この記事は、労働基準監督署の立入検査(抜き打ち)の内容についてまとめています。
毎年、17万件近い立入検査を労働基準監督署が行っていますので、その中の1件に、うちの病院・施設が選ばれたということです。
日本全体の企業数から考えれば、貴重の経験なんで、喜ぶべきところかもしれませんが、抜き打ちはダメだ~
こっちだって、色々忙しいんだから・・・(笑)
それでは、「労働基準監督署が抜き打ちで立入検査に来たよ!」のはじまりです。
立入検査は突然に!!
ある日の午後、僕は、小さめの会議室で、取引業者さんと打合せを行っていました。
そのときです、受付担当者から、いきなり内線が!!
「労働基準監督署の人が、受付にいらしてるんですが・・・」
ん???
ん??????
労働基準監督署???
「あれ!?約束してたっけな~」状態です。
そのくらい、突然やってきます!!
せめて、「今から伺います~」ぐらい連絡をくれてもいいのに・・・
どうせ、そんな少しの時間で、隠蔽なんてできないし。(笑)
労働基準監督署の立入検査って何人で来るの?
うちの場合は、1人で来ました。
なお、職種としては、「労働基準監督官」です。
今まで、厚生局、国税局、保健所、消防署など、様々な立入検査に対応してきましたが、1人で来る立入検査は初めてですね・・・
かなり強気のスタイル!?(笑)
でも、対応はすごく丁寧でしたよ。
確認する書類
労働基準監督官を、広めの会議室へ案内し、書類確認のスタートです。
最初に、「準備して欲しい書類の一覧表」をもらいました。
そっから、担当職員を総動員して、書類を揃えます!!
はっきり言って、日頃からきちんと整理しておかないと用意できない量です。(いつ立ち入り検査に来てもいいように)
普通じゃ、いきなり出せません・・・
それでは、1つずつ準備した書類と確認内容を説明していきます。
1.事業所別職員数
結構細かく、分類を求められました。
こんな感じです。
- 男女別
- 有期契約者数
- パート労働者数
- 派遣労働者の数
- 年少者(満18歳未満の者)の数
- 外国人技能実習生の数
2.労働条件通知書
労働基準法で定められている、明示事項が網羅されているかの確認
詳しくは、
- 労働基準法第15条
- 労働基準法施行規則第5条
で確認してください。
3.労働者名簿
労働基準法で定められている、事項が網羅されているかの確認
詳しくは、
- 労働基準法第107条
- 労働基準法施行規則53条
で確認してください。
4.就業規則
労働基準監督署に提出した、最新版の就業規則の確認
- 就業規則の有無
- 賃金規定(割増率等)
- 職員への通知方法
など。
5.年次有給休暇の取得状況がわかるもの(直近1年間)
うちの場合は、全職員の有給休暇取得状況を一覧にし、「有給休暇取得率」の算出しています。
ですので、その一覧表を準備しました。
なお、全職員の平均有給休暇取得率は、80~90%でした。
6.時間外・休日労働に関する協定書(36協定)
労使協定(36協定)の提出および内容の確認をした上で、36協定の内容を満たしているかの確認
- タイムカード(直近3ヶ月)
- 時間外労働の申請書と照らし合わせ
- 時間外労働が一番多い職員の確認
- 残業申請書とタイムカードの整合性
⇒残業申請がされていない日で、残っている日はないか?
7.賃金台帳
労働基準法および就業規則で規定されている「時間外手当」に係る割増率を満たしているかの確認
なお、割増率については、
- 労働基準法第37条
で確認ください。
8.衛生委員会議事録
衛生委員会が適正に毎月開催されているかの確認
- 産業医の参加確認
- 選任されている委員が適正か?
- 議事録の内容
9.産業医および衛生管理者の選任届
産業医と衛生管理者は、労働基準監督署に届出をする必要があります。
立入検査の際は、届出書の控えを確認していました。
様式は、厚生労働省のこちらのサイトからどうぞ。
⇒総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告
10.ストレスチェックの実施報告書
2015年12月から、50人以上の労働者がいる会社で実施が義務になっています。
なお、実施した結果を、労働基準監督署へ提出する必要があります。
立入検査では、労働基準監督署への提出控えを確認してました。
様式は、厚生労働省のこちらのサイトからどうぞ。
立入検査結果の受取
立入検査実施後、1週間程度で、結果通知をいただきました。
なお、法令違反はありませんでした!!
「めでたし、めでたし」
といきたいところでしたが、一部、タイムカードの時間と残業申請書の時間に乖離が見られるため、労働時間の管理について、徹底してほしいとのこと。
マジか!?ちょっと厳しすぎないか・・・(笑)
ただ、法令違反ではないため「指導」という形になりました・・・
いやーーー、管理が、あまかったですね~
まとめ
労働基準監督署の立入検査は、突然やってくることがあります。
日頃から、労働基準関係法令の書類管理を徹底しておきましょう。
いつ、労働基準監督署が攻めてきてもいいように!!(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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