
コミュニケーションの失敗って、誰にでも経験があると思います。
僕も、仕事柄、色々な職種の方と関わるため、コミュニケーションについては、かなり失敗をしてきました。
それこそ、
「あなたは、この病院をつぶすつもりですか!?」
「言ってることが全然違う、もう、信用できない!」
みたいなことを、かなり強い口調で言われたこともあります。
いま思えば、もっと丁寧に説明し、きちんと合意(確認)をとっておけば、よかったと思いますが、当時の僕からすれば、
「論理的にきちんと伝えているのに、なんで理解してくれないの?」
「Aと伝えたのに、なんで、Cだと思ってるの?」
みたいに、コミュニケーションの失敗を全面的に相手のせい(相手の受け取り方や理解がおかしい)にしていました。
ただ、これって、ぜんぜん解決策になってなくて、同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高いんですよね。
そこで、まずは、コミュニケーションの失敗を相手のせいにせず、
- 自分の考え方や伝え方に問題はなかったのか?
- じゃあ、どうすれば同じ失敗をしなくてすむか?
と振り返るようにしました。
すると、だいぶ、コミュニケーションの乖離を減らすことができるようになり、大きな失敗につながることはなくなりました。
そこで、この記事では、経験則ではありますが、「コミュニケーションの失敗を減らすために意識しておくこと(考え方)」についてまとめておきます。
コミュニケーションで悩んでいるという人は、ぜひ、読んでみてください。
コミュニケーションに対する考え方
僕は、前提として、コミュニケーションを次のように捉えています。
- 「他者とはわかりあえないもの」からスタートする
- 同じ言葉でも、相手の価値観や理解度によって意味は変わってしまう
- 人の記憶は、都合よく、変わってしまう
- 伝わってなければ、言ってないのと同じ
- コミュニケーションの失敗は相手のせいにしがちだからこそ、まずは、自分のものさしを疑う
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
「他者とはわかりあえないもの」からスタートする
僕たちって、なんとなく他者との関わり(コミュニケーション)において、「わかりあえるもの」を前提としていませんか?
たとえば、「話せばわかってもらえる」とか、「きちんと伝えれば、理解してもらえる」みたいな。
でも、「話せばわかる」なら、こんなにも、コミュニケーションで悩むことってないですよね。
そう思うと、お互いに「わかりあえる」って、かなりの難易度だと思うんです。
なので、そもそも、「わかってもらう」「理解しもらう」のは難しいと考えて、
- 理解してもらうためには、どうしたらいいのか?
- うまく伝えるためには、どうしたらいいのか?
と考えて、丁寧に準備をしたほうが健全だと思います。
また、「他者とはわかりあえないもの」からスタートすることで、「ダメであたりまえ」と思えるので、失敗したときのダメージも少ないです。
ちなみに、お互いのすべてをわかりあえている関係なんて、夫婦でもありえません。
この部分は理解できるけど、この部分は理解できないという「部分理解」があたりまえで、理解できる部分の大きさによって、他者との相性が違ってくるんだと思います。
なので、「話せばわかる」みたいな幻想は持たないほうがいいと思います。
同じ言葉でも、相手の価値観や理解度によって意味は変わってしまう
言葉って、ただの記号です。
その記号に、どんな意味を持たせるか、また、どんな意味だと認識するかは、人それぞれです。
それこそ、人から「キレイですね」と言われたとき、「うれしい!」と感じる人もいれば、「バカにしている」とか「セクハラだ!(不愉快だ!)」と感じる人もいます。
つまり、コミュニケーションにおいては、その人の価値観や経験、知識などによる理解度などのフィルターを通すことにより、言葉の定義(解釈)が変わってしまうものなのです。
なので、「こちらかが伝えたいことが、正確に伝わっているか?」をしっかりと確認しておかないと、
「あなたの指示通りにやったのに!」
「そんなことは言っていない! 」
みたいなことが起っちゃいます。
人の記憶は、都合よく、変わってしまう
僕たちは、自分の記憶にあることは、「事実」だと認識していることが多いと思います。
でも、「言った・言ってない」の論争が、あたりまえに起こっていることからして、記憶って、実は、すっごく曖昧なものなんだと思います。
また、人の記憶って、想像以上に脆弱で、自分の都合のいいように書き換わってしまうものだと思います。
というのも、「え!?そんなこと言ったっけな~」とか、「そんなことを言われた記憶ないんだけど・・・」みたいな経験は、誰にだってありますよね。
もちろん、「忘れちゃう」っていうのも、記憶の書き換えの1つだと思います。
なので、「記憶だよりのコミュニケーション」は、お互いが都合のよいものになっている可能性があるので、お互いが「ウソ」をついているわけではないが、ぜんぜん事実ではないということがありえます。
伝わってなければ、言ってないのと同じ
コミュニケーションって、相手とのやりとり(キャッチボール)があって、成立するものです。
なので、「言った = 伝わった」ではありません。
「言いっぱなし」は、やめましょう。
ちなみに、僕は、「伝わっていないなら、言ってないのと同じ」と思って、コミュニケーションを行っています。
コミュニケーションの失敗は相手のせいにしがちだからこそ、まずは、自分のものさしを疑う
「失敗から学ぶ大切さ」を理解している人は、多いと思います。
でも、コミュニケーションの失敗については、何度も同じ失敗(イライラやいざこざなど)繰り返す人が多い印象です。
つまり、コミュニケーションの失敗が学びにつながっていないってことです。
これって、僕としては、「コミュニケーションの失敗って、相手のせいにしがち」だからだと思っています。
失敗を相手のせいにすると、自分の発言や行動を振り返らないので、ぜんぜん学び(改善)につながりません。
なので、「せっかく失敗したのだから!」と思って、まずは、「自分の言動や態度などに問題はなかったか?」と振り返ることが大切だと思います。
言い換えるなら、「相手のものさしではなく、まずは、自分のものさしを疑う」ってことです。
「自分が正しい」となってしまうと、学びにはつながりません。
せっかくの失敗を無駄にしないようにしましょう。
コミュニケーションも失敗から学んだほうが効果的だと思いますし。
コミュニケーションのためにやっていること
僕が、コミュニケーションの失敗から学んで、意識・行動していることを、一部紹介します。(相手によって使い分けたりしています)
- 会話や説明などの途中で、きちんと理解してもらえたかどうかの確認をする
- 伝えたいことを書面で作成し、渡したうえで説明する
- 記録を徹底する(記憶より、記録を重視する)
- まずは、自分の物語は横に置いておいて、相手の言動の背後にある「物語」を理解するようにする
- 自分の前提と、相手の前提に乖離がないか確認する
- 役職は、部下にとっては「こちらの思った以上に権威として作用する」ことを意識しておく
- 「何を言うかより、誰が言うか」が重要なため、日ごろから信頼関係を築いておく
これらを意識することにより、コミュニケーションの摩擦(ズレ)が、だいぶなくなりました。
まとめ
ここで、「コミュニケーションの失敗を減らすために意識しておくこと」について、まとめておきます。
- 「わかりあえないもの」を前提にする
- 言葉の解釈をあわせておく
- 記録を徹底する
- コミュニケーションも失敗から学ぶ(相手のせいにしない)
コミュニケーションの悩みは、「自分が正しい」という意識が起因していることが多いと思います。
誰もが違うフィルターを持っているため、「正しさ」も人それぞれです。
自分が正しいと思わず、相手に伝える(伝わる)ための工夫を惜しまないようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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