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「特別な関係」でも、算定可能になった加算をまとめておくよ【平成30年度改定】

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パートナーシップ、つながり、連携

平成30年度の診療報酬改定において、「特別な関係」にある場合でも、医療機関や訪問看護ステーションで算定可能となる加算(報酬)が増えました。

おそらく、国としては、同法人内(グループ内)での連携を認めることで「入院から在宅」または、「在宅から入院」という、入退院の円滑化を進めたいのだと思います。

 

まぁ、その背景には、法人同士(他の法人との)の連携がなかなか進まなかったという理由があるんだと思いますが・・・

何にせよ、患者や家族からすれば、1つのグループや病院で、面倒をすべて見てくれるなら、ありがたいはずなので、すごくいい改定だと思いますが。

 

そんなことで、今回は、「特別な関係」でも、算定可能になった加算をまとめておきます。

 

ぜひ、「特別な関係」で連携を強化し、患者・家族へのサービスの質を上げていきましょう。

「特別な関係」における診療報酬算定ルールが見直された加算

まずは、特別な関係にある場合でも、医療機関や訪問看護ステーションで算定可能となった報酬項目を一覧にしておきます。

算定できそうな加算は、どんどん取っていきましょう。

病院・診療所の加算等

A206 在宅患者緊急入院診療加算 入院初日

  1. 在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院の場合 2,500点
  2. 連携医療機関である場合 2,000点
  3. 上記以外 1,000点

A238-7 精神科救急搬送患者地域連携受入加算 入院初日 2,000点

A248 精神疾患診療体制加算1 入院初日 1,000点

B004 退院時共同指導料1 入院中2回 

  1. 在宅療養支援診療所 1,500点
  2. それ以外 900点

B004 退院時共同指導料2 入院中2回 400点

  • 退院時共同指導加算  300点
  • 多機関共同指導加算 2,000点

C010 在宅患者連携指導加算 月1回 900点

C011 在宅患者緊急時等カンファレンス料 月2回 200点

訪問看護ステーションの加算

在宅患者緊急時等カンファレンス加算(訪問看護) 月2回 200点

介護老人保健施設入所者に係る診療料

施設入所者共同指導料 患者1人につき1回 600点

「特別な関係」の定義

次に、特別な関係の定義について、説明しておきます。(一応です)

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)

平成30年3月5日 保医発0305第1号

「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。

ア 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。

(イ) 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合

(ロ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合

(ハ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合

(ニ) 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10 分の3を超える場合

(ホ) (イ)から(ニ)までに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)

イ 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。

ウ 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。

(イ) 事実上婚姻関係と同様の事情にある者

(ロ) 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの

(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

ポイントを抜き出すと、

  • 開設者が同じ保険医療機関等
  • 代表者が同じ保険医療機関等
  • 代表者の親族が、代表者となっている保険医療機関等

って感じです。

 

つまり、理事長が同じだったり、理事長の親族が代表を務めている場合は、「特別な関係」に該当するよってことです。

この加算は、ぜひ算定しよう!!

特に、「この加算は、ヤバイでしょ!?」ってやつを、僕の独断で選出します。

まずは、これです。

A206 在宅患者緊急入院診療加算 入院初日

  1. 在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院の場合 2,500点
  2. 連携医療機関である場合 2,000点
  3. 上記以外 1,000点

 

この加算は、連携先の診療所からの求めに応じ、在宅患者を受入れする(入院させる)ことで算定可能です。

つまり、連携先の診療所を増やし、地域のベットとして、緊急時の受入れをガンガン行えば、すっごい点数になるかも!?ってことです。

 

次は、これです。

B004 退院時共同指導料2 入院中2回 400点

  • 退院時共同指導加算  300点
  • 多機関共同指導加算 2,000点

 

この加算は、入院中の患者に退院に向け、多職種で指導を行った場合に、算定可能です。

「特別な関係」の事業所との連携なら、随分ハードルが下がると思います。

 

同一法人の事業所(グループ)で連携して、どんどん算定していきましょう。

まとめ

「特別な関係」での連携を国が認めたということは、その地域の患者について、1法人で囲い込んでいいよってことだと思います。

言い方を変えれば、その地域全体の健康管理を含め、緊急時の対応から看取りまでを、一元管理し、総合的なサービスを行えるってこと。

 

これって、患者さんや家族からすれば、理想的なサービスの形だと思います。

だって、医療・介護業界って、すっごく不透明で、制度が複雑じゃないですか!?

はっきり言って、すべてをお任せできるのはすごく楽だと思うんです。

転院の度に、他の病院や介護施設を探したりする手間もかかりませんし。

 

今後は、こういった「在宅から入院」または「入院から在宅」という総合的なサービスを行う医療法人が今まで以上に、増えてくると思います。

 

でも、これって、「小さな地域包括ケアシステム」ってことなんですよね。

 

だとすると、国が目指した形を、1法人で実現していけるってことですね。

これは、おもしろい!!(笑)

 

ちなみに、中途半端に、専門性に特化した病院は、今後、厳しくなるかもしれないですね。

まー、その特化した専門性が強烈な売りとなり、全国から患者来れば別ですけど。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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