臨床検査技師として働いている、または働こうと思っている人なら、誰だって、こんな風に考えると思います。
- 検査技師って、どのくらいの給料がもらえるの?
- 今、もらっている給料は、高いの?低いの?
- 将来、どのくらいの給料がもらえるようになるの?
- 転職するときの給料の目安を知りたい
そこでこの記事では、臨床検査技師の平均給与(年収)について、次の項目に分けてまとめています。
- 男女
- 経験年数
- 年齢
- 年間推移
- 他の医療・福祉系職種との給料比較
- 他の産業(職種)との給料比較
- 都道府県
また、
「検査技師の平均的な働き方(勤続年数や残業時間など)」
「検査技師の就職・転職市場はどうなっているか?(人手不足の状況)」
についても紹介しています。
ぜひ、あなたの経験や頑張り(能力)が適正に評価されているか、チェックしてみてください。
なお、この記事で紹介している各種データは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「job tag 職業情報提供サイト」の情報をもとに作成したものです。
引用させていただきました表などについては、記事の中で明記しています。
臨床検査技師(41.6歳)の平均年収は、「4,964,600円」
検査技師の平均給与は、
- 月額給与 337,800円
- 年間賞与 911,000円
で、平均年収「4,964,600円」となっています。
男女別では、次のようになります。
性別 | 年齢 | 平均勤続年数 | 月の残業時間 | 月額給与 | 年間賞与 | 年収 |
男 | 43.0 | 15.0 | 11 | 373,900 | 1,016,800 | 5,503,600 |
女 | 41.0 | 11.7 | 9 | 321,700 | 863,600 | 4,724,000 |
合計 | 41.6 | 12.7 | 10 | 337,800 | 911,000 | 4,964,600 |
検査技師の働き方としては、勤続年数が「12.7年」と比較的長く、また、残業時間が「10時間」と、他の医療・福祉職に比べ、多めです。
【他の医療・福祉職の勤続年数と残業時間】
職種 | 平均勤続年数 | 月の残業時間 |
看護師 | 9.2 | 6.0 |
介護職 | 7.6 | 4.0 |
薬剤師 | 8.9 | 11.0 |
PT・OT・ST | 7.4 | 5.0 |
保育士 | 8.8 | 3.0 |
歯科衛生士 | 6.6 | 6.0 |
臨床検査技師の基本給【男女別・経験年数別】
検査技師は、「経験年数に応じて、どのくらい給料が上がるのか?」をみてみます。
ここで紹介するデータは、残業手当、日直手当等は含んでいませんので、働き方(長時間の残業など)に左右されず、比較がしやすいと思います。
【臨床検査技師の経験年数別基本給と年間賞与一覧(2021年)】
(単位:円)
経験年数 | 男 | ||
基本給(所定内賃金) | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 254,700 | 772,200 | 3,828,600 |
5~9年 | 260,200 | 820,000 | 3,942,400 |
10~14年 | 298,500 | 960,900 | 4,542,900 |
15年以上 | 401,300 | 1,232,600 | 6,048,200 |
全体 | 336,300 | 1,016,800 | 5,042,400 |
経験年数 | 女 | ||
基本給(所定内賃金) | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 251,000 | 704,900 | 3,716,900 |
5~9年 | 269,600 | 752,100 | 3,987,300 |
10~14年 | 292,100 | 952,200 | 4,457,400 |
15年以上 | 335,200 | 1,044,100 | 5,066,500 |
全体 | 296,100 | 863,600 | 4,416,800 |
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。
わかりやすくグラフにしてみると、こんな感じになります。
経験年数1~4年の検査技師さんの基本給(所定内賃金)は「約25万円」になっています。
新卒の検査技師さんは、この金額を目安に就職活動するといいかもしれません。
経験年数が15年以上ともなると、基本給が「33~40万円」になります。
年収としては、500~600万円になるので、医療・福祉系職種では高めの水準です。
こんな感じです。
【医療・福祉系職種別 平均年収比較(2021年)】
臨床検査技師の年齢別基本給【男女別】
年齢で検査技師の基本給が、どう変わるのか見てみます。
【臨床検査技師 年齢別基本給一覧表(2021年)】
年齢 | 平均基本給(単位:円) | |
男性 | 女性 | |
20~24歳 | 246,300 | 245,000 |
25~29歳 | 275,400 | 281,800 |
30~34歳 | 308,000 | 291,100 |
35~39歳 | 354,400 | 316,500 |
40~44歳 | 392,500 | 330,100 |
