向精神薬多剤投与の減算判断用フローチャート(エクセル)【処方箋料・通院精神療法等】

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向精神薬多剤投与の算定ルール(処方箋料と通院精神療法)

医師が、外来などの患者さんへ、次のような処方(投薬)した場合、向精神薬多剤投与として、

  • 処方料
  • 薬剤料
  • 処方箋料
  • 通院・在宅精神療法
  • 精神科継続外来支援・指導料

が、減算または算定不可となります。

 

【向精神薬多剤投与となる場合(1回の処方に対して)】

  • 抗不安薬を3種類以上処方
  • 睡眠薬を3種類以上処方
  • 抗うつ薬を3種類以上処方
  • 抗精神病薬を3種類以上処方
  • 抗不安薬と睡眠薬をあわせて4種類以上処方

 

このときの「減算にするのか、しなくていいのか?」のルールが複雑で、うちの場合、大概「あーでもない、こーでもない」とごちゃごちゃします。

 

そこで、パッと見で簡単に判断できるように「向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート」を作成してみましたので紹介します。

使っていただけそうなら、ご活用ください。(逆に、間違いがあれば、ご指摘ください)

この記事で紹介している取扱いは、令和4年4月改定時点のものです。

向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート(エクセル)

こんな感じの表になっています。

向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート(令和4年4月)

 

【無料ダウンロード(エクセルファイル)】

psychotropic-drug-polypharmacy-flowchart2022

 

【関連記事】

「向精神薬多剤投与における減算って何ですか?」という人は、こちらの記事をまとめていますので、チェックしてみてください。

その方が「向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート」を使いやすいと思います。

処方料・処方箋料の「向精神薬多剤投与」の算定ルール【臨時の投薬等・経験のある医師】

通院精神療法の多剤投与(抗うつ薬・抗精神病薬)の減算ルール

向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャートの見方

説明の必要はないかもですが、一応です。

 

向精神薬多剤投与がされたら、まず、どの薬を処方したのかを確認します。

向精神薬多剤投与の判断1

 

このとき、「睡眠薬3種類以上」が処方されていたら、減算されない要件は、

  • 転医時多剤投与
  • 薬剤切替時の一時的な新旧薬の併用

になるので、該当するかどうかを確認します。

 

睡眠薬の算定フロー(向精神薬多剤投与)

 

で、該当するか、しないかで、減算されるもの(処方箋料など)確認します。

 

ちなみに、処方された薬が「抗うつ薬3種類以上」または「抗精神病薬3種類以上」の場合、減算されない要件は、

  • 転医時多剤投与
  • 薬剤切替時の一時的な新旧薬の併用
  • 臨時投与
  • 届出した医師による処方(3種類に限る)

となります。

そして、減算されるものに「通院精神療法」が入ってきます。

 

抗うつ薬、抗精神病薬の算定フロー(向精神薬多剤投与)

睡眠薬と抗うつ薬が、それぞれ多剤投与されていた場合の算定

患者さんによっては、

  • 抗不安薬を3種類以上処方
  • 睡眠薬を3種類以上処方
  • 抗うつ薬を3種類以上処方
  • 抗精神病薬を3種類以上処方

が複数該当することがあると思います。

 

たとえば、睡眠薬を3種類、抗うつ薬を3種類の同時の処方などです。

 

このときの処方理由が、「転医時多剤投与」または「薬剤切替時の一時的な新旧薬の併用」であれば、睡眠薬3種類、抗うつ薬3種類の両方が減算されない要件に該当しますので、処方箋料も通院精神療法も減算対象にはなりません。

 

ただ、このときの処方理由(除外要件)が「厚生局へ届出した医師による処方」の場合、抗うつ薬3種類は減算されない要件に該当しますが、睡眠薬を3種類は減算されない要件に該当しません。

そのため、処方料・処方箋料は減算対象となります。

 

また、通院精神療法は、そもそも睡眠薬3種類以上の処方に対して減算されません。

なので、通院精神療法は、減算対象とはなりません。

 

結果、睡眠薬3種類、抗うつ薬3種類を同時に処方した場合は、

  • 処方料、処方箋料 減算あり
  • 通院精神療法 減算なし

となります。

こういう場合、「向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート」は、処方された薬ごとにチェックするようにしてください。

まとめ

向精神薬多剤投与の算定ルールって、ほんと複雑でわかりづらいですよね。

ただ、保険医療機関としては、極力、減算せずに算定したいところです。

そのためにも、1つのツールとして、「向精神薬多剤投与にかかる算定判断フローチャート」を活用していただけると嬉しく思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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