大半の組織が、そうだと思うんですが、
「優秀な成果(成績)のプレイヤーが、マネージャー(管理職)に昇格する」
ってことが多いと思います。
ただ、プレイヤーとして優秀だからって、マネージャーとして優秀であるとは限りません。
むしろ、僕は、「逆なんじゃないか?」と思っています。
というのも、
- プレイヤーのルール(自分で成果を出す、自分だけが成長する)
- マネージャーのルール(メンバーに成果を出させる、みんなを成長させる)
って、全くの別物だからです。
そこで、この記事では、
「優秀なプレイヤーが、なぜ、マネージャー(管理職)に向いていないのか?」
について、色々なマネージャーを見てきて感じたことをまとめておきます。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- チーム(部下)のマネジメントに悩んでいる
- マネージャー(上司)に悩んでいる
- マネージャーになったら(部下を持ったら)、何を意識したらいいの?
優秀なプレイヤーが、マネージャー(管理職)に向いていない理由
まず、結論です。
- 部下の「できない」が理解できない
- 自分でやった方が早いから、自分でやってしまう
- 自分の意見が一番正しいと思いがち(経験則のみで語る)
それでは、1つずつ説明していきます。
部下の「できない」が理解できない
優秀な人って、理解も早く、結構なんでもできちゃった人が多いと思います。
その結果、「私は、こうだった」「私は、これでできた」が1つの基準値になってしまい、部下の「できない」が理解できなくなってしまいます。
そして、「なんで、やらないの?」「なんで、やれないの?」と部下を苦しめます。
ほんとは、マネージャーの伝え方が悪いだけかもしれないのにです。(わかりやすく伝えるにはどうしたらいいのか?という視点がないのかもしれません)
また、不思議なもので、組織の中においては、
「仕事ができない = ダメな人」
みたいなイメージがあって、仕事の一部を見て、すべてが悪いように思えてしまう。(良いところってたくさんあるはずなのに、見えなくなってしまう)
「仕事のできる・できない」「優秀・優秀じゃない」なんて
- 何をするのか?(仕事の内容)
- どこでするのか?(どの会社・職場を選ぶのか)
- 誰とするのか?(どの上司のもとで働くのか)
で、ぜんぜん変わっちゃうのにです。
【関連記事】
さらに言うと、優秀な人は、部下の「できない」が理解できないので、自分が行った業務配分(分担)や適材適所が悪かったという思考にもなりません。
つまり、「内省しない」ってことです。
なので、まずは、部下の声に耳を傾け、共感できなくてもいいので、理解するように心掛けることが大事だと思います。
自分でやった方が早いから、自分でやってしまう
優秀なプレイヤーが、マネージャーになると、自分の「仕事のハードル」を部下にも求めます。
つまり、100点の仕事です。
でも、よく考えてみてください。
そんなの無理ですよね?
だって、優秀な人ほどの経験もなければ、人によって得手不得手が違いますし。
結果、「なんで、できないの?」から「自分でやっちゃう」となっちゃいます。
部下からすれば、「だったら、全部やれよ~」ってなって、仕事がつまらなくなっちゃいます。
そもそも、そういう上司って部下の仕事を信頼していないので、さらに関係は悪化します。
なので、個人的には、100点を期待するのではなく、60点ぐらいをハードルにして、ちょっとずつ上げていくほうが、チーム全体のパフォーマンスを上げるという意味でも効果があると思います。
自分の意見が一番正しいと思いがち(経験則のみで語る)
これは、優秀なゆえ、仕方ないのかもしれません。
だって、自分のやり方で成功してきちゃったので、それが正しいと思っちゃいますよね。
ただ、そのやり方を組織のノウハウとして、再現性が高められるならいいですが、もしかすると、その人にしか使えないノウハウかもしれません。
また、メンバーの個性もあるため、同じやり方で同じパフォーマンスが出るかどうかはわかりません。
なので、そのメンバーに合わせたやり方を、一緒になって考えていくことが大切なんだと思います。
昔と違い、個人の価値観が多様化した現在においては、過去の経験則は絶対視できないと思いますので。
マネージャー(管理職)として意識すること
「じゃあ、マネージャーになったら、どういうことを意識したらいいのか?」ですが、僕としては、次のことを意識するといいかもって思います。
- 自分ができたからって、みんなができるとは限らない
- 相手に伝わらなければ、言っていないのと同じ
- 伝わらないのは、伝え方に問題があるから
- 適材適所で業務分担(万能な人材など存在しない)
- その人が不得意な所は、他の人材が補えば良い
- 部下の短所は、ほおっておく
- できないところじゃなく、できたところに目を向ける
- 結果を無視していいってわけじゃないけど、プロセスも大切にする
補足ですが、部下の短所(弱み)を伸ばしても、普通にしかなりませんが、長所(強み)を伸ばすと差別化できます。
チーム(組織)で働くメリットは、
「チーム全体でパフォーマンスを発揮できれば良く、メンバーの強みを掛け算していける」
というところだと思うので、チームのメリットを最大限に発揮できるよう、部下の強みに注目してください。
また、プロセスを大切にするのは、
「人は、結果ではなく、プロセスで成長する」
と、僕は思っているからです。
つまり、そのプロセスが、メンバーの成長につながっているようならOKってことです。
逆に、ぜんぜん準備もしないで、考えもしないで、なんとなくやった仕事で結果が出たとしても、あまり評価はできないな~って思ったりもします。
まとめ
組織の経営資源といえば、「ヒト・モノ・カネ」なんてよく言われますが、言い方を変えれば、これって「組織の資産」なんですよね。
そういう意味では、マネージャーは、「ヒト」という組織の資産運用を任されていることになります。
「ヒト」の運用とは、つまりは、メンバー(部下)の成長であって、成長度合いが大きければ大きいほど、リターンが大きかったってことです。
逆に、チームの関係性が崩れ、パフォーマンスが発揮できなくなってしまうってことは、組織の資産を減らしたとも言えます。
なので、マネージャーになったら、まずは、
「優秀だったプレイヤー時代の過去の実績を捨て、メンバー(部下)の成長をどれだけ促せるか、そして、その結果、チームとしてのパフォーマンスをどれだけ上げられるか」
を意識することが大切なんだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【あわせて読みたい】
コメント
すごい共感しました!
弊社にも、一流のプレイヤーがいます。影響力は強いです。
ただ、マネージャーとしてはイマイチ(周りが何人も辞めている)と思います。
自分が基準で、周りにも強要してくる感じが正直ムカつくので、その人に負けないチームビルディングをしていこうと決めました!
やっさん(さん)
ブログをお読みいただき、またコメントもありがとうございます。
マネジメントってほんと難しいですよね。
でも、チームが良くなっているのを感じられると、
すっごく嬉しいんですよね。
ぜひ、最強のチームをつくってください。
僕も頑張ります。