この記事では、看護師・准看護師における
- 役割と仕事内容
- 給料(年収)
- 就職(転職)の有利さ
の違いについて紹介しています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 看護師と准看護師って、何が違うの?
- 看護師(准看護師)になりたいと思っている
- 看護職の給料ってどのくらい?
看護師と准看護師の役割と仕事内容の違い
看護師と准看護師の役割は、法律ではっきりと分けられています。(定義されている)
保健師助産師看護師法
第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
第六条 この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
出典:電子政府の総合窓口「eーGov」
黄色のマーカーで示した「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」というのがポイントです。
わかりやすく言うと、准看護師とは、看護師と違い、医師や看護師の指示により、療養上の世話又は診療の補助を行う人ってことです。
逆に言えば、准看護師は、医師や看護師の指示がなければ、療養上の世話又は診療の補助を行うことができないってことになります。
ただ、実際の仕事内容(実務)については、明確に分けられてない病院が多いようです。
看護師と准看護師の給料(年収)の違い
経験年数別の給料(年収)と、2013年から2019年までの給料(年収)の推移を比較してみます。
男女別・経験年数別の基本給(所定内賃金)と年間賞与【2019年】
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当などの各種手当は含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。
男性の場合(単位:円)
経験年数 | 看護師 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 279,800 | 752,200 | 4,109,800 |
5~9年 | 307,600 | 861,600 | 4,552,800 |
10~14年 | 333,200 | 1,065,300 | 5,063,700 |
15年以上 | 344,100 | 993,200 | 5,122,400 |
経験年数 | 准看護師 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 249,300 | 531,700 | 3,523,300 |
5~9年 | 251,900 | 614,500 | 3,637,300 |
10~14年 | 256,900 | 788,100 | 3,870,900 |
15年以上 | 299,200 | 797,900 | 4,388,300 |
女性の場合(単位:円)
経験年数 | 看護師 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 276,300 | 724,100 | 4,039,700 |
5~9年 | 295,900 | 810,000 | 4,360,800 |
10~14年 | 304,300 | 845,400 | 4,497,000 |
15年以上 | 323,200 | 952,300 | 4,830,700 |
経験年数 | 准看護師 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 233,300 | 579,500 | 3,379,100 |
5~9年 | 242,000 | 559,600 | 3,463,600 |
10~14年 | 246,500 | 568,100 | 3,526,100 |
15年以上 | 270,300 | 684,000 | 3,927,600 |
わかりやすくグラフにしてみます。
まず、男性から。
次に女性です。
所定内賃金・賞与ともに、大きな違いがあり、看護師の方が圧倒的に給料が高いです。
しかも、経験年数に比例し、給与差額が広がっています。
給与額の年間推移【2013~2019年】
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当などの各種手当は含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。
看護師(単位:円)
年 | 平均年齢 | 所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 |
2013年 | 38.0 | 291,300 | 782,700 | 4,278,300 |
2014年 | 38.9 | 295,600 | 781,800 | 4,329,000 |
2015年 | 38.2 | 295,700 | 832,700 | 4,381,100 |
2016年 | 39.0 | 299,300 | 826,900 | 4,418,500 |
2017年 | 39.3 | 299,600 | 799,900 | 4,395,100 |
2018年 | 39.3 | 298,300 | 816,500 | 4,396,100 |
2019年 | 39.5 | 302,400 | 816,300 | 4,445,100 |
准看護師(単位:円)
年 | 平均年齢 | 所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 |
2013年 | 46.7 | 252,000 | 642,800 | 3,666,800 |
2014年 | 47.2 | 259,600 | 653,200 | 3,768,400 |
2015年 | 48.3 | 253,300 | 638,500 | 3,678,100 |
2016年 | 47.8 | 259,800 | 646,400 | 3,764,000 |
