医師(勤務医)の平均年収とは?【年齢・経験年数・事業規模・診療科・地域別】

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この記事では、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」「医療経済実態調査」および独立行政法人労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」結果をもとに、

  • 医師の平均給与(年齢・経験年数・事業規模・男女・開設者・診療科・都道府県別)
  • 医師の平均的な働き方(勤続年数・労働時間・残業時間など)
  • 他職種との給与比較

についてまとめています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 医師(勤務医)の給与ってどのくらい?
  • 転職するときの給与の目安を知りたい
  • 現在、貰っている給与は、「高いのか?低いのか?」知りたい
この記事で紹介している一覧表は、「賃金構造基本統計調査」・「医療経済実態調査」・「勤務医の就労実態と意識に関する調査」をもとに作成したものです。
また、この記事でいう「医師」とは勤務医のことです。

医師(40歳)の平均年収は「1,169万円」

まずは、この記事の概要です。

  • 40.7歳、勤続5.2年の医師の平均年収は「11,692,300円(宿直・残業手当等を含む)」
  • 医師の平均年収は、男女間で「約210万円」の違いがある
  • 月の平均残業時間は「15時間」
  • 事業所の規模が小さいほど、医師の年収は高くなる傾向がある
  • 医師の年収は、国公立より医療法人や個人病院の方が高くなる
  • 診療科別の医師の年収は、1位「脳神経外科」、2位「産科・婦人科」
  • 医師の平均年収は、1位「鹿児島県」、最下位「秋田県」
  • 経験年数1~4年の医師の基本給(所定内賃金)は「53~59万円」
  • 医師の年収のピークは、男性「60~64歳」、女性「50~54歳」
  • 医療・介護系職種では、医師の年収がダントツ1位

 

それでは、

  • 賃金構造基本統計調査
  • 医療経済実態調査
  • 勤務医の就労実態と意識に関する調査

の結果について紹介していきます。

医師の男女別平均年収【令和元年(2019年)】

医師の場合、働き方はほぼ同じなのに、男女間で「約210万円」の違いがあります。

性別年齢平均勤続年数月の労働時間月の残業時間支給額年間賞与年収
41.65.515717955,300805,80012,269,400
38.24.415411790,000683,50010,163,500
合計40.75.215615910,000772,30011,692,300
年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

他の医療系職種と比べると、年収差の多い職種と言えます。(看護師は、約15万円の差となっています)

これは、「男女間で選択する診療科に違いがあるのかな?」と思ったりしますが、詳細は不明です。(笑)

 

また、男女間の年齢に6歳ほどの差があるということを考えると、年齢層をあわせたときには、もう少し差が大きくなると思います。

 

なお、医師の男女比率は、

  • 男性 72.6%
  • 女性 27.4%

となっていますので、男女計の平均年収は、男性に数値にかなり引っ張られます。

医師の平均給与の推移「2013~2019年」

医師の年間給与(年収)は、直近7年間、ほぼ横ばいです。

年齢月の労働時間月の残業時間支給額年間賞与年収
201341.015913833,200720,10010,718,500
201440.816113892,700827,90011,540,300
201540.015911848,400801,60010,982,400
201641.816313955,300937,10012,400,700
201742.116314952,000902,90012,326,900
201840.916216890,800921,20011,610,800
201940.715615910,000772,30011,692,300
年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

グラフにするとこんな感じです。

医師(勤務医)の平均年収の推移 2013~2019年

 

上がったり、下がったりで、あんまり変わってないですよね・・・

医師の事業所規模別平均給与【令和元年(2019年)】

医師の場合、勤務する事業所の規模(労働者数)で「年齢、労働時間、給与」にかなりの違いがあります。

労働者数年齢月の労働時間月の残業時間支給額年間賞与年収
10~99人55.315911,415,900490,30017,481,100
100~999人46.015581,156,100753,20014,626,400
1000人以上36.715620740,200806,8009,689,200

合計

40.715615910,000772,30011,692,300
年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

まず、年収についてですが、

  • 労働者10~99人の事業所「17,481,100円」
  • 労働者100~999人の事業所「14,626,400円」
  • 労働者1,000人の事業所「9,689,200円」

となっており、労働者の多い事業所ほど、年収が高くなっています。

その差、約780万円です。(月65万円以上違うってことです)

 

しかも、労働者の多い事業所ほど、残業時間が多くなっており、

  • 労働者1,000人以上の事業所「20時間」
  • 10~99人の事業「1時間」

と、その差「19時間」です。(月の労働時間は、ほぼ同じです)

