仕事をしていて、「ミスをしたい!」って人、いないですよね。
もちろん、「わざとミスをする」って人もいないと思います。(特別な事情を除きますが・・・)
でも、ミスは必ず起きます。
そういう意味では、ミスには「悪意」や「悪気」はないってことになります。
なのに、「ミスに対して、やたらと厳しい人(上司や先輩など)」っていますよね?
「誰がやったの!?」
「なんで、そんなことしたの!?」
「あなたがミスしたんだから、あなたが対処してよね!」
みたいな感じです。
とはいえ、こういう光景って、どこの組織(職場)でも、結構ありますよね。
ただ、僕としては、こういった「犯人探し」から「犯人を処罰する」みたいなことは、職員さんはもちろん、組織にとってもすっごくマイナスだなって思ってます。
というのも、「犯人探し」などをすることで、
- 職員さんのやる気がなくなる
- ウソが増える
- 隠ぺいが増える
- 仕組みの改善が行われない
ってことが起こるからです。
そこで、この記事では、
「犯人探しをやめたほうがいい理由とその効果」
について、まとめておきます。
「犯人探しが大好きな人に困っています(悩んでいます)・・・」という人に読んでいただけると嬉しいです。
犯人探しをやめると、一気に働きやすくなる
犯罪や悪意のあるルール違反は別ですが、仕事上のミスについて、「犯人探し」をするメリットはないと思います。
理由としては、繰り返しにはなりますが、
- 職員さんのやる気がなくなる
- ウソが増える
- 隠ぺいが増える
- 仕組みの改善が行われない
からです。
逆にいうと、「犯人探し」をやめるだけで、次のようなメリットがあります。
- 職員さんのやる気が阻害されない
- ウソが減る
- ミスが共有され、業務が透明化される
- ミスの出やすい仕組みの改善ができる
なので、「犯人探し」をやめると、一気に働きやすくなります。
もちろん、組織にとってもメリットが多いです。
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
「犯人探し」は、職員さんのやる気を失わせる
犯人探しが行われる根底には、「ミスは悪いもの」という意識が強くあります。
たしかに、ミスはないに越したことはないですが、ミスをしない人なんていません。
もし、ミスをしない人がいるとすれば、それは「何もしてない人」です。
なので、「ミスは悪いものという文化(空気)」は、
- ミスをしない仕事しかしない人(できることしかしない)
- 指示されたことしかしない人(言われたことしかしない)
を増やし、職員さんの自主性も失わせるので組織にとってマイナスです。
そして、「ミスは悪いもの」という意識の強い人が、犯人探しをする目的は、ほぼ「ミスしたのは私じゃないを証明するため」です。
もちろん、「ミスしたのは私じゃない」を証明したいのは、「私は悪くない」と言いたいからです。
これは、もちろん、「ミスは悪いもの」という意識が強くあるがゆえの行動です。
そもそも、ミスや失敗に対して、良いイメージを持っている人は少ないと思いますので、「犯人探し」によって、さらに「ミスは悪いもの」という意識が強くなってしまいます。
結果、どんどん組織がダメになっていきます。
つまり、「犯人探し」とは、組織の中に「ミスは悪いもの」という文化(空気)を醸成していき、組織をダメにする大きな歯車なんです。
犯人探しをすると、ウソが増える
嘘の多い職場って、「嘘をつくメリットが多い職場」または、「正直に言うデメリットが多い職場」だと思うんです。
そもそも、嘘をつくメリットがなければ、嘘なんかつく必要ないですし。
犯人探しは、犯人に特定されることで、マイナスを被るので、バレないなら嘘をついたほうがメリットが大きいです。
もちろん、「犯人にならないための責任の押し付け」みたいなのも起きるので、さらに嘘が増えます。
つまり、情報に嘘が混ざるってことです。
嘘の多い職場って、「その情報は信用できるのか?」という、情報の信憑性から疑わないといけないので、すっごくムダが多いです。
嘘の情報をもとに打ち手(対処方法)を考えても、効果は薄いですからね。
ちなみに、「嘘とメリット・デメリットの関係」はこんな感じです。
組織としては、③「嘘がない⇒メリットが多い」を目指すべきです。
②「嘘がある⇒デメリットが多い」でも良さそうですが、罰を与えることで嘘を減らそうという発想だと、正直に言うというインセンティブが弱いので、③「嘘がない⇒メリットが多い」が良いと思います。
犯人探しをすると、隠ぺいが増える
「隠ぺい」が行われる心理としては、「悪いことがバレたくない」だと思うんです。
犯人探しの根底には、「ミスは悪いもの」という意識が強くあるため、自分がミスしてしまったとき、そのミスを隠したい(なくしたい)という心理が働きます。
結果、ミスに気づくのが遅くなり、対処が後手にまわります。
場合によっては、取り返しのつかないことに・・・
組織にとっては、「悪い情報」ほど、より早く欲しいものです。
なぜなら、報告が早ければ早いほど、被害を最小限にすることができるからです。
なので、マネージャー(上司)としては、
