「認知症って、何科にかかればいいの?」
「認知症って、入院できるの?」
って人、結構多いと思います。
一般的に、認知症の相談というと、
- かかりつけの医師(いれば)
- 医療機関(もの忘れ外来など)
- 地域包括支援センター
などになりますが、かかりつけの医師がいない場合、医療機関といっても、かなりの数の診療科があるので、どうしていいかわからないと思います。
そこで、この記事では、「認知症かもしれない?」と思ったとき「どんな医療機関を選べばいいのか?」について、僕の意見をまとめておきます。
「認知症の家族などの件で悩んでいる」という人の参考になれば嬉しいです。
「もしかして、認知症かも!?」と思ったら、専門医のいる精神科病院の受診を!
認知症で受診する場合、
- 精神科
- 神経内科
- 脳神経外科
- 心療内科
など、色々な選択肢がありますが、結局は、「認知症診療の経験がある医師がいるのかどうか?」が重要だと思います。
なので、まずは、専門医がいる病院を選び、そのうえで、診療科(病院の種類)を選ぶことをオススメします。
専門医については、医療機関や日本老年精神医学会、日本認知症学会のホームページなどをチェックすると簡単に探すことができます。
診療科(病院の種類)については、もしものことを考えて、精神科を標榜をしている病院がいいと思います。
認知症の受診で、精神科病院をオススメする理由
精神科病院をオススメするのは、
- 認知症治療病棟への入院ができる(いざって時)
- 認知症患者に特化したリハビリができる
- 病院は24時間、医師が勤務している
という理由からです。
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
認知症治療病棟への入院ができる(いざって時)
精神科を標榜している病院の場合、「認知症治療病棟入院料」という認知症患者に特化した病棟を運営することができます。
この病棟は、認知症患者に対して、急性期的に集中的な治療を行う入院機能です。
なので、在宅での介護を行っていて、
- 症状がいきなり悪化した
- どうしていいか?わからない
みたいなときに、入院させてもらえます。
いざってときに、入院できるっていうのは、介護をしていても安心感が違います。
認知症患者に特化したリハビリができる
認知症治療病棟を運営している病院の場合、認知症患者に特化した「認知症患者リハビリテーション」の提供が可能です。
認知症患者リハビリテーションは、認知症の行動・心理症状の改善および認知機能や社会生活機能の回復を目的として、作業療法、学習訓練療法、運動療法などを組み合わせて行われます。
認知症患者リハビリテーションは、
- 認知症治療病棟入院料の病棟
- 認知症疾患医療センター
に入院している患者にしか提供されないものです。
なお、「認知症患者リハビリテーション」以外にも、「精神科作業療法」や「入院精神療法」という治療も行われるため、認知症の症状を緩和する効果が期待できます。
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病院は24時間、医師が勤務(常駐)している
診療所と違って、病院の場合、医師が24時間365日勤務していますので、緊急時などの場合、時間外などでも相談することができます。
また、入院中に関しても、患者になにかあってもすぐに対応できるので安心です。
身体疾患も、ある程度は診れますし。
本人(認知症)の抵抗が強く、なかなか受診ができないときは?
受診を拒否しているケースなどで、
「どうやって、病院に連れていったらいいの?」
ってこともあるかと思います。
そんなときは、国が推進している事業である「認知症初期集中支援チーム」に支援を依頼しましょう。
認知症初期集中支援チームに依頼すれば、
- 医療機関への受診
- 介護サービスの調整
- 家族のケア(関わり方)の支援
をしてくれます。(もちろん、無料です)
依頼は、あなたが住んでいる地域の「地域包括支援センター」へ相談してみてください。
地域包括支援センターが、認知症初期集中支援チームの支援対象者になるか判断し、調整してくれますので。
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認知症初期集中支援チームについて、詳しくは、こちらの記事を。
地域包括支援センターについては、こちらの記事を。
まとめ
「認知症 = 精神科病院」ってイメージはあまりないかもしれませんが、実際は、精神科病院にとって、認知症治療は専門分野なんですよね。
もちろん、病院によって、多少の違いはあると思いますが、国が定める制度としてはそうなんです。
なので、「精神科」というと、ちょっと受診のハードルが高く感じるかもしれませんが、認知症の早期診断・早期治療という意味でも、受診を検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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