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安全運転管理者によるアルコールチェックの義務化とは?【記録簿(エクセル)】

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運転免許、運転、IDカード

一定台数以上の自動車を使用している事業所は、道路交通法第74条の3第1項の規定により、安全運転管理者を選任し、事業所を管轄する警察署へ届出しなければなりません。

 

安全運転管理者は、運転者に対して、自動車の安全な運転を確保するため交通安全教育を行うことが義務つけられており、次のような業務を実施します。

【安全運転管理者の業務】

安全運転管理者の業務1

安全運転管理者の業務2

 

令和4年4月より、道路交通法施行規則が改正され、上記の安全運転管理者の業務に「運転者の運転前後のアルコールチェック」が追加されました。

 

そこで、この記事では、「安全運転管理者の新業務(アルコールチェックの義務化)」についてまとめておきます。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 安全運転管理者、副安全運転管理者をしている
  • 事業所に自動車が5台以上ある
  • 仕事で車両管理を担当している
この記事の中で、「酒気帯び確認記録簿(エクセルファイル)」を無料ダウンロードできるようにしてあります。

アルコール検知器の設置が必須!運転者全員へのアルコールチェックの実施

安全運転管理者の新業務は、2段階に分けて、次のように追加されます。

令和4年4月1日から追加された業務「酒気帯びの有無の確認及び記録の保存」

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること
  • 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
「目視等で確認」とは、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等で確認することをいいます。

令和4年10月1日から追加される業務「アルコール検知器の使用等」

  • 運転者の酒気帯びの有無の確認を、アルコール検知器を使って行うこと
  • アルコール検知器を常時有効に保持すること
アルコール検知器とは、呼気中のアルコールを検知し、その有無またはその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能をもつ機器のことです。

 

アルコール検知器を使っての「酒気帯びの有無の確認」は、法令上、令和4年10月1日からで良いのですが、新型コロナウイルスの感染対策でマスクの着用を徹底しているなか「目視等で確認」は、ちょっと抵抗がありますよね。

というのも、運転者の顔色や応答の声の調子については、アルコールの強さによって、すっごく個人差があるので、はっきりいって判断できないと思うんです。

そうなると、結果、呼気の臭いの確認が必要になります。

 

ただでさえ、口臭予防とか言われている時代に感染のリスクまであるんですから、はっきり言って、現実的じゃないですよね。(もちろん、他の人に息を吹きかける側も抵抗があると思いますし)

なので、実際は、令和4年4月1日から「アルコール検知器の設置が必須」ということになると思います。

「運転前後の酒気帯びの有無の確認」は、運転の都度行わなくてもいい

「運転前後」っていうと、

  • 車に乗るとき(車を運転する直前)
  • 車を降りるとき(車の運転の終了直後)

に、都度、「酒気帯びの有無の確認」をしないといけないのかな?って思っちゃいますよね。

 

でも、そこまでは必要ありません。

 

というのも、ここでいう「運転」とは、一連の業務としての運転をいうからです。

なので、出勤時、退勤時に確認を行うことでOKです。

 

法的根拠は、次のとおりです。

1 運転前後の運転者に対する酒気帯びの有無の確認

(1) 業務の開始前後の運転者に対する確認

府令第9条の10第6号に定める「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」における「運転」とは、一連の業務としての運転をいうことから、同号に定める酒気帯びの有無の確認(以下「酒気帯び確認」という。)は、必ずしも個々の運転の直前又は直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、及び終了後や退勤時に行うことで足りる。

出典:警察庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)」

運転者の酒気帯びの有無の確認は、アルコール検知器と電話での併用でもOK

酒気帯びの有無の確認は、原則は、対面で行うこととされていますが、対面での確認が難しい場合は、次のような方法でOKです。

  • アルコール検知器の結果の確認(報告)と、カメラ、モニターなどによる目視等の確認
  • アルコール検知器の結果の確認(報告)と、携帯電話や無線機器を使った直接対話での応答の声の調子などの確認
安全運転管理者と常に対面して酒気帯びの有無の確認できる事業所って少ないと思うので、アルコール検知器は、事業所の車両ごとに設置しておいたほうがいいかもしれません。

 

法的根拠は、次のとおりです。

運転者の酒気帯び確認の方法は対面が原則であるが、直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、

① カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法

② 携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法等の対面による確認と同視できるような方法が含まれる。

出典:警察庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)」

「酒気帯びの有無の確認」は、安全運転管理者以外の人でもいい

安全運転管理者の業務として「運転者の運転前後のアルコールチェック」が追加されますが、次の人は、安全運転管理者の代わりに、アルコールチェック(酒気帯びの有無の確認)を行うことができます。

  • 副安全運転管理者
  • 安全運転管理者の業務を補助する者
「安全運転管理者の業務を補助する者」が入っているってことは、アルコールチェック(酒気帯びの有無の確認)は、事実上、「誰がやってもいい」ってことになりますね。

 