- 悪い報告ほど、笑顔で聞く
- 悪い報告をしてくれた職員さんに対し、必ず「ありがとう」を伝える
ってことが大切だと思います。
こうすることで、「ミスをしたら怒られる」みたいな印象をなくし、上司への悪い報告のハードルを下げることができます。
犯人探しをすると、仕組みの改善が行われない
「犯人探し」は、ミスの原因を個人に特定する行為です。
結果、意識がヒューマンエラー(人為的ミス)に向いてしまい、システムエラー(仕組みの不備)の改善がおろそかになります。
そもそも、組織内で起こるミスは、ほぼ、システムエラー(仕組みの不備)が原因だと僕は思っています。
つまり、「人がミスをしやすい仕組みになっている」ってことです。
なので、ミスが起きたとき、組織としてやらないといけないのは、
- ミスに対する対処
- 「ミスの出やすい仕組みになっていないか?」を考え、改善をする
だと思います。
結果、仕組みの改善を行うことで、マニュアルの精度があがり、業務の透明化が進みます。
業務が透明化されれば、属人化も防ぐことができます。
ちなみに、僕としては、「新入社員のミスは組織にとっては価値」だと思っています。
というのも、新人さんがミスするってことは、そこに何かしらの問題点、いわゆる「システムエラー(仕組みの不備)」があるからだと思うんです。
たとえば、
- ミスの出やすい仕組みになっている
- マニュアルに不備がある
- 教え方や伝え方に問題がある
などです。
「何が問題なのか?」がわかると、改善するのは結構簡単なので、組織や職場にとっては、よりより仕組みづくりが可能になります。
誰だって、そうだと思うんですけど、ある程度、その職場で働いてくると、慣れとかもあって、こういった「問題点」って、気づきづらくなっちゃいます。
つまり、「違和感」を感じなくなっちゃうってことです。
なので、新人さんのミスって、色々な意味で、組織やその職場の仕組みを「チェックするという役割」を持っています。
そういう意味では、職員採用を行ったときは、ミスが出ることを前提として、仕事を任せ、ミスが出ることを楽しんだ方が健全だと思います。
「よし、問題点がわかったぞ!改善しよう」みたいな感じです。
もちろん、そういうときは、その人のミスを責めたりしないで、「じゃあ、どうしようか?」という姿勢で、一緒に改善策を考えると、部下からの信頼度も上がります。
ミスをしない人は優秀なのか?評価は高いのか?【ミスと評価の関係】
犯人探しをする人は、
- ミスをしない人は優秀
- ミスをすると評価が下がる
と思っている人が多いのかもしれません。
もちろん、会社(職場)によっては、こういう評価をするところもあるかと思いますが、僕としては、ちょっと違和感があります。
というのも、「ミスが多い・少ない」では、単純に評価できないからです。
次の図は、「仕事におけるミスと評価の関係」を表したものですが、ミスが多くても、評価が高い人はいます。
トライ&エラーを高速で繰り返せる人は、ミスが多くても、評価は高くなります。(①に該当)
逆に、何もしない人は、ミスは少なくても、評価は低くなります。(④に該当)
なので、一概に「ミス=評価が下がる」とは言えません。
また、②「同じミスを繰り返す人」というのは、仕組み(システム)を改善することで、③「ルーティンワークの達人」に変えることができます。
逆に、仕組み(システム)の改善をせず、犯人探しばかりをしていると、②「同じミスを繰り返す人」は、④「何もしない人」になっちゃいます。
組織としては、評価が高くなる
- ①「トライ&エラーの達人」
- ③「ルーティンワークの達人」
を増やしたいので、「犯人探し」をやめて、仕組みの改善を行うというのはすっごく大切なことなんです。
ちなみに、僕としては、「ミスをしない」より「ミスをしたときのリカバリー力(問題解決力)」のほうが大切だと思っています。
ミスって、誰でもするので。
まとめ
ここで、「犯人探しをやめたほうがいい理由」について、まとめておきます。
- 「ミスは悪いもの」という意識が強くなる
- 職員さんの自主性を失わせる
- 嘘や隠ぺいが増える
- 仕組みの改善が行われない(ルーティンワークの達人が増えない)
業務改善って、不満やミス、失敗が起点となって行われることが多いと思います。
そして、改善を繰り返すことで、どんどん職場環境は良くなっていきます。
そういう意味では、ミスや失敗って、組織にとってはなくてはならないものです。
なので、「ミスができない環境」というのは、職員さんが窮屈なだけでなく、組織にとってもマイナスが大きいです。
誰だって、働きやすい職場のほうがいいはずです。
そのためには、「犯人探しはしない」という宣言をして、みんなで「ミスに寛容な職場づくり」を心がけることが大切だと思います。
こういうのは、やめにして。
- 誰がミスをしたのか?
- 誰がミスを修正(対処)するのか?
- 誰に責任を取らせるのか?
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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