45~49歳 | 478,900 | 344,400 |
50~54歳 | 488,900 | 387,800 |
55~59歳 | 477,900 | 373,400 |
60~64歳 | 332,900 | 362,800 |
わかりやすく、グラフにするとこんな感じです。
この表によると、検査技師さんの給与のピークは、男女ともに「50~54歳」で、
- 男性 488,900円
- 女性 387,800円
となっています。
年齢に比例して、着実に増えていますね。
臨床検査技師の平均給与(年収)の推移「2013~2021年」
臨床検査技師の給与(年収)は、全体として上がっています。
男性(臨床検査技師)
年 | 年齢 | 平均勤続年数 | 月の残業時間 | 月額給与 | 年間賞与 | 年収 |
2013 | 37.8 | 12.3 | 15 | 348,900 | 918,600 | 5,105,400 |
2014 | 39.3 | 11.4 | 15 | 351,000 | 951,800 | 5,163,800 |
2015 | 40.2 | 12.2 | 12 | 351,500 | 926,900 | 5,144,900 |
2016 | 37.9 | 11.3 | 13 | 346,600 | 985,500 | 5,144,700 |
2017 | 39.2 | 11.2 | 15 | 339,700 | 871,700 | 4,948,100 |
2018 | 40.2 | 11.9 | 14 | 348,600 | 972,000 | 5,155,200 |
2019 | 39.3 | 10.6 | 14 | 342,900 | 897,700 | 5,012,500 |
2020 | 42.9 | 15.4 | 11 | 361,100 | 1,105,500 | 5,438,700 |
2021 | 43.0 | 15.0 | 11 | 373,900 | 1,016,800 | 5,503,600 |
女性(臨床検査技師)
年 | 年齢 | 平均勤続年数 | 月の残業時間 | 月額給与 | 年間賞与 | 年収 |
2013 | 37.4 | 11.2 | 10 | 293,400 | 803,500 | 4,324,300 |
2014 | 37.7 | 10.4 | 11 | 304,000 | 864,700 | 4,512,700 |
2015 | 37.9 | 10.0 | 10 | 305,900 | 818,800 | 4,489,600 |
2016 | 38.6 | 10.7 | 9 | 310,300 | 861,700 | 4,585,300 |
2017 | 39.0 | 11.2 | 10 | 308,800 | 858,500 | 4,564,100 |
2018 | 39.4 | 11.0 | 9 | 307,100 | 862,600 | 4,547,800 |
2019 | 38.5 | 9.9 | 11 | 298,900 | 866,500 | 4,453,300 |
2020 | 40.5 | 11.6 | 8 | 313,400 | 958,100 | 4,718,900 |
2021 | 41.0 | 11.7 | 9 | 321,700 | 863,600 | 4,724,000 |
2013年と2021年で、平均年収を比較すると、男女ともに「約40万円のアップ」となっています。
わかりやすくグラフにしてみると、こんな感じです。
直近の2021年では、平均年収が過去最高となっています。
ただ、年齢と勤続年数が若干上がっていることを思うと、上り幅としては緩やかな印象です。
臨床検査技師の給料は、他の産業と比べて高いのか?安いのか?
結論から言うと、臨床検査技師の給料は平均的です。
【臨床検査技師と産業別平均年収の比較(2021年)】
ただ、厚生労働省は、役職者を除く全産業平均年収を「440万円」としています。
なので、その金額を基準に考えると、検査技師さんの平均年収「4,964,600円」は、わりと高めとなります。
臨床検査技師の都道府県(地域)別平均年収【令和3年(2021年)】
あなたの住んでいる(働いている)地域をチェックしてみてください。
地域によってかなりバラツキがあります。
【臨床検査技師の都道府県別平均年収比較(2021年)】
都道府県 | 平均年齢 | 平均年収 |
北海道 | 40.3 | 4,631,100 |
青森 | 48.4 | 6,700,400 |
岩手 | 44.3 | 4,823,900 |
宮城 | 38.5 | 4,697,900 |
秋田 | 35.9 | 5,338,400 |
山形 | 49.8 | 5,019,200 |
福島 | 42.1 | 5,072,300 |
茨城 | 41.0 | 4,768,200 |
栃木 | 44.9 | 6,334,300 |
群馬 | 41.1 | 4,611,000 |
埼玉 | 39.9 | 5,499,900 |
千葉 | 42.0 | 4,943,600 |
東京 | 41.3 | 5,080,200 |
神奈川 | 43.2 | 5,421,300 |
新潟 | 40.9 | 4,700,400 |
富山 | 40.3 | 4,844,600 |
石川 | 39.2 | 4,809,400 |
