法における就業時間の管理(把握)義務

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労働時間管理、時計、タイムスケジュール

この記事では、事業主が知っておきたい

「副業・兼業を行っている職員の労働時間の取扱い」

について紹介しています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 「うちの会社でも、副業・兼業を制度化していこう」と考えている
  • 副業・兼業における労働時間って管理する必要あるの?
  • 副業・兼業先の労働時間って、どう把握すればいいの?
この記事は、うちの法人で、副業・兼業を制度化するために調べた内容をまとめたものです。

本業・副業関係なく、すべての労働時間は通算される

労働基準法においては、副業・兼業で働いた時間も、すべて労働時間として通算されます。

根拠は、これです。

労働基準法(昭和22年法律第49号)

第38条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

 

労働基準局長通達(昭和23年5月14日基発第769号)

「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含む。

 

なので、事業主としては、職員が自らの事業所以外で働いた時間も、管理(把握)しておく必要があります。

副業・兼業先の労働時間を把握する方法は、職員からの自己申告で良い

はっきり言って、事業主側の立場からすれば、副業・兼業先のタイムカードをもらうとか、かなり厳しくないですか!?

そんなことしたら、副業・兼業の促進にも、繋がらない気がしますし・・・

 

そんな理由が影響したかどうかは、わかりませんが、副業・兼業先の労働時間は、職員からの自己申告で把握すればいいみたいです。

まぁ、それでも、職員さんにとっては、手間だと思いますけどね・・・

 

根拠は、このとおり。

特に、労働者が、自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合には、 労働時間に関する規定の適用について通算するとされていることに留意する必要がある。

また、労働時間や健康の状態を把握するためにも、副業・兼業の内容等を労働者に申請・届出させることが望ましい。

使用者は、労働者が労働基準法の労働時間に関する規定が適用される副業・兼業をしている場合、労働者からの自己申告により副業・兼業先での労働時間を把握することが考えられる。

出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

 

事業主としては、副業・兼業を行う職員さんから自己申告してもらうためにも、

「副業・兼業先の勤務時間表(届出書)」

みたいなのを作成しておく必要がありそうですね・・・

労働者が、労働基準法の労働時間に関する規定が適用される副業・兼業をしている場合とは?

一般的に、

  • 個人事業主
  • 自営業
  • フリーランス
  • 労働基準法上の管理監督者
  • 会社の役員

は、労働基準法の労働時間に関する規定が適用されません。

 

なので、副業・兼業の働き方が、上記のような場合、労働時間について自己申告してもらう必要はありません。

 

ただ、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働時間に関する規定が適用されない職員についても、

「過労等により業務に支障を来さないようにする観点から、その者の自己申告により就業時間を把握すること等を通じて、 就業時間が長時間にならないよう配慮することが望ましい。」

となっているので、可能であれば「労働時間の把握」をしたほうが良さそうです。

 

なお、労働時間通算の範囲(働き方)ついては、厚生労働省の資料がすっごくわかりやすかったので、載せておきます。

働き方ごとの労働基準法(労働時間通算)適用関係「厚生労働省資料」

出典:厚生労働省「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」資料6 副業・兼業における現行の労働時間管理、健康管理について

副業・兼業先の「労働時間等に関する記録」は必要か?

「労働基準法108条・109条」では、

(賃金台帳)

第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

(記録の保存)

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。

とされています。

また、厚生労働省が策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働基準法108条・109条の取扱いについて、

賃金台帳の適正な調製

使用者は、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと。

また、賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合は、同法第120条に基づき、30万円以下の罰金に処されること。

 

労働時間の記録に関する書類の保存

使用者は、労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存しなければならないこと。

となっています。

 

ここだけ読んじゃうと、

「副業・兼業先の賃金台帳や労働時間等に関する書類も3年間の保存しないと!」

と、思っちゃいますよね。(僕が思っちゃいました・・・)

 

そこで、労働基準監督署の担当官に確認してみました。

 

で、結論としては、

  • 労働基準法108条・109条の規定は、自らの事業所のみに適用される
  • つまり、副業・兼業先の労働時間は、把握(管理)する必要はあるが、保存の義務はない

ということでした。

 

この回答に、個人的には、ほっとしました~(笑)

 

まあ、そうは言っても、職員さんから「副業・兼業先の労働時間の申告書」をもらったら、一応、保存していた方がいいんだと思いますが・・・

まとめ

ここで、「副業・兼業における労働時間の管理(把握)の注意点」についてまとめておきます。

  • 職員が自らの事業所以外で働いた時間も、管理(把握)しておく必要がある
  • 自らの事業所以外で働いた時間は、職員からの自己申告で把握する
  • 個人事業主やフリーランス、会社の役員などの働き方の場合は、職員からの自己申告は不要
  • 労働基準法上、副業・兼業先の労働時間は、把握(管理)する必要はあるが保存の義務はない

 

厚生労働省では、「働き方改革」の1つとして、副業・兼業を推進していますので、これからどんどん「副業・兼業」があたりまえになっていくと思われます。

 

組織(企業)としては、副業・兼業について、早めに制度化し、職員さんの希望にあわせた、多様な働き方に対応できるようにしておきたいですね。

人材を確保するためにも。

 

特に、うちみたいな医療・介護業界は、人材不足が深刻なんで・・・

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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