会社(組織)で働いていると、
- アイツ、使えない
- 仕事のできる人、できない人
- 優秀な人材がほしい
なんて言葉を聞くことがあると思いますが、僕は、これらの言葉が嫌いです。
というのも、仕事における「優秀さ」って、
- 何をするのか?
- どこでするのか?
- 誰とするのか?
で、ぜんぜん変わっちゃうと思っているからです。
そこで、この記事では、
「優秀な人材の定義(考え方)」
について、僕の考えをまとめておきます。
「頑張っているのに、仕事で評価されない・・・」と悩んでいる人に、読んでいただけると嬉しいです。
仕事における優秀さとは、「適材適所」になっているかどうか
仕事って、その時代の社会システムや人々のニーズ(価値観)などの影響を大きく受けるため、時代によって、必要とされる仕事は変わってきます。
当然、必要とされる仕事が変われば、必要とされる人材も変わりますので、「優秀な人材の定義」も変わっちゃいます。
また、
- 会社(職場)よる評価基準の違い
- 評価を行う人(評価者)の能力や価値観
- 評価を行う人(評価者)の好き・嫌いや、個人的な感情
などによっても評価は変わってしまうため、「優秀な人材」というのは、かなり流動的なものだと言えます。
以上のことから、仕事における優秀さとは、
- 何をするのか?(仕事の内容)
- どこでするのか?(どの会社・職場を選ぶのか)
- 誰とするのか?(どの上司のもとで働くのか)
という、3つ要素が大きく関係しており、
最終的には、
「適材適所になっているか?」
に集約されます。
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
何をするのか?(仕事の内容)
仕事の種類を表している「日本標準産業分類(平成26年4月)」によると、現在、日本には、1,460種類の仕事が存在しています。
1,460種類もの仕事がありますので、すべての職種(仕事)において、優秀だと言われる人なんて、当然いるわけありません。
まぁ、わざわざ、言うまでもありませんが、理由としては、
- 頭脳労働が得意な人
- 肉体労働が得意な人
- コミュニケーション能力の高い人・低い人
- 毎日、コツコツと正確に同じことができる人
- 人前で話すのが得意な人、苦手な人
など、人には、「得意・不得意」、「好き・嫌い」があるため、不得意なジャンルで、得意な人より評価を受けることは難しいからです。
ちなみに、「優秀な人」というと、一般的には、
- コミュニケーション力がある
- 主体性をもって行動する
- 新しいアイデアをどんどん出す
みたいなイメージがありますが、「すべての仕事において、これらの能力(得意)が必要か?」と言われると、ぜんぜんそんなことありません。
事実、うちの職場では、主体性はなくとも、毎日、決められたことをコツコツとしっかり正確に行う職員の評価は高いです。(医療現場においては、すっごく大切なことです)
つまり、誰にだって、必ず活躍できる仕事ってあるってことです。
そして、「仕事で評価されない」というのは、自分にあった仕事に出会えていないだけなんです。
どこでするのか?(どの会社・職場を選ぶのか)
自分の得意(好き)な仕事に出会えたとしても、会社によって、パフォーマンスは変わっちゃいます。
なぜなら、会社(職場)によって、「働きやすさ」がぜんぜん違うからです。
働きやすさは、仕事のパフォーマンスに直結しますので、パフォーマンスが発揮できなければ、評価されることはありません。
仕事が趣味のような人は、「残業しないで定時で帰れ」と言われると、パフォーマンスは発揮できないでしょうし、逆に、プライベートの充実こそが、仕事のモチベーションを引き上げパフォーマンスを最大化できるという人もいるでしょう。
つまり、「自分が望む働き方ができる会社(職場)なのか?」というのは、優秀さに直結するってことです。
また、会社の評価基準(仕組み)も大きく影響します。
会社によっては、
- 残業が多い ⇒ 頑張っている ⇒ 評価が高い
- 残業が多い ⇒ 生産性が低い ⇒ 評価が低い
という両方の会社が存在するため、
「自分が望む働き方とその会社の評価基準があっているか?」
というのも大切なポイントになります。
誰とするのか?(どの上司のもとで働くのか)
「必ず食える1%の人になる方法」の著者である、藤原和博さんは、次のように言っています。
