妊娠中って、人によって症状に違いはありますが、
- つわりがひどくて、吐き気がする
- 気持ちが悪くて、何も食べられない(特定の物しか食べられない)
- 食べると、吐いてしまう
という人が、結構多いです。
でも、そんなツラい状況なのに、「職場のみんなに迷惑をかけられないから・・・」って、仕事を休まず、頑張り過ぎちゃう人が多いんですよね。
そこで、この記事では、妊娠中の体調不良時に気持ちよく仕事を休むことができる
- 母性健康管理制度
- 傷病手当金制度
についてまとめておきます。
「現在、妊娠している人」もしくは、「子どもが欲しいと思っている人」に読んでいただけると嬉しいです。
妊娠中の健康管理は「事業主の義務」であり、休んだ期間は給付金が支給される
まず、結論です。
- 妊娠中の女性職員の健康管理は「事業主の義務」
- 母性健康管理のための措置は、医師が判断する
- 母性健康管理措置のために仕事を休んだら「傷病手当金」が給付される
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
妊娠中の女性職員の健康管理は「事業主の義務」
事業主には、「男女雇用均等法」によって、母性健康管理の措置を適切に講ずることが義務付けられています。
わかりやすく言うと、「事業主は、妊娠中の女性職員の健康を守りなさい」ってことです。
なので、体調が優れないのに、無理して頑張らなくていいんです。
ちなみに、「男女雇用均等法」では、このように規定されています。(読みづらいので、ポイントを太字にしておきます)
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。
(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
第十二条 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。
第十三条 事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
3 第四条第四項及び第五項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。
出典:厚生労働省「男女雇用均等法」
母性健康管理のための措置は、医師が判断する
妊娠中の女性労働者の健康管理を指導するため、厚生労働省は「母性健康管理指導事項連絡カード」という書類(様式)を用意しています。
この書類は、医師が「母性健康管理に必要な措置」を、事業主に連絡するための書類です。
そして、事業主は、職員から「母性健康管理指導事項連絡カード」を受取ったら、医師の指導事項を守らなければなりません。
こんなイメージです。(厚生労働省のホームページより引用させていただきます)
なので、「つわり」などで、体調が優れないなら、まずは、医師に相談してみてください。
医師の判断によって、「勤務時間の短縮」や「自宅療養(休業)」などの指示が出ますので。
ちなみに、「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、こんな書類です。
【表面】
【裏面】
また、僕の経験上ではありますが、妊娠中に多い体調不良(症状)は、次の5つです。
- つわり
- 妊娠悪阻(にんしんおそ)
- 妊婦貧血
- 切迫流産
- 切迫早産
「母性健康管理指導事項連絡カード」では、赤く囲った項目になります。
母性健康管理指導事項連絡カードが新しくなりました「令和3年7月1日から」
令和3年7月1日から、様式が新しくなっています。
【表面】
【裏面】
母性健康管理措置のために仕事を休んだら「傷病手当金」が給付される
「母性健康管理指導事項連絡カード」を事業主に提出し、仕事を休んだなら「傷病手当金」をもらいましょう。
いくつかの支給条件がありますが、母性健康管理措置のための休業は「傷病手当金」の対象になりますよ。
傷病手当金の支給条件
次の5つの条件をすべて満たした場合に、傷病手当金は支給されます。
- 社会保険の加入者(被保険者)であること
- 業務外での病気やケガのため休んでいること
- 仕事に就くことができないこと(働くことができないこと)
- 連続して3日間以上働くことができなかったこと
- 休んでいる期間について給料をもらっていないこと
傷病手当金の支給額
傷病手当金の1日あたりの支給額 =
支給開始前(12ヶ月)の平均標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3
ざっくりではありますが、「給料の3分の2程度」という理解でOKです。
なお、傷病手当金の支給条件および支給額(早見表あり)については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
僕の妻は、「つわり」が、ひどかった!
もちろん、僕は、「つわり」の経験はありませんが、どれだけ大変かを知っているつもりです。
というのも、僕には3人の息子がいますが、3人とも、もれなく妻の「つわり」が酷過ぎたからです。
なので、あなたも無理をしないで、仕事を休んでください。
ちなみに、妻の症状はこんな感じでした。
- 吐き気があり、何も食べられない
- 毎日、吐いている
- 1日中、ソファーの上から動けない
- 産婦人科で点滴を行う
- 医師から入院を勧められた
- 機嫌がすこぶる悪い(笑)
まとめ
ここで、妊娠中の女性労働者のための「母性健康管理制度」と「傷病手当金制度」について、おさらいです。
- 妊娠中の女性職員の健康管理は「事業主の義務」
- 母性健康管理のための措置は、医師が判断する
- 体調が優れないなら、医師に相談しよう
- 母性健康管理措置のための休業は「傷病手当金」の対象
- 傷病手当金の支給額は「給料の3分の2程度」
妊娠中の体調不良で休むのは、あなただけじゃありません。
みんな、結構、休んでます。
だから、無理せず、安心して休んでください。
そもそも、職員の健康管理は、事業主の義務ですし。
そして、元気な赤ちゃんを産んでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【あわせて読みたい】
コメント