この記事では、精神療養病棟入院料などの「重症者加算」の算定における
- 診療報酬
- GAF尺度の考え方
- GAF尺度の点数のつけ方
- 算定根拠資料
について紹介しています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 医療事務の仕事をしている
- 精神科の病院で働いている
- 医療機関で、施設基準等の管理を担当している
重症者加算の診療報酬
重症者加算の基準については、次のとおりです。
別に厚生労働大臣が定める状態の患者については、重症者加算として、当該患者に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。
ただし、重症者加算1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者についてのみ加算する。
イ 重症者加算1 60点
ロ 重症者加算2 30点
重症者加算1は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているもの として地方厚生(支)局長に届け出た病院である保険医療機関であって、算定する日においてGAF尺度による判定が30以下の患者である場合に算定する。
重症者加算2は、算定する日においてGAF尺度による判定が 40 以下の患者である場合に算定する。
ちなみに、「別に厚生労働大臣が定める状態の患者」とは、次のとおりです。
- 重症者加算1の対象患者の状態:GAF尺度による判定が30以下であること。
- 重症者加算2の対象患者の状態:GAF尺度による判定が40以下であること。
GAF尺度の考え方
GAF尺度(機能の全体的評定尺度)とは、精神障害および知的障害を対象として、心理的、社会的、職業的機能を評価するものです。
GAF尺度では、1~100の数値で評価されます。
そして、数値が小さいほど、重症者という評価になります。
【GAF(機能の全体的評定)尺度】
出典:厚生労働省
GAF尺度のダウンロード(ワードファイル)
⇒Global Assessment of Functioning
重症者加算の算定は、「GAF尺度による判定が40以下」でなければなりませんが、ある研修会での説明では、「入院が必要ということは、GAF尺度による判定が40以下になる」と考えているとのことでした。
なので、原則は、算定することができるという認識です。
GAF尺度の点数のつけ方
GAF尺度は、1~100の数値のどこかで患者さんを評価します。
なので、「この患者のGAF尺度は、30-21だ」ではなく、「この患者のGAF尺度は、25だ」が正しくなります。
また、GAF尺度の判定は、各種通知を見る限り、医師に限定されているものではありませんので、看護師等による測定でOKです。
もちろん、医師による承認は必要になりますが・・・(厚生局から指導を受けた病院を知っていますので)
ちなみに、2020年4月から、精神科訪問看護においても、GAF尺度の判定が必須になっています。
こんな感じです。
重症者加算の算定根拠資料(GAF尺度の判定)
うちの場合は、次のような様式で、GAF尺度の判定を行い、記録として残しています。
精神療養病棟入院料 重症者加算用 GAF尺度判定表ダウンロード(エクセルファイル)
使い方は、毎日、各範囲(40-31など)のあてはまる欄に、判定した数値を書きます。
そして、判定の欄に、医師の確認印を押します。
つまり、判定は、看護師にて行い、医師のよる承認を得ている形です。
で、この様式を、月初に医事課に提出し、算定します。
まとめ
毎日のGAF尺度の判定は、結構、手間がかかりますが、
- 重症者加算1 1日あたり 60点
- 重症者加算2 1日あたり 30点
と大きな点数になるので、やるしかないと思います。
算定根拠をしっかりと残しておかないと、もしものときにやられちゃいますし。
また、職員さんにとっても、算定根拠がしっかりしてないというのは不安だと思うので、コンプライアンスは徹底しておきたいですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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