まぁ、あたりまえっちゃ、あたりまえですよね。

じゃないと、安全運転管理者や副安全運転管理者が、ぜんぜん休めなくなっちゃいますからね。

「酒気帯びの有無の確認」で記録しておくこと

運転前後の運転者の「酒気帯びの有無の確認」を行った場合は、その実施した記録を残さなければなりません。

「酒気帯びの有無の確認」で記録する内容

  • 確認者名
  • 運転者
  • 自動車登録番号(ナンバー)
  • 確認の日時
  • 確認の方法(アルコール検知器の使用の有無・対面でない場合は具体的方法)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • その他必要な事項

 

出勤時と退勤時に点呼を行っている事業所なら、その時に「酒気帯びの有無の確認」を行い、記録を残すのがいいと思います。

 

当院の場合は、点呼を行っていないうえ、車を使う時間や人がバラバラなので、職員が車のカギを取りに来たとき、または返しにきたときに「酒気帯びの有無の確認」を行うようにしました。

もちろん、アルコール検知器は、車両分とは別に設置(購入)しました。

 

で、そのときに「酒気帯びの有無の確認」の記録を残すようにします。

記録は、1年間の保存義務があります。

酒気帯び確認記録簿の無料ダウンロード(エクセルファイル)

うちで使おうと思って作成した「酒気帯び確認記録簿(エクセル)」をダウンロードできるようにしておきます。

使えそうなら、使ってみてください。(または、加工して使ってください)

2種類作成してみました。

 

【事業所の車両や運転頻度が少ないなら、1枚に何日分も記録できるこちらのファイルを】

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酒気帯び確認記録簿

 

【事業所の車両や運転頻度が多いなら、1日1枚で記録するこちらのファイルを】

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酒気帯び確認 記録簿(日ごと)

「アルコール検知器を常時有効に保持する」とは?

令和4年10月1日から追加される、安全運転管理者の業務の中に「アルコール検知器を常時有効に保持すること」というのがあります。

 

でもこれ、わからなくないですか?

「常時有効に保持するって、具体的にどういうこと???」って思いません?

 

なので、調べてみました。

そしたら、結構、めんどうでした・・・

「常時有効に保持」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことをいう。

このため、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、次のとおり、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならない。

① 毎日(アルコール検知器を運転者に携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させる場合にあっては、運転者の出発前。②において同じ。)確認すべき事項

ア アルコール検知器の電源が確実に入ること。

イ アルコール検知器に損傷がないこと。

② 毎日確認することが望ましく、少なくとも1週間に1回以上確認すべき事項

ア 確実に酒気を帯びていない者が当該アルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知しないこと。

イ 洗口液、液体歯磨き等アルコールを含有する液体又はこれを希釈したものを、スプレー等により口内に噴霧した上で、当該アルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知すること。

出典:国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」

「酒気帯び」とは、アルコール濃度に関係なく、判断される

安全運転管理者が行う「酒気帯びの有無の確認」については、酒気帯び運転の罰則が科される「呼気1リットル中のアルコール濃度0.15m以上」であるかどうかは関係ありません。

 

なので、道路交通法で禁止されているとおり、ほんの少しでもアルコールを摂取しているなら

「酒気帯び:あり」

となり、運転はできません。

 

つまり、アルコールの強さ(耐性)や飲酒量は関係ないってことです。

 

根拠としては、このとおり。

道路交通法

(酒気帯び運転等の禁止)

第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

 

「酒気を帯びた状態」とは、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第44条の3に規定する血液中のアルコール濃度0.3mg/mℓ又は呼気中のアルコール濃度0.15mg/ℓ以上であるか否かを問わないものである。

出典:国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」

 

そうなると、翌日の朝から車を運転する予定があるなら、前日、夜遅くまでの飲酒は、控えた方がいいですね。

もちろん、二日酔いとか、もってのほかです。

 

ちなみに、「酒酔い運転・酒気帯び運転の罰則」とは、次のようになっています。

違反種別 違反点数 罰則
酒酔い運転 35点 5年以下の懲役または100万円以下の罰金

酒気帯び運転
(呼気1リットル中のアルコール濃度)

0.25mg以上 25点 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
0.15mg以上
0.25mg未満
13点
危険運転致死傷罪(アルコールなどの影響により正常な運転が困難な状態で二輪以上の自動車の走行による人の死傷) 45点
以上

人を死亡させた場合は最長20年の懲役
人を負傷させた場合は15年以下の懲役

飲酒検知拒否 3月以下の懲役又は50万円以下の罰金

アルコール検知器の性能に要件はない

アルコール検知器は、酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できればいいとされています。

なので、機種は、なんでもOKです。

 

ただ、アルコール検知器の機能(性能)は、かなりピンキリで、種類も多いので、ちょっと選びづらいかもしれません。

たとえば、

  • 息を吹きかけるだけで、簡単にアルコール濃度が測れるもの
  • 測定結果を記録してくれる、メモリー機能がついているもの
  • 測定結果を、プリンターで印刷してくれるもの

などです。

 

