失業保険・再就職手当・就業促進定着手当を自動計算【エクセル】

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この記事では、雇用保険における

  • 基本手当(いわゆる、失業保険)
  • 再就職手当
  • 就業促進定着手当

の受給額を自動計算する「エクセルファイル(無料)」を紹介しています。

 

こんな人に使ってもらえると嬉しいです。

  • 退職(転職)を考えている人
  • 「失業保険の給付日数が残ってるから、早く就職しちゃうと損かな?」と思っている人
  • 組織(会社等)で、社会保険手続きを担当している人
この記事で紹介している「エクセルファイル」は、仕事の効率化と職員さんへの案内用に、つくったものです。

基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表【概算】

こんな感じの表です。

なお、入力(選択)箇所は「黄色のセル部分」だけで、すっごく簡単です。

 

失業保険、再就職手当、就業促進定着手当算出表 20111128

エクセルファイルのダウンロード(無料)

令和4年11月28日現在の制度(法令)にて作成しています。

「基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表」ダウンロード

situgyoukyuufukeisan20221128

動作確認は、徹底したつもりですが、利用については各自の責任でお願いします。

基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表の使い方

使い方は、すっごく簡単です。

次の5つの項目(黄色のセル部分)を入力(選択)するだけです。

その他の項目(セル)は、すべて自動計算してくれます。

  • 離職時の年齢
  • 離職前6ヶ月間の月額平均給与
  • 雇用保険加入期間(被保険者期間)
  • 退職理由
  • 支給残日数
  • 再就職後6ヶ月間の月額平均給与
  • 再就職日(入職日)
支給残日数は、再就職手当を、再就職後6ヶ月間の月額平均給与と再就職日(入職日)は、就業促進定着手当を計算する場合に入力します。

 

それでは、1つずつ入力(選択)項目の説明をしてきます。

離職時の年齢

失業保険・再就職手当算出表(条件入力)1

退職日(離職日)の年齢を次の5つから選択します。

  • 29歳以下
  • 30~34歳
  • 35~44歳
  • 45~59歳
  • 60~64歳

 

なお、入力は、リストから選択する「プルダウン」にしてあります。

こんな感じです。

プルダウンの説明(エクセル)

離職前6ヶ月間の月額平均給与

失業保険・再就職手当算出表(条件入力)2

退職前6ヶ月間の給与額(総支給額)を6で割った数字を入れます。

入力は、数字を直接入力してください。(プルダウンではありません)

 

ちなみに、月額給与にほぼ変動がない場合は「直近の月額給与」でいいと思います。

給与額に、賞与や退職金は含みません。

雇用保険加入期間(被保険者期間)

失業保険・再就職手当算出表(条件入力)3

退職した職場(会社等)で働いていた期間です。

次の中から、「プルダウン」で選択できます。

  • 1年未満
  • 1年以上5年未満
  • 5年以上10年未満
  • 10年以上20年未満
  • 20年以上
雇用保険に加入していない期間を除きます。

 

なお、転職等で雇用保険の被保険者であった期間に空白がある場合で、その空白期間が1年以内の場合には、前後の被保険者であった期間を通算することができます。

ただし、基本手当(失業保険)や再就職手当をもらっていないことが、被保険者期間を通算する条件となります。

退職理由

失業保険・再就職手当算出表(条件入力)4

次の2つの中から、退職理由を選択(プルダウン)します。

  • 自己都合による退職(一身上の都合など)
  • 会社都合等による退職(倒産、解雇等など)

 

なお、「障害者等の就職困難者」については、このファイルでは計算できません。

支給残日数

再就職手当の額20220801

「再就職手当」の金額を求める場合に使用します。

就職日を基準とし、残りの給付日数(支給残日数)を直接入力してください。

「自己都合等による退職」で、給付制限期間中に就職した場合は、所定給付日数がそのまま支給残日数となります。

再就職後6ヶ月間の月額平均給与

就業促進定着手当の額 再就職後6ヶ月間の月額平均給与の欄

「就業促進定着手当」の金額を求める場合に使用します。

再就職後6ヶ月間の給与額(総支給額)を6で割った数字を入れます。

入力は、数字を直接入力してください。(プルダウンではありません)

 

ちなみに、月額給与にほぼ変動がない場合は「直近の月額給与」でいいと思います。

給与額に、賞与や退職金は含みません。

再就職日(入職日)

就業促進定着手当の額 再就職日(入職日)の欄

「就業促進定着手当」の金額を求める場合に使用します。

再就職先の入職日を入力します。

基本手当(失業保険)および再就職手当等算出の見方

次の条件で試算すると、

  • 離職時の年齢:30~34歳
  • 離職前6ヶ月間の月額平均給与:300,000円
  • 雇用保険加入期間(被保険者期間):5年以上10年未満
  • 退職理由:自己都合による退職
  • 支給残日数:80日
  • 再就職後6ヶ月間の月額給与額:280,000円
  • 再就職日(入職日):2022年8月1日

結果はこうなります。

 

【自動計算結果】

失業保険、再就職手当、就業促進定着手当の計算結果 20221128

この結果をもとに、各項目について説明していきます。

賃金日額

離職前6ヶ月間の給与合計額を、180で割った金額です。

月額平均給与を「30万円」で設定してますので、賃金日額は、10,000円となります。

基本手当日額

賃金日額の約45~80%の範囲で設定されます。

こんな感じです。

基本手当日額の計算方法20220801

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和4年8月1日から)」

 