「サラリーマンの唯一絶対のリスクは、上司です。上司がアカンかったら、ビジネス人生の半分以上がダメになる」
ちなみに、この本、すっごくおもしろいので、オススメです。
一般的に、人事評価って、上司が行うことが多いため、「優秀さ」という意味では、一緒に働く上司によって、評価は、ぜんぜん違っちゃいます。
なので、「上司とあわないな~」という場合は、おそらく高い評価を得ることが難しいと思います。
特に、次のような上司は、注意が必要です。
- 自分より優秀な部下が嫌い
⇒ 自分の存在が脅かされる - チヤホヤされたい
⇒ 承認欲求が強い - 役職という権威を使いたがる
⇒ 人材が育たない、育てる気がない
もし、あなたの上司が上記に当てはまるようなら、すぐにその職場から離れることをオススメします。
人生の貴重な時間を無駄にすることになりますので。
まぁ、上司への「ヨイショ」が得意な人は、活躍できる職場かもしれませんが・・・(笑)
【関連記事】
「適材適所」の大切さを痛感した事例
僕が、実際に経験したことを紹介します。(医療・介護業界の話です)
病棟の看護師長から、入退院支援看護師への業務変更
ある病棟師長の話です。
その師長さんは、仕事に対し、すっごく一生懸命なんだけど、職員からの評判があまり良くなかったんです。
そういった影響もあってか、職員の離職率がその病棟だけ高めでした。
そこで、その師長さんに、入退院支援の業務をお願いしたところ、ものすごいやる気とエネルギーで大活躍いただき、入院稼働率のカギを握る人材となりました。
これは、適材適所(業務変更)が成功した事例です。
おそらく、その師長さんは、マネージャーではなく、プレイヤーとして力を発揮するタイプだったんだと思います。
介護福祉士(介護職)から、介護支援専門員(ケアマネ)へのキャリアアップ
ある介護福祉士さんの話です。
介護職として、真面目にしっかりとした仕事をする介護福祉士さんが、介護支援専門(ケアマネ)の資格を取得したため、本人の希望もあり、居宅介護支援事業所で勤務いただいたところ、利用者さんの家族、関係機関などからあまりにも評価が低いという人がいました。(苦情なども多かったです・・・)
これは、適材適所(キャリアアップ)が失敗した事例です。
どうやら、この介護福祉士さんは、プランニングと家族や関係機関などとの調整が得意ではなかったみたいです。
ちなみに、このケアマネさんは、本人の希望により、その後退職しました。
相談員の配置変更
地域連携室で勤務する、ある相談員さんの話です。
上司からの評価が低かった、相談員さんから「退職」の申し出があったので、本人承諾のうえ、別の病院で勤務してもらったところ、すっごく大活躍し、地域連携室の室長になった人がいます。
このケースは、ただただ、「最初の病院の上司とあわなかっただけ」なんだと思います。
なので、人事異動により、上司を変えることで、適材適所が成功した事例と言えます。
「合う上司」と働くことで、成長を促進することもできますし。
まとめ
結局、「評価の良し悪し」や「優秀かどうか」なんて、
「頑張る場所(職場)が、自分とあっているかどうか?」
でしかないんですよね。
つまり、「適材適所がすべて」ってことです。
そういう意味では、人と比較することも意味がないんですよね。
たまたま、そのジャンルで優秀だっただけで、ちょっとジャンルを変えたら、他の誰かの方が優秀だと言われる可能性って大いにありますし。
なので、もし、あなたが、
「頑張っているのに、仕事で評価されない・・・」
と悩んでいるなら、あなたの頑張りが報われる職場を探してみましょう。
それだけで、人生の幸福度ってぜんぜん変わってくると思いますので。
ちなみに、「人事評価なんか関係ない」って人もいるかと思いますが、評価されないってことは、色々と、つまらないことを言われたりするので、ストレスが多くなります。
なので、昇格にこだわる必要は全くないと思いますが、評価自体は良い方がいいと思います。
また、わざわざ、自分の「得意・好き」から遠い仕事を選ぶ必要はありませんからね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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