地域包括ケア病棟の「1日平均2単位以上」に含めるリハビリテーション料とは?

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含める・含めない

地域包括ケア病棟入院料に係るリハビリテーションの施設基準には、

  • 対象となる疾患別リハビリ等の届出
  • 対象患者への1日平均2単位以上のリハビリの提供

があります。

 

この「1日平均2単位以上の計算方法」については、こちらの記事(地域包括ケア病棟の「リハビリ2単位以上」の計算方法【リハを提供する患者の定義】)で説明したのですが、そもそも「どのリハビリテーション料の単位を平均するのか?」について、お問い合わせをいただきましたので整理しておきます。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)の届出を考えている
  • リハビリ部門の管理を行っている
  • 病院で施設基準の管理を担当している

地域包括ケア病棟入院料の「1日平均2単位以上のリハビリの提供」に含めるリハビリテーション料

地域包括ケア病棟入院料におけるリハビリテーションの基準「1日平均2単位以上」に含めるリハビリテーション料は、次のとおりです。

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • がん患者リハビリテーション料
  • 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)
「心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)」「運動器リハビリテーション料(Ⅲ)」「呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)」については、「1日平均2単位以上のリハビリの提供」の計算には含めません。

リハビリ提供体制に係る地域包括ケア病棟入院料の施設基準

地域包括ケア病棟入院料の施設基準は、次のようになっています。

基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0304第2号 令和4年3月4日)

第 12 地域包括ケア病棟入院料

1 地域包括ケア病棟入院料の施設基準

(6) 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、(Ⅱ)若しくは(Ⅲ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)又はがん患者リハビリテーション料の届出を行っていること。

(7) (6)のリハビリテーションを提供する患者については、1日平均2単位以上提供していること。

ただし、1患者が1日に算入できる単位数は9単位までとする。

 

この通知では、

「 (6)のリハビリテーションを提供する患者については、1日平均2単位以上提供していること。」

ってなっています。

なので、通知をそのまま解釈すると、(6)で指定されたリハビリテーション料を提供する患者に対して、1日平均2単位以上の提供が基準(要件)となります。

 

ちなみに、(6)で指定されたリハビリテーション料とは、次のとおりです。

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • がん患者リハビリテーション料

 

ただ、地域包括ケア病棟入院料等の施設基準の届出(様式50の3)を見てみると、少しおかしなことがおきてます。

様式50の3地域包括ケア病棟入院料等のリハビリの基準

 

このとおり、リハビリテーション料の(Ⅰ)~(Ⅲ)などについて、指定がないんです。

かつ、廃用症候群リハビリテーション料も記載されています。

 

つまり、

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅲ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)
  • 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)

も1日当たりリハビリテーション提供単位数の算出に含めるような様式になっているってことです。

(赤囲い)様式50の3地域包括ケア病棟入院料等のリハビリの基準

 

これが、医療機関の担当者を混乱させている原因だと思います。

厚生局に、直接確認した内容

そこで、厚生局に確認してみました。

【質問】

地域包括ケア病棟入院料に、リハビリ提供体制として「リハビリテーションを提供する患者に対し、1日当たり2単位のリハビリを実施すること」とされているが、この平均2単位の計算には、

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅲ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)
  • 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)

を提供した単位数も含めるのか?

 

【厚生局の回答】

廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のみ、含めて計算すること。

その他の「心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)」「運動器リハビリテーション料(Ⅲ)」「呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)」については、含めずに計算すること。

廃用症候群リハビリテーション料については、脳血管疾患等リハビリテーション料の届出がされていれば、届出が不要であり、算定が可能であるため含んでよい。

まとめ

医療機関によっては、「1日平均2単位以上のリハビリの提供」の計算に、

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅲ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)

を含めるかどうかで、施設基準のハードルが変わると思います。

 

リハビリテーションの平均提供単位数(2単位以上)の基準は、施設基準通知の届出受理後の措置等における、「1割以内の一時的な変動の場合は届出を要しない」の規定は適用されません。

なので、平均提供単位数が2単位を、ほんのちょっとでも下回るとアウトです。

 

入院基本料の届出は、結構手間なので、適切な管理を心掛けたいですね。

 

なお、地域によって解釈が違う場合がありますので、あなたの地域の厚生局に確認することをオススメします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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