そういう意味では、業務の都合にあわせて使い勝手の良いものを購入すればいいと思います。

アルコール検知器のセンサーは、使用回数や使用期間に制限があるものがほとんどなので、定期的な更新が必要になるというのも機種選定のときに考慮してほしいポイントです。

 

それでは、いくつか紹介します。

参考までに。

息を吹きかけるだけで、簡単にアルコール濃度が測れるもの

体重計などの測定器メーカー大手の「タニタ」製です。

センサー寿命:1,000回または購入後1年

 

20,000以上の各協会・官公庁・企業が採用するアルコール検知器「ソシアックシリーズ」です。

センサー寿命:購入使用後1年~1年半または5,000回使用

測定結果を記録してくれる、メモリー機能がついているもの

20,000以上の各協会・官公庁・企業が採用するアルコール検知器「ソシアックシリーズ」です。

本体に測定結果を記録できます。(15件まで)

センサー寿命:購入使用後1年~1年半または5,000回使用

 

20,000以上の各協会・官公庁・企業が採用するアルコール検知器「ソシアックシリーズ」です。

測定結果をパソコンで管理できます。

センサー寿命:購入使用後1年~1年半または5,000回使用

測定結果を、プリンターで印刷してくれるもの

15年以上の販売実績がある「東洋マーク製作所」さんの業務用アルコールチェッカーです。

事業所の車の台数が多いなら、このタイプが楽だと思います。

通常5000回の検査を目安にセンサーユニットのメンテナンスを推奨

安全運転管理者と副安全運転管理者の選任義務(基準)について

次に該当する事業所は、安全運転管理者と副安全運転管理者を選任し、事業所を管轄する警察署へ届出しなければなりません。

安全運転管理者や副安全運転管理者を選任しなかった場合は「5万円以下の罰金」が科されます。

安全運転管理者の選任が必要な事業所

次のどちらかに該当する場合、安全運転管理者1名の選任が必要になります。

  • 5台以上の自動車を使用している事業所
    ⇒ 大型・普通二輪車は1台を0.5台として計算(原動機付自転車を除く)
  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所

副安全運転管理者の選任が必要な事業所

副安全運転管理者は、自動車の台数によって、必要な選任数が変わります。

選任を必要とする自動車の台数は20台以上で、20台毎に1人の追加選任が必要となります。

こんな感じです。

自動車の台数 副安全運転管理者
19台まで 不要
20~39台 1人
40~59台 2人
その後、20台ごとに1人の追加選任
副安全運転管理者の役割としては、安全運転管理者の補助となります。なので、業務内容は、安全運転管理者とほぼ同じです。

安全運転管理者・副安全運転管理者の要件とは?

安全運転管理者および副安全運転管理者になれるのは、次の要件を満たす人です。

要件 安全運転管理者 副安全運転管理者
年齢 20歳以上の者
(副安全運転管理者を選任しなければならない場合は、30歳以上の者)
20歳以上の者
経験 運転管理経験が2年以上の者 運転管理経験が1年以上または運転経験が3年以上の者
欠格事項

過去2年以内に次の違反行為をしたことのない者

  • ひき逃げ
  • 酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、無免許運転、妨害運転
  • 酒酔い・酒気帯び運転にかかわった車両・酒類の提供、酒酔い・酒気帯び運転の車両への同乗
  • 無免許運転にかかわる車両の提供、無免許運転の車両への同乗
  • 次の交通違反の下命・容認
    酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許・無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、放置駐車違反
  • 自動車使用制限命令違反

まとめ

ここで、「安全運転管理者によるアルコールチェックの義務化」についておさらいです。

  • 施行日は、令和4年4月1日から
  • 運転前後の運転者の酒気帯びの有無を確認すること
  • 酒気帯びの有無について記録すること(1年間保存)
  • アルコール検知器の設置が必須
  • アルコール検知器のセンサーは、使用回数や使用期間に限りがある

 

繰り返しにはなりますが、アルコール検知器を使っての「酒気帯びの有無の確認」は、法令上、令和4年10月1日からでOKです。

ただ、新型コロナウイルスの感染対策でマスクの着用を徹底しているなか「目視等で確認」は、ちょっと厳しいですよね。

 

なので、まだ購入してなかった(購入できてなかった)としても、早めに準備することをオススメします。

職員さんを守ることにもつながりますし。

 

【令和4年9月17日追記】

令和4年10月1日から安全運転管理者の業務に追加予定だった「アルコール検知器を使用しての運転者の酒気帯びの有無の確認」が延期となりました。

理由としては、アルコール検知器が品薄のため、各事業所にて十分な数の入手ができないためです。

根拠としては、次のとおりです。

アルコール検知器使用義務化の延期(令和4年10月1日)

出典:警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」

延期期間は、「当分の間」となっており、具体的な期間は明示されていません。

 

【令和5年6月12日追記】

「当分の間延期」とされていた「アルコール検知器を使用しての運転者の酒気帯びの有無の確認」は、2023年12月1日から施行となる方針です。

アルコール検知器を使用しての確認20231201

アルコール検知器の使用義務化20231201

出典:警察庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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