2017年 | 49.0 | 263,300 | 657,200 | 3,816,800 |
2018年 | 49.2 | 258,300 | 657,700 | 3,757,300 |
2019年 | 50.2 | 261,900 | 641,600 | 3,784,400 |
こちらもグラフにしてみます。
まず、年齢層です。
次に、年収です。
看護師と准看護師を比較してみると、
- 准看護師の方が平均年齢が、10歳高い
- 看護師の方が、基本給(所定内賃金)が、約4万円高い
- 看護師の方が、年収が約66万円高い
となっています。
これらのことから、
「看護師と准看護師で、給料による差別化が、はっきりとされている」
ってことが言えますね。
看護師・准看護師の都道府県(地域)別平均給料【令和元年(2019年)】
参考までに、「地域によって、給料額に差があるのか?」について紹介しておきます。
都道府県 | 平均年収 | |
看護師 | 准看護師 | |
北海道 | 4,991,800 | 4,201,400 |
青森 | 4,184,700 | 3,753,000 |
岩手 | 4,755,900 | 3,853,300 |
宮城 | 4,419,700 | 3,950,000 |
秋田 | 4,665,200 | 3,553,100 |
山形 | 4,419,400 | 4,165,400 |
福島 | 4,174,400 | 3,711,600 |
茨城 | 5,088,900 | 4,561,100 |
栃木 | 5,209,400 | 4,649,500 |
群馬 | 4,663,500 | 3,734,600 |
埼玉 | 4,902,500 | 4,335,900 |
千葉 | 5,220,200 | 4,543,100 |
東京 | 5,098,400 | 4,578,900 |
神奈川 | 5,172,400 | 4,589,200 |
新潟 | 4,734,200 | 4,423,500 |
富山 | 4,637,800 | 4,220,000 |
石川 | 4,681,200 | 4,418,600 |
福井 | 4,963,600 | 4,379,900 |
山梨 | 4,497,300 | 4,660,900 |
長野 | 4,655,800 | 3,959,000 |
岐阜 | 5,434,400 | 4,531,500 |
静岡 | 5,193,200 | 4,572,300 |
愛知 | 4,941,400 | 4,127,800 |
三重 | 4,954,300 | 4,735,800 |
滋賀 | 5,365,900 | 4,721,300 |
京都 | 4,892,000 | 4,382,000 |
大阪 | 4,895,900 | 4,272,400 |
兵庫 | 4,948,500 | 4,340,000 |
奈良 | 5,111,700 | 4,304,100 |
和歌山 | 5,139,900 | 4,573,800 |
鳥取 | 4,933,800 | 3,838,800 |
島根 | 4,474,800 | 3,682,000 |
岡山 | 4,625,300 | 4,056,900 |
広島 | 4,562,500 | 4,251,800 |
山口 | 4,425,900 | 3,488,400 |
徳島 | 4,840,000 | 3,844,000 |
香川 | 4,752,000 | 3,804,300 |
愛媛 | 4,486,400 | 3,880,500 |
高知 | 4,375,300 | 3,562,300 |
福岡 | 4,607,700 | 3,709,100 |
佐賀 | 4,733,000 | 3,664,500 |
長崎 | 4,523,500 | 3,290,700 |
熊本 | 4,303,600 | 3,310,400 |
大分 | 4,166,900 | 3,518,600 |
宮崎 | 3,915,300 | 3,096,200 |
鹿児島 | 4,172,000 | 3,473,300 |
沖縄 | 4,557,200 | 3,831,500 |
わかりやすくグラフにすると、こんな感じです。
都道府県によって、看護師・准看護師で、給料差がぜんぜん違いますね。
ちなみに、山梨県だけは、准看護師の方が平均年収が高くなっています。
不思議ですね・・・(笑)
看護師と准看護師で、就職(転職)の有利さは変わるのか?
就職・転職に関しては、圧倒的に「看護師」が有利です!!
なぜなら、入院機能を持つ病院では、看護師の職員数(配置人数)により、診療報酬といわれる収入が増えるからです。
よって、病院は、准看護師よりも、看護師の採用をしたいと考えています。
実際、人材紹介サービスの担当者さんに聞いても、
「准看護師を募集している病院は少ない」
と言います。(看護師と比較して)
ちなみに、「将来は、看護部長や看護師長になりたい!」って人は、看護師資格を必ず取得しておきましょう。
准看護師で、管理職になれる人はほとんどいませんので。
まとめ
ここで、「看護師」と「准看護師」の違いについてまとめておきます。
- 准看護師は、医師や看護師の指示がなければ、療養上の世話又は診療の補助を行うことができない
- 給料(年収)は、平均50~70万円違う
- 就職・転職は、圧倒的に「看護師」が有利
こうやって比較しちゃうと、「看護師」しか選択肢がないですよね・・・
ただ、看護師になるためには、准看護師よりも多くを学ぶ必要があるため、通学期間も長く、学費も高額になります。
僕としては、時間的・経済的余裕があるなら、「看護師」をゴリ押ししますが、そうもいかない人もいると思います。
そういう場合は、病院の奨学金制度の利用を検討してみてください。
学費0円で、看護師資格が取れるので、オススメですよ。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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