この記事では、「断続的宿直又は日直勤務許可申請書」の作成・提出から「断続的宿直又は日直勤務許可書」の交付されるまでの全体の流れを紹介します。
なお、実際に労働基準監督署に相談しながら、申請手続きをした経験をもとに書いています。
なので、「それは違うよーーー!」って言われても、「知りませーーーーん」って感じです。
僕は、労働基準監督署から言われたとおりに手続きしたんですから~(笑)
まぁ、何はともあれ「これから手続きされる方の参考になれば」って感じで書いています。
なお、理解を深めるため、この2つの記事を読んでいただくことを、強くオススメします。
断続的宿直又は日直勤務許可申請の全体の流れ
まずは、大まかな全体の流れです。
- 「断続的宿直又は日直勤務許可申請書」の作成・提出
- 書類審査を労働基準監督署に行う
- 申請書類に不備等がなければ、実地調査(訪問調査)に来る
- 実地調査で、申請書と実際の勤務に違いがないかを確認
- 問題がなければ「断続的宿直又は日直勤務許可書」の交付
それでは、1つずつ見ていきます。
「断続的宿直又は日直勤務許可申請書」の作成・提出
まずは、申請書一式(添付書類含む)です。
添付書類については、うちで使っている名称で表しています。
申請書(2部提出)
- 断続的宿直又は日直勤務許可申請書
- 断続的宿日直勤務許可申請添付書面(職種別に作成)
- 宿日直勤務者の賃金一覧表(職種別に作成)
- 平面図(宿直室の場所がわかるように色を付ける)
- 宿直室の写真(ベット、洗面台、シャワー室などすべて撮影)
- 賃金台帳(宿直対象者 全員分)
- 宿・日直予定表(前月1ヶ月分)
- 宿・日直の日誌の写し(前月1ヶ月分)
- 就業規則もしくは雇用契約書の写し(通常の労働時間と宿直業務の記載があること)
- 年間総勤務日数がわかる書類
申請書類作成のポイント
「宿・日直日誌」に記載する勤務時間
申請書を作成するにあたり、一番苦労したのは「通常勤務から、連続して宿日直勤務に入らないこと(30分以上の空き時間を作る)」という点です。
つまり、労働基準法においては「宿・日直日誌」に記載する勤務時間も、30分の空き時間を作らなければなりません。
たとえば、
通常勤務の日勤が、9時から17時だとしたら、「宿・日直日誌」に記載する勤務時間は、「17時30分~翌8時30分と記載する」
ってことです。
労働基準法上は、これで全く問題ないのですが・・・
でも、よく考えてみてください。
病院においては、「医療法」という病院の根幹とも言える基準を満たさなければなりません。
そして、病院においては、医療法の関係上、医師を宿直させなければならないのです。(医療法16条の規定)
つまり、「宿・日直日誌」に記載する勤務時間を「17時30分~翌8時30分」と記載した場合、「朝と夕方に30分の空白ができちゃう」ってことです!!!
「え!?これって平気なの???」状態です。
だって、その30分の空白は、書類上、医師が不在の時間ということになるからです!!
このとき、医療法と労働基準法の調整が全くされてないことを痛感しました・・・
「厚生省と労働省が一緒になったのに、完全にタテ割りのままじゃねーーーーか!?」という毒を吐きつつ。
ただ、うちの場合は、「宿・日直日誌における、朝と夕方に30分の空白ができちゃう問題」について、医療法の行政担当者に相談し「日誌で整合性が取れなくても、タイムカードで医師が院内にいることがわかれば平気ですよ」って言ってもらえました!!(優しいね~って、あたりまえか!?)
なお、一応触れておきますが、朝夕の30分の空白時間を、休憩時間として労働基準監督署に申請することは不可です!!
これは、はっきり言われました。
理由としては、労働基準監督署としては、「通常の日勤勤務から、そのまま宿直勤務に入ることを想定していない」からということでした。
つまり、「通常の日勤勤務が終わって退出後、宿直勤務に再度、出勤して来た」と考えてくれ!ってことです。
【追記(令和2年5月21日)】
ここで説明している勤務時間の解釈は、労働基準監督署によって違うことがわかりました。
詳しくは、こちらの記事でまとめていますので、チェックしてみてください。
宿直・日直の実施回数
労働基準監督署の担当者は、添付書類の「宿・日直日誌」を見て、宿直・日直回数の確認をします。
宿直勤務は、週1回、日直勤務は、月1回の基準を超えてないよう勤務実績を取ってください。
つまり、「うまく院内を調整しましょう!」ってことです。(笑)
実地調査(訪問調査)時に確認したこと
無事に申請書の確認が終わったら、次は実地調査です。
実地調査では、申請書の内容と実体があっているかを、労働基準監督署の担当者が確認します。
全体の流れ
- 宿直室の確認
- 定期巡視(見回り)コースの確認
⇒ 労基署の担当者が一緒に回ります - 面談(職種別に1人ずつ)
面談時に聞かれたこと
「1.宿直室の確認」と「2.定期巡視(見回り)コースの確認」は、そのままなので問題ないと思いますが、「面談」はちょっと不安が・・・(笑)
面談は、実際に、宿日直勤務をしている職員と行います。(時間は、1人5分程度でした)
ちなみに、申請する職種ごとに1名だったので、医師の宿日直の申請をする場合は、医師1名と面談するってことになります。
事務の宿直も一緒に申請するなら、医師1名と事務1名の合計2名と面談するってことです。
で、「面談って何を聞かれるの?」についてですが、うちの場合は次のような感じでした。
- 宿・日直の勤務時間
- 手当金額
- 業務的に、負担はどうか?
- 時間外の外来患者は、どのくらいいるのか?
- 死亡患者の件数は?
- 緊急時の入院患者の対応頻度は?
- 睡眠時間がしっかり取れてるか?
結局、確認したいのは「ほとんど労働する必要がないこと」という基準を満たしているか?ってことなんですよね。
なので、事前に面談対応してくれる職員に、レクチャーしておいたほうがいいと思います。
でも、嘘はダメですよ!!
本当のことをしっかり答えてもらい、誠実に許可を受けましょう!!
宿直・日直勤務許可申請書の提出から許可証の受取まで
申請書類に不備がなければ、申請書を提出してから、1~2週間程度で実地調査が行われ、問題がなければ、そこから1週間以内には「許可証」が発行されます。
なお、「断続的宿直又は日直勤務許可書」には、有効期限はありません。
一度、許可を受けてしまえば、「悪さ」をしない限り、許可を取り消されることはありませんので、さっさと出しておきましょう。
まとめ
ここで、断続的宿直又は日直勤務許可申請手続きを通じて、僕が感じた「労働基準監督署の監督官がこだわった5つのポイント」を紹介します。
- 宿・日直業務中に通常の診察をしないこと
- 通常勤務から継続して、宿直業務に入らないこと(30分の空き時間)
- 宿直の回数(宿直 週1回・日直 月1回)
- 宿直時は、夜間に十分な睡眠がとれること
- 宿直・日直手当の賃金(1人1日平均賃金の3分の1以上)
これで、「断続的宿直又は日直勤務許可書」は、あなたのものです!!(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【あわせて読みたい】
コメント