福井 | 48.4 | 5,509,100 |
山梨 | 42.8 | 4,927,400 |
長野 | 40.9 | 5,706,900 |
岐阜 | 41.6 | 3,985,800 |
静岡 | 41.4 | 4,563,000 |
愛知 | 38.6 | 5,183,500 |
三重 | 39.3 | 4,727,700 |
滋賀 | 43.2 | 5,794,000 |
京都 | 35.7 | 4,599,300 |
大阪 | 42.8 | 4,779,400 |
兵庫 | 45.5 | 5,214,200 |
奈良 | 39.7 | 5,019,000 |
和歌山 | 49.8 | 5,817,300 |
鳥取 | 44.8 | 4,641,300 |
島根 | 32.8 | 4,427,200 |
岡山 | 40.4 | 4,982,100 |
広島 | 46.3 | 4,913,400 |
山口 | 41.3 | 4,346,700 |
徳島 | 41.9 | 4,729,300 |
香川 | 40.8 | 5,374,800 |
愛媛 | 43.2 | 4,380,200 |
高知 | 44.2 | 4,078,300 |
福岡 | 41.7 | 5,480,000 |
佐賀 | 34.9 | 3,414,600 |
長崎 | 34.9 | 4,261,700 |
熊本 | 42.6 | 3,727,300 |
大分 | 32.2 | 3,703,800 |
宮崎 | 42.8 | 5,439,900 |
鹿児島 | 40.8 | 5,487,500 |
沖縄 | 51.2 | 4,143,100 |
わかりやすくグラフにすると、こんな感じです。
また、平均年収が多い順に並べると、こうなります。
この調査では、1位の青森県「6,700,400円」と最下位の佐賀県「3,414,600円」を比較すると、約320万円ほどの違いがあります。
さすがにここまでの金額差が実際にあるとは思えませんが、地域における需給バランスの影響はあると思います。
つまり、検査技師が不足している地域では給与は高くなり、充足している地域では給与は少なくなる傾向があるということです。
もちろん、事業所ごとの事情や採用のタイミングの影響もあると思いますが。
臨床検査技師の人手不足の状況【有効求人倍率倍1.42って、どういうこと?】
令和3年度の臨床検査技師の有効求人倍率は、「1.42倍」となっています。
職業全体の有効求人倍率が「1.16倍」ですので、人手不足の職種となります。
出典:厚生労働省「job tag 職業情報提供サイト」
ちなみに、有効求人倍率とは、仕事を探す人1人に対し、何人分の求人(仕事)があるかを表している指標です。
つまり、労働市場の「需給バランス」を表すものです。
臨床検査技師の令和3年度の有効求人倍率は「1.42倍」ですので、臨床検査技師100人に対して、約142人分の仕事があるってことです。
逆に言うと、142の医療機関などが、臨床検査技師100人を取りあっている状態です。
結構な人気者状態ですよね。
【関連記事】
「求人倍率について、もっと詳しく知りたい」という人は、こちらの記事を。
臨床検査技師の平均給与等算出表「令和3年賃金構造基本統計調査」
この記事で紹介した平均給与などの情報を一覧にしておきます。
「エクセル」が利用できる人は、こちらからダウンロードもできます。
もちろん、無料です。
⇒heikinkyuuryousannsyutu2021(kennsagishi)
ちなみに、黄色のセル「1.条件」を変更すれば、他の職種の給与情報が見られます。
【関連記事】
平均給与等算出表について、詳しくは、こちらの記事を。
⇒今の給料って高いの?低いの?平均給与額算出表で比べてみよう【エクセル】
まとめ
今回紹介した「臨床検査技師の平均給料」は、あくまでも平均値です。
なので、場合によっては、提示された給料額が平均給料から大きく外れることも考えられます。
ただ、就職・転職をするときや、キャリアアップを考えるときの「1つの目安」としては、かなり参考になる数値だと思います。
提示された給料が「高いのか?安いのか?」、また「どのくらいの給料を希望していいのか?」がわかりますし。
ぜひ、あなたの経験が適性に評価されるよう「平均給料額」を目安に、給料などの条件交渉を行ってみてください。
臨床検査技師は足りてませんので、あなたの希望にあった職場に出会いやすいと思います。
ちなみに、転職の際には、必ず、再就職手当の受給を検討しましょう。
再就職手当は、ハローワークから支給される手当で、
- 2~3ヶ月も休むつもりがない
- すぐに次の職場を探す予定
- ハローワークで仕事を探す気がない(人材紹介サービスを使うなど)
という人でも、支給を受けられる場合があります。
また、再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってます。
もらわないのはもったいないです。
【関連記事】
⇒再就職手当(失業給付)を満額もらうための3つの注意点と「支給額早見表」
⇒離職票が届く前に手続き可能!失業保険を早くもらう方法【ハローワーク確認】
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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