この記事では、年末調整(令和2年分以降)における
- 配偶者控除額
- 配偶者特別控除額
を自動計算し、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の記入を簡単にする「エクセルファイル」を紹介しています。
こんな人に使っていただけると嬉しいです。
- 仕事で年末調整の担当をしている人
- 仕事で「配偶者控除等申告書」を何枚も確認する人
- 「収入と所得って同じじゃないの?」という人
- 「配偶者控除等申告書」の書き方がわからない人
- 少しでも税金を安くしたい人
年末調整 配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】
こんな感じの表にしてみました。
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使い方は、すっごく簡単で「黄色のセル」に
- あなたの年間給与収入(見積額)
- 配偶者の年間給与収入(見積額)
- 配偶者の年齢(翌年1月1日現在の年齢)
を入力(選択)するだけです。
エクセルファイルのダウンロード(無料)
「年末調整 配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」ダウンロード
なお、ダウンロードしたエクセルファイルは、末尾が「2020」となっていますが、2022年分の計算にそのまま利用できます。
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「保険料控除申告書の記入も簡単にできないの?」という人は、こちらの記事を。
「公的年金等に係る雑所得の金額」と「退職所得の金額」の算出については、こちらの記事を。
「この収入(給付)って、所得に含めるの?」と悩んでいる人はこちらの記事を。
配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】の使い方
使い方は、ほんと簡単で「1.入力項目」に、
- あなたの年間給与収入(見積額)
- 配偶者の年間給与収入(見積額)
- 配偶者の年齢(翌年1月1日現在の年齢)
を入力(選択)するだけです。
なお、配偶者は、あなたと生計を一にしている必要があります。
入力時の注意点
まず、入力箇所は「黄色のセル」のみです。
「あなたの年間給与収入(見積額)」および「配偶者の年間給与収入(見積額)」については、本年中の見積額を入力します。
「配偶者の年齢(翌年1月1日現在の年齢)」については、プルダウン式にしてありますので、
- 70歳以上
- 69歳以下
の2つから選択してください。
こんな感じです。
配偶者控除・配偶者特別控除の額の見方
「黄色のセル」への入力をすると、「2.配偶者控除・配偶者特別控除の額」に、
- あなたの年間給与所得額
- 区分Ⅰ
- 配偶者の年間給与所得額
- 区分Ⅱ
- 配偶者控除の額
- 配偶者特別控除の額
が自動計算されます。
今回は、
- あなたの年間給与収入(見積額):550万円
- 配偶者の年間給与収入(見積額):95万円
- 配偶者の年齢(翌年1月1日現在の年齢):69歳以下
という条件で試算していますので、次のような結果になります。
【自動計算結果】
- あなたの年間給与所得額:3,960,000円
- 区分Ⅰ:900万円以下(A)
- 配偶者の年間給与所得額:400,000円
- 区分Ⅱ:48万円以下かつ年齢70歳未満②
- 配偶者控除の額 380,000円
- 配偶者特別控除の額 0円
給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方
「配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」の計算結果をもとに、「配偶者控除等申告書」を作成していきます。
給与所得者の配偶者控除等申告書の様式
赤く囲った所が、「配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」を使って記入するところです。
それでは順に、記入してきます。
あなたの合計所得金額(見積額)
まずは、赤色①の「あなたの合計所得金額(見積額)」欄から記入します。
- あなたの年間給与収入(見積額):5,500,000円
- あなたの年間給与所得額:3,960,000円
- あなたの本年中の合計所得金額の見積額:3,960,000円
あなたの本年中の合計所得金額の見積額
次に、赤色②の欄を記入していきます。
- 「900万円以下(A)」へチェックし、区分Ⅰに「A」と記入
- 基礎控除の額:480,000円
配偶者の合計所得金額(見積額)
続いて、配偶者の項目です。
赤色③の欄に、
- 配偶者の年間給与収入(見積額):950,000円
- 配偶者の年間給与所得額:400,000円
- 配偶者の本年中の合計所得金額の見積額:400,000円
と記入します。
配偶者の本年中の合計所得金額の見積額
そして、赤色④の欄に、
- 「48万円以下かつ年齢70歳未満」にチェック
- 区分Ⅱに「②」
と記入。
配偶者控除の額・配偶者特別控除の額
最後に、赤色⑤の欄に、
「配偶者控除の額:380,000円」
と記入して完成です。
記入後の「給与所得者の配偶者控除等申告書」
記入すると、こんな感じになります。
給与所得者の基礎控除申告書
給与所得者の配偶者控除等申告書
自動計算結果の色々なパターン
「配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」の計算結果を、いくつか紹介しておきます。
収入額が未入力
配偶者特別控除の対象になる場合
あなたの年間給与収入が多い場合
あなたの年間給与所得額が1,000万円を超える場合、「区分Ⅰに対象外と表示」され、配偶者控除および配偶者特別控除額が「0円」と表示されます。
配偶者の年間給与収入が多い場合
配偶者の年間給与所得額が133万円を超える場合、「区分Ⅱに対象外と表示」され、配偶者控除および配偶者特別控除額が「0円」と表示されます。
あなたと配偶者の年間給与収入が多い場合
当然ですが、「区分Ⅰ・区分Ⅱが対象外と表示」されます。
「配偶者控除・配偶者特別控除額」と「公的年金等に係る雑所得の金額」を自動計算するエクセルファイル(おまけ)
「配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」と「公的年金等に係る雑所得 算出表」を1つにまとめたエクセルファイルを作成しました。
年金をもらいながら働いている場合の計算に活用ください。
こんな感じの様式です。
【ダウンロードはこちらから(無料)】
⇒haiguusyakoujyonenkinkeisan20211115
まとめ
ここで、「配偶者控除・配偶者特別控除額算出表【給与所得者用】」の特徴をまとめておきます。
- 使い方が簡単(給与収入の入力と配偶者の年齢を選択するだけ)
- 自動計算された結果は、「配偶者控除等申告書」にそのまま書き写せる
- 自分が「配偶者控除等」の対象になるかチェックできる(対象外の表示)
配偶者の所得見積額が95万円以下の人であれば、「配偶者控除・配偶者特別控除」の適用について、職場の年末調整担当者から案内があるかもしれませんが、95万円を超える人の場合、職員さんからの申出(申告)がないと控除を受けることはできません。
理由としては、職場の年末調整担当者は、「源泉控除対象配偶者」に該当していない配偶者さんの収入がわからないからです。
【源泉控除対象配偶者とは?】
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載されている人のことです。
なので、必要以上の税金を払わないように、自分が配偶者特別控除の対象になるか、チェックしてみてください。
税務署は、多く払いすぎた税金に対し案内をしてくれませんので。(逆に支払いが少ない場合は連絡がきます)
また、年末調整担当者さんの場合は、職員さんの「給与所得者の配偶者控除等申告書」の確認に使っていただけると嬉しいです。
そもそも、このファイルは、年末調整の業務負担を減らすためにつくったんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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