この記事では、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナという)の影響で、やむなく仕事を辞めなければならなかった場合の
- 基本手当(いわゆる、失業保険)
- 再就職手当
の受給額を自動計算する「エクセルファイル」を紹介しています。
こんな人に使ってもらえると嬉しいです。
- コロナの影響で、仕事が続けられない
- コロナの影響で、職場の倒産や解雇等があった
- 組織(会社等)で、社会保険手続きを担当している人
基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表【コロナ特例適用】
こんな感じの表になっています。
使い方は、すっごく簡単で「黄色のセル」に
- 離職時の年齢
- 離職前6ヶ月間の月額平均給与
- 雇用保険加入期間(被保険者期間)
- 支給残日数(再就職手当額を計算する場合)
を入力(選択)するだけです。
エクセルファイルのダウンロード(無料)
令和2年8月1日現在の制度(法令)にて作成しています。
「基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表【コロナ特例適用】」ダウンロード
⇒covid19situgyoukyuufukeisan20200801
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基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表【コロナ特例適用】の使い方
使い方は、ほんと簡単で、次の4つの項目(黄色のセル部分)を入力(選択)するだけです。
その他の項目(セル)は、すべて自動計算してくれます。
-
離職時の年齢
-
離職前6ヶ月間の月額平均給与
-
雇用保険加入期間(被保険者期間)
-
支給残日数(再就職手当額を計算する場合)
基本手当(いわゆる、失業保険)を計算するときの注意点
基本手当の金額を計算したい場合は、「1.条件」の3つの項目を入力(選択)します。
「離職時の年齢」と「雇用保険加入期間(被保険者期間)」は、プルダウン式にしてありますので、次のように選択します。
【離職時の年齢】
【雇用保険加入期間(被保険者期間)】
雇用保険に加入していない期間を除き、原則は、退職した職場(会社等)で働いていた期間を選択します。
ただし、転職等で雇用保険の被保険者であった期間に空白がある場合で、その空白期間が1年以内の場合には、前後の被保険者であった期間を通算することができます。
「離職前6ヶ月間の月額平均給与」は、退職前6ヶ月間の給与額(総支給額)を6で割った数字を直接入力してください。(プルダウンではありません)
月額給与にほぼ変動がない場合は「直近の月額給与」でいいと思います。
給与額に、賞与や退職金は含みませんので注意してください。
再就職手当を計算するときの注意点
再就職手当の金額を計算したい場合は、「4.再就職手当の額」の支給残日数を入力します。
就職日を基準とし、残りの給付日数(支給残日数)を直接入力してください。
基本手当(失業保険)および再就職手当等算出の見方
次の条件で試算すると、
- 離職時の年齢:30~34歳
- 離職前6ヶ月間の月額平均給与:300,000円
- 雇用保険加入期間(被保険者期間):5年以上10年未満
- 退職理由:コロナによる離職
- 支給残日数:200日
結果はこうなります。
【自動計算結果】
この結果をもとに、各項目について説明していきます。
賃金日額
離職前6ヶ月間の給与合計額を、180で割った金額です。
月額平均給与を「30万円」で設定してますので、賃金日額は、10,000円となります。
基本手当日額
賃金日額の約45~80%の範囲で設定されます。
計算方法は、次のとおりです。
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります」
離職時の年齢「30~34歳」で、賃金日額「10,000円」ですから、給付率80~50%の範囲に該当します。
結果、基本手当日額は「5,974円」となっています。
所定給付日数
あなたが、基本手当(失業保険)をもらえる最大日数です。
所定給付日数は、
- 離職時の年齢
- 雇用保険加入期間(被保険者期間)
の2つの条件により決定されます。
一覧表にするとこんな感じです。
【コロナ離職による特定受給資格者・特定理由離職者(雇止めの場合)】
雇用保険の被保険者であった期間 | |||||
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | |
29歳以下 | 150日 | 150日 | 180日 | 240日 | ー |
30~34歳 | 180日 | 240日 | 270日 | 300日 | |
35~44歳 | 210日 | 300日 | 300日 | ||
45~59歳 | 240日 | 300日 | 330日 | 360日 | |
60~64歳 | 210日 | 240日 | 270日 | 300日 |
離職時の年齢「30~34歳」で、雇用保険加入期間を「5年以上10年未満」として試算していますので、所定給付日数は「240日」となります。
失業保険支給合計額
所定給付日数分、失業保険をもらった場合の金額です。
今回の試算では、給付日数240日間で「1,433,760円」が給付されます。
特定受給資格者や特定理由離職者になる人は、給付制限が適用されないので、所定給付日数分を受給する人は少ないと思いますが・・・
再就職手当に係る基本手当日額
再就職手当は、基本手当(失業保険)の所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して、再就職した場合に支給される手当です。
「再就職手当に係る基本手当日額」は、再就職手当の金額を計算するときの1日あたりの金額となります。
なお、「再就職手当に係る基本手当日額」は、「基本手当(失業保険)の基本手当日額」とは別に上限額が設定されています。
【再就職手当に係る基本手当日額の上限額】
- 離職時の年齢が60歳未満の場合 6,195円
- 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合 5,013円
なので、基本手当(失業保険)の基本手当日額と、再就職手当に係る基本手当日額は、違いが生じる場合があります。
今回の試算については、基本手当日額が「6,195円」を超えてないため、基本手当(失業保険)の基本手当日額の「5,974円」が、そのまま「再就職手当に係る基本手当日額」となります。
支給率
再就職手当は、次のとおり、支給残日数によって、支給率が変わってきます。
- 所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合は、支給率60%
- 所定給付日数の3分の2以上を残して就職した場合は、支給率70%
今回の試算では、「200日(支給算日数)/240日(所定給付日数)」のため、支給率は70%となっています。
なお、再就職手当が支給される「支給残日数」は次のとおりです。
出典:ハローワーク「雇用保険の失業等給付受給者のしおり」
再就職手当の額
支給残日数分の再就職手当の合計額です。
今回の試算では、
基本手当日額「5,954円」× 給付算日数「200日」× 70% = 836,360円
となります。
まとめ
コロナにより離職の場合、
- 所定給付日数が60日間(一部30日)延長される
- 自己都合退職であっても、給付制限が適用されない
などの特例が適用されます。
この特例により、受給金額がかなり大きくなります。
なので、「もしかして対象になるかも!?」という人は、必ずハローワークの手続きを行いましょう。
そのときの参考に、この「エクセルファイル」を使っていただけると嬉しく思います。
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こちらの記事で、「コロナの影響で失業(離職)した場合の失業保険の取扱い」について、詳しく説明しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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