離職時の年齢「30~34歳」で、賃金日額「10,000円」ですから、給付率80~50%の範囲に該当します。

結果、基本手当日額は「5,971円」となっています。

所定給付日数

あなたが、基本手当(失業保険)をもらえる最大日数です。

所定給付日数は、

  • 離職時の年齢
  • 雇用保険加入期間(被保険者期間)
  • 退職理由

の3つの条件により決定されます。

 

一覧表にするとこんな感じです。

自己都合による退職(一身上の都合など)

 雇用保険の被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢90日90日120日150日

会社都合等による退職(倒産、解雇等など)

 雇用保険の被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
29歳以下90日90日120日180日
30~34歳120日180日210日240日
35~44歳150日240日270日
45~59歳180日240日270日330日
60~64歳150日180日210日240日

 

「自己都合による退職」で、雇用保険加入期間を「5年以上10年未満」として試算していますので、所定給付日数は「90日」となります。

失業保険支給合計額

所定給付日数分、失業保険をもらった場合の金額です。

今回の試算では、給付日数90日間で「537,390円」が給付されます。

再就職手当に係る基本手当日額

再就職手当は、基本手当(失業保険)の所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して、再就職した場合に支給される手当です。

そして、「再就職手当に係る基本手当日額」とは、その再就職手当の金額を計算するときの1日あたりの金額となります。

 

「再就職手当に係る基本手当日額」は、原則は、「基本手当(失業保険)の基本手当日額」と同じですが、上限額が別々に設定されています。

【再就職手当に係る基本手当日額の上限額】

  • 離職時の年齢が60歳未満の場合 6,190円
  • 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合 5,004円

 

そういった理由から、「基本手当(失業保険)の基本手当日額」と「再就職手当に係る基本手当日額」は違いが生じる場合があります。

 

今回の試算については、基本手当日額が「6,190円」を超えてないため、基本手当(失業保険)の基本手当日額の「5,971円」が、そのまま「再就職手当に係る基本手当日額」となります。

 

なお、「再就職手当」には、いくつかの支給要件があります。

詳しくは、こちらの記事を。

再就職手当の支給額の計算方法と申請手続き【8つの要件を説明】
退職した人がハローワークで雇用保険(失業保険)の手続きを行い、再就職したとき、再就職手当が支給されます。 ただ、ハローワークの手続きを行えば、必ず支給されるというわけではありません。 再就職手当をもらうには、8つの要件を満たす必要がありま...

支給率

再就職手当は、支給残日数によって、支給率が変わってきます。

  • 所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合は、支給率60%
  • 所定給付日数の3分の2以上を残して就職した場合は、支給率70%
支給残日数が、3分の1未満の場合は再就職手当は支給されません。

 

今回の試算では、「80日(支給残日数)/90日(所定給付日数)」のため、支給率は70%となっています。

なお、再就職手当が支給される「支給残日数」は次のとおりです。

(ハローワーク「雇用保険の失業等給付受給者のしおり」からの引用です)

再就職手当の支給残日数等一覧

再就職手当の額

支給残日数分の再就職手当の合計額です。

今回の試算では、

基本手当日額「5,971円」× 支給残日数「80日」× 70% = 334,376円

となります。

前職と再就職先の賃金日額の差額

転職前後の1日分の賃金の差額です。

今回の試算では、

前職の賃金日額「10,000円」- 再就職後6ヶ月間の賃金日額「9,333円」= 667円

となります。

就業促進定着手当の上限額

就業促進定着手当には、支給上限額があります。

今回の試算では、

基本手当日額「5,971円」× 支給残日数「80日」× 30% = 143,304円

となります。

就業促進定着手当の額

就業促進定着手当の支給額です。

就業促進定着手当の支給額は、次の式で計算されます。

 

就業促進定着手当の支給額 =

(離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の賃金日額)× 再就職後6ヶ月間の賃金支払基礎日数

 

今回の試算では、

(10,000円-9,333円)× 184日 = 122,728円

となります。

この記事で紹介している「基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表」は、常勤として再就職したときの支給額しか計算できません。パートやアルバイトとして再就職した場合は、「前職と再就職先の賃金日額の差額」に「再就職後6ヶ月間の賃金支払基礎日数」を掛けて支給額を算出してください。

 

【関連記事】

就業促進定着手当の支給要件について、詳しく説明しています。

就業促進定着手当の支給額と要件【転職して給料が下がったら】
転職するとき、 「今の給料より多くもらいたい(給料アップを希望)」 って思いますよね? もちろん、僕もそうです。 でも、自分のやりたい仕事や労働時間など、色々な条件を総合的に判断したとき、転職で給料が下がってしまうことってありますよね...

エクセルシートの説明

「基本手当(失業保険)および再就職手当等算出表」のエクセルファイルには、2つのシートがありますが、使用するのは「雇用保険基本手当日額等算出」というシートだけです。

 

エクセルシートの説明20220801

 

なお、「計算シート」は、使用しないでください。

まとめ

退職を考えるとき、事前に「失業保険の給付期間や給付額」がわかっていると、転職活動の不安を軽減できます。

転職活動に使える期間の目安にもなりますし。

 

ぜひ、退職(転職)を考えている人は、失業保険がどのくらい支給されるかチェックしてみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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