年間だと「228時間」になりますので、1ヶ月以上多く働いていることになります。

 

年齢層は、

  • 労働者10~99人の事業所「55.3歳」
  • 労働者100~999人の事業所「46.0歳」
  • 労働者1,000人の事業所「36.7歳」

とかなりの違いがあります。

これは、大病院の忙しさ(救急体制など)の影響がありそうですね。

 

これらのことから、医師については、極力、事業規模の小さな事業所で働く方が、年収や労働環境が良いってことが言えそうです。

医師の開設者別平均給与【令和元年(2019年)】

医師の年収は、国公立より、医療法人や個人病院の方が高くなる傾向があります。

(単位:円)

開設者月額給与(支給額)年間賞与年収
国立977,5352,589,08914,319,511
公立1,075,3912,234,70415,139,401
公的1,024,2182,039,83414,330,453
社会保険関係法人982,9942,895,97814,691,907
医療法人1,311,846664,97716,407,126
個人1,313,245214,11215,973,053
全体1,102,4451,679,20114,908,543
年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「月額給与×12ヶ月+年間賞与」です。

 

グラフにするとこんな感じです。

医師の開設者別 平均年収 2019年調査(医療経済実態調査)

 

医療法人と個人の医療機関が、飛び抜けてますよね。

 

ちなみに、医療法人と個人における「年間賞与」が少ないのは、ほとんどの医療機関が年俸契約により、賞与支給を行っていないからです。

うちの病院(法人)も医師の賞与支給はありません。(年俸契約により)

医師の診療科別 平均年収【2012年調査】

医師の場合、診療科により、年収にかなりの違いがあります。

このとおり。

診療科平均年収(円)
内科12,474,000
外科13,742,000
整形外科12,899,000
脳神経外科14,803,000
小児科12,205,000
産科・婦人科14,663,000
呼吸器科・消化器科・循環器科12,672,000
精神科12,302,000
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科10,787,000
救急科12,153,000
麻酔科13,352,000
放射線科11,032,000
その他11,715,000

 

グラフにすると、こんな感じです。

医師の診療科別平均年収(2012年調査)

 

この調査では、

  1. 脳神経外科 14,803,000円
  2. 産科・婦人科 14,663,000円
  3. 外科 13,742,000円

の順で年収が高くなっています。

最下位は、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科で「10,787,000円」です。

医師の都道府県(地域)別平均給与【令和元年(2019年)】

医師の給与は、地域によって、バラツキがあります。

このとおり。

都道府県平均年収(円)年齢
北海道9,733,30035.1
青森11,031,00043.9
岩手16,636,00055.9
宮城13,064,20043.4
秋田6,920,50037.1
山形9,879,60046.0
福島12,574,40032.4
茨城10,818,10045.8
栃木9,801,20037.3
群馬10,297,40046.9
埼玉12,892,00046.9
千葉11,364,80038.5
東京11,110,40040.4
神奈川12,620,00038.5
新潟11,936,20039.3
富山7,798,90035.7
石川8,676,40049.3
福井9,459,00037.6
山梨13,707,70053.9
長野15,195,10042.8
岐阜10,346,40034.8
静岡11,130,70036.3
愛知13,575,90040.9
三重10,619,60037.7
滋賀10,692,80042.4
京都14,073,20041.3
大阪11,911,60040.4
兵庫10,738,20038.0
奈良11,246,40041.4
和歌山7,023,90035.2
鳥取7,655,70038.1
島根7,772,10037.7
岡山11,867,20039.3
広島8,228,80035.0
山口14,370,50044.9
徳島11,902,10042.3
香川9,915,60042.7
愛媛12,647,80041.6
高知13,058,10036.4
福岡13,727,40045.9
佐賀7,442,10033.9
長崎15,850,20049.9
熊本14,827,70044.3
大分11,989,50041.1
宮崎9,148,00047.5
鹿児島19,442,80048.9
沖縄15,185,40043.1
この表の平均年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。

 

わかりやすくグラフにすると、こんな感じです。

医師の都道府県別 平均年収 2019年

 

また、平均年収が多い順に並べると、こうなります。

医師の都道府県別 平均年収 2019年(多い順)

 

1位の鹿児島県「19,442,800円」と、最下位の秋田県「6,920,500円」を比較すると、約1,250万円ほどの違いがあります。

 

ちょっと、目を疑う数字ですね・・・

外れ値ってこともありそうですけど、地域格差があるのは間違いなさそうです。

 

