保険医が、勤務先(医療機関)を変更した場合、厚生局への届出を行わなければなりません。
その際、
- 管轄する厚生局に変更があるのか?
- 都道府県に変更があるのか?
によって、手続きが変わっていましたが、令和3年2月10日から、「都道府県に変更がある場合」の手続きが不要となりました。
こんな感じです。
出典:関東信越厚生局「住所や勤務先の所在地が変更したときの手続きが変わります。」
そこで、この記事では、
- 保険医が、勤務先を変えたとき、何の手続きをすればいいのか?
- 保険医を採用したときの手続きは、どう変わったのか?
について、まとめておきます。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 転職を考えている(医師)
- 病院で行政手続きを担当している
保険医手続きは、「管轄する厚生局に変更があるのか?」の確認が必須
まず、結論です。
- 管轄する厚生局に変更なし:「保険医療機関届出事項(異動)届」のみ
- 管轄する厚生局に変更あり:「保険医管轄地方厚生(支)局長変更届」と「保険医療機関届出事項(異動)届」
- 同じ厚生局管轄内での勤務先変更の場合は、保険医登録票はそのまま使用する
- 保険医および開設者の押印は不要
それでは、1つずつ説明していきます。
管轄する厚生局に変更なし:「保険医療機関届出事項(異動)届」のみ
厚生局の管轄する都道府県は、次のようになっています。
各厚生局が管轄する都道府県内における勤務先の変更については、「保険医療機関届出事項(異動)届」の提出をすればOKです。
こんな様式です。(赤く囲った部分が、記入箇所です。)
ちなみに、保険医登録票とは、こんなものです。
また、提出時期は、「指定の申請事項に変更が生じたとき」となっているため、変更後、速やかに提出するようにしましょう。
管轄する厚生局に変更あり:「保険医管轄地方厚生(支)局長変更届」と「保険医療機関届出事項(異動)届」
各厚生局が管轄する都道府県を超えて、勤務先の変更がある場合は、
- 保険医管轄地方厚生(支)局長変更届
- 保険医療機関届出事項(異動)届
の2つの届出が必要になります。
届出の手順としては、
まず「保険医管轄地方厚生(支)局長変更届」に「保険医登録票(原本)」を添付し、変更前の勤務先を管轄する厚生局に提出します。
すると、変更後の勤務先を管轄する厚生局から、新たな「保険医登録票」が届きます。
新たな「保険医登録票」の写しを添付し、「保険医療機関届出事項(異動)届」を変更後の勤務先を管轄する厚生局へ提出します。
【保険医管轄地方厚生(支)局長変更届 記入例】
出典:関東信越厚生局「保険医管轄地方厚生(支)局長変更届」
提出期限は、どちらの届出書も「変更後速やかに」となっています。
同じ厚生局管轄内での勤務先変更の場合は、保険医登録票はそのまま使用する
令和3年2月9日以前は、各厚生局が管轄する都道府県内での勤務先の変更であっても、都道府県を超える場合は、「保険医 管轄地方厚生(支)局内の管轄事務所等変更届」という手続きが必要でした。
こんな書類です。
この手続きを行うと、「登録の記号及び番号」が変更された、新たな「保険医登録票」が届きました。
でも、令和3年2月10日より、この手続きは不要となりましたので、各厚生局が管轄する都道府県内での勤務先の変更の場合は、「登録の記号及び番号」の変更は行われず、そのまま使用することとになります。
根拠としては、次のとおりです。(青で囲った部分です)
出典:関東信越厚生局「住所や勤務先の所在地が変更したときの手続きが変わります。」
保険医および開設者の押印は不要
- 保険医管轄地方厚生(支)局長変更届
- 保険医療機関届出事項(異動)届
は、従来、保険医および開設者の押印が必須となっていましたが、現在は、押印不要となっています。
様式には、㊞の表示がありますが、押印しなくて、OKみたいです。
もちろん、うちは、押印なしで提出しました。
まとめ
ここで、「令和3年2月10日以降の保険医の異動手続き」についてまとめておきます。
- 管轄する厚生局に変更がなければ、「保険医療機関届出事項(異動)届」の提出のみでOK
- 管轄する厚生局に変更がある場合は、「保険医管轄地方厚生(支)局長変更届」と「保険医療機関届出事項(異動)届」の提出を行う
- 保険医登録票は、管轄する厚生局に変更がなければ、そのまま使用する
- 届出書類の保険医および開設者の押印は不要
押印が不要なった件とかも含め、行政手続きがどんどん簡略化されて、医療機関の担当者としてはかなり嬉しいです。
この流れは、ますますだと思うので、情報をチェックしつつ、作業効率を上げていきたいですね。
ちなみに、
- 基本診療料の施設基準に係る届出書
- 特掲診療料の施設基準に係る届出書
も、開設者の押印が不要になっていますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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