現在の労働市場は、
「転職といえば、人材紹介サービス(エージェントサービス)」
と言っても過言ではないぐらい、人材紹介サービスを使っての転職が多いです。
特に、僕が仕事をしている「医療・介護業界」の「4大採用困難職種(勝手に命名)」である
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 介護職員
については、90%以上が人材紹介サービスによる採用です。
人材紹介サービスは、仕事を探す人(求職者)からすれば、デメリットの全くないサービスで、
- あなたの希望条件に合わせた職場探し
- 給与等の条件交渉
- 面接日程の調整
など、すべてを代行してくれます。
そして、「もちろん、費用は1円もいただきません!!」というこの上ない条件で。
なので、利用者が増えていくのも頷けます。
でも、人材を採用する側(求人者)にとっては、「人材紹介サービス」の利用を手放しで喜べる状況ではありません。
理由としては、「紹介料が高額になることが多い」からです。
よって、「本当は採用したいんだけど、紹介料がかかるから不採用だな~」ってことがあたりまえに起こります。
そこで今回、組織の人事(採用)担当者という立場から、転職するときには「人材紹介サービス(エージェントサービス)」を
- 使ってほしいのか?
- それとも、使わないでほしいのか?
について本音をぶちまけておきます。
わかりやすく言うと、「人材紹介サービスを使うと、転職(就職)に不利なのか?」ってことです。
転職を考えている人の参考になれば嬉しく思います。
なお、普通に考えれば、「人材紹介サービスは、使って欲しくない」となりそうですが、それがそうでもないんですよね~
転職するなら「人材紹介サービス(エージェントサービス)」を使おう
いきなりですが、結論からいっちゃいます。
「組織の人事担当者の立場からみても、人材紹介サービスを積極的に使ってほしい!」
採用時の紹介料が高額になることをふまえても、求職者さんには、人材紹介サービスを利用してほしいと僕は考えています。
それでは、理由について紹介していきます。
人事担当者からみる「人材紹介サービス」の3つのメリット
採用が決まるまで1円もかからない
人材紹介サービスは、人材を採用する側(求人者)にとっても、すっごく便利なサービスです。
理由としては、
- 求人依頼だけすれば、どんどん求職者を紹介してくれる
- 採用が決まるまでは1円もかからない
- うちの希望に合わせて、人材(求職者)をマッチングしてくれる
って感じです。
「新聞の折込広告」や「一般的な求人サイト」では、求人広告を掲載するだけで「30~40万円」かかるうえ、求人掲載期間に制限があります。
なので、1年中、求人活動を行う「超人手不足の業界」にはかなり不向きです。
でも、人材紹介サービスであれば、採用するまで1円もかからないので、1年を通して、ずーーーと求人活動を行えます。
そして、希望の条件にあった求職者だけを採用すればいいんです。
つまり、「人材紹介サービス」って、人手不足の業界にとって、すっごく優しいサービスなんです。
病院や施設を知ってもらうチャンス
求職者に、人材紹介サービスを使ってもらうことで、うちの病院(施設)を知ってもらう機会が増えます。
なぜなら、うちの病院のことをぜんぜん知らなかったとしても、希望条件がマッチングすれば、人材紹介会社さんが、うちを「オススメ」してくれるからです。
また、見学や面接の希望をもらえれば、うちの病院(施設)のことを詳しく紹介することもできます。
なので、たとえ今回、縁がなかったとしても、うちの病院を知ってもらえただけで意味があるんです。
もしかすると、数年後にうちの病院を思い出してもらえるかもしれませんし。
結果、
「人材紹介サービスを使っていなければ、うちの病院や施設を知ってもらうことすらなかった」
と思うと、積極的に利用してほしいな~って思います。
働きやすさ(職場環境)を向上させることで紹介数が増える
人材紹介会社さんには、求人者と求職者をマッチングする関係上、「紹介責任」が伴います。
つまり、どういうことかと言うと、
- 求職者に、できるだけ「いい病院」を紹介したい
- 求人者に、できるだけ「いい人材」を紹介したい
という「気持ち」と「責任」があるってことです。
逆に言えば、「いい病院」や「いい人材」が紹介できなければ、その人材紹介サービスは利用されなくなります。
なので、人材紹介会社さんからすれば、できるだけ求職者さんの希望条件にあった「働きやすい病院」を紹介したいはずなんです。
だとすれば、「人材紹介会社さんが紹介したいと思う病院(職場)」をつくれば、どんどん求職者に紹介してもらえるってことになります。
結果、
- 「働きやすさ(職場環境)」を向上させていく求人者(採用側)
- 「働きやすい職場」であることを発信してくれる人材紹介会社
は、人的課題を解消するためのパートナーなんです。
当然、求人者からすれば、パートナー(人材紹介会社)のサービスを使ってほしいと思うのが普通ですよね。
人材紹介サービス(エージェントサービス)を利用してないでほしい人
唯一、次の人だけは「人材紹介サービス」を利用しないでほしいです。
「働きたい職場(病院や施設など)」が決まっている人
こういう人は、わざわざ人材紹介サービスを利用すると、電話対応や面談などですっごく時間が取られます。
「ここの病院に応募したい」という明確な意思があるなら、直接、その病院へ電話しちゃったほうが早いです。
紹介料もかからないので、採用ハードルも下がりますし。
人材紹介サービスの紹介料は「年収の20~30%」
人材紹介サービスの紹介料は、
- 職種
- 役職
- 勤務形態(常勤・非常勤)
などで変わりますが、一般的に「年収の20~30%」のところが多いです。
なので、採用選考は超慎重です。
強烈な紹介料を払ってるのに、入職して数ヶ月で辞められちゃっても困るんで・・・
ちなみに、ざっくりですが、常勤1人の採用につき、
- 医師 300~500万円
- 看護師 70~100万円
- 薬剤師 100~130万円
- 介護職員 70~90万円
ぐらいの紹介料がかかります。
まとめ
ここで、転職するときに「人材紹介サービス(エージェントサービス)」を
- 使ったほうがいい人
- 使わないほうがいい人
についておさらいしておきます。
「働きたい病院(施設))」が決まっている人以外は、全員、人材紹介サービスを使おう!!
ぜひ、人材紹介サービスを利用し、色々な病院(施設)を知ってください。
そして、見学(面接)に足を運んでみてください。
組織の人事(採用)担当者からすれば、それだけで嬉しいものですので。
ちなみに、転職の際には、必ず、再就職手当の受給を検討しましょう。
再就職手当は、ハローワークから支給される手当で、
- 2~3ヶ月も休むつもりがない
- すぐに次の職場を探す予定
- ハローワークで仕事を探す気がない(人材紹介サービスを使うなど)
という人でも、支給を受けられる場合があります。
また、再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってます。
もらわないのはもったいないです。
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