ちなみに、主な要因としては、地域における需給バランスの違いによるものだと思います。

つまり、医師が不足している地域では給与は高くなり、充足している地域では給与は少なくなる傾向があるということです。

もちろん、病院などの事情や採用のタイミングの影響もあると思いますけどね・・・

医師の給与は、比較的、地方の方が高くなると言われてます。

医師の基本給(所定内賃金)と年間賞与【経験年数別・男女別】

転職するときの給与提示は、「各種手当を除いた年収」でされることが多いでしょうから、こっちの金額の方が、働き方(長時間の残業や宿直など)に左右されず、比較がしやすいと思います。

令和元年(2019年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金年間賞与年収
1~4年533,300470,7006,870,300
5~9年707,200801,6009,288,000
10~14年880,2001,104,40011,666,800
15年以上1,207,3001,139,30015,626,900
全体840,800805,80010,895,400

 

経験年数
所定内賃金年間賞与年収
1~4年591,000334,3007,426,300
5~9年643,900801,7008,528,500
10~14年833,1001,018,80011,016,000
15年以上980,9001,098,20012,869,000
全体712,200683,5009,229,900
所定内賃金には、残業手当、日直手当、宿直手当などは含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

 

グラフにすると、こんな感じです。

医師の経験年数別 平均年収 2019年

 

男女ともに経験年数が1~4年でも、宿直などの各種手当を含まず「年収680~740万円」となっています。

また、経験を重ねることで、年収の上げ幅が大きくなっていますので、自己投資が年収に結び付きやすい職種と言えると思います。

 

なお、参考までに、平成30年(2018年)の調査結果も載せておきます。

比較してみると、ほぼ、どの経験年数層においても年収が上がっていることがわかります。

平成30年(2018年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金年間賞与年収
1~4年508,500508,0006,610,000
5~9年657,100913,0008,798,200
10~14年822,2001,274,50011,140,900
15年以上1,167,7001,334,50015,346,900
全体821,000961,80010,813,800

 

経験年数
所定内賃金年間賞与年収
1~4年429,500419,5005,573,500
5~9年619,0001,019,1008,447,100
10~14年787,7001,206,90010,659,300
15年以上1,006,0001,167,10013,239,100
全体671,900809,7008,872,500
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当などは含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

医師の年収のピークは、男性「60~64歳」・女性「50~54歳」

令和元年(2019年)の医師の年齢別平均年収は、次のようになっています。

【医師 年齢別平均年収一覧表(2019年)】

年齢平均年収
男性女性
25~29歳5,575,7005,293,900
30~34歳7,590,4008,396,000
35~39歳10,622,5009,357,100
40~44歳11,937,90011,357,400
45~49歳14,630,60012,245,500
50~54歳16,407,90016,371,600
55~59歳16,549,60014,249,300
60~64歳17,683,80011,906,200
65~69歳15,771,40013,999,200
70歳~14,923,2009,903,500
この表の平均年収には、残業手当、日直手当、宿直手当などは含んでいません。

 

わかりやすく、グラフにするとこんな感じです。

医師の年齢別 平均年収 2019年

 

この表によると、医師の給与のピークは、

  • 男性60~64歳「17,683,800円」
  • 女性50~54歳「16,371,600円」

ということになります。

 

給与のピーク年齢については、他の職種とほぼ変わりはないですね。

医療・介護系職種の給与比較【令和元年(2019年)】

医療・介護系職種では、言うまでもありませんが、医師の年収がダントツ1位です。

こんな感じに。

医療・福祉系職種別 平均年収 2019年(医師あり)

 

なお、詳細な金額は次のとおりです。

【医療・介護系職種 平均年収一覧表(2019年)】

職種平均給与
男性女性
医師12,269,40010,163,500
歯科医師6,523,3004,729,200
薬剤師6,006,0005,356,600
看護師4,960,8004,813,600
准看護師4,249,1004,006,100
看護補助者3,281,3002,986,500
診療放射線技師5,204,3004,640,200
臨床検査技師5,012,5004,453,300
理学・作業療法士4,221,8003,942,700
歯科衛生士3,084,4003,707,400
栄養士3,693,4003,558,900
保育士3,891,6003,621,300
介護支援専門員4,240,5003,811,100
ホームヘルパー3,679,6003,166,000
福祉施設介護員3,715,5003,320,000
この表の平均年収は、夜勤手当や残業代などの各種手当を含めた金額となっています。

まとめ

今回紹介した「医師(勤務医)の平均給与」は、あくまでも平均値です。

なので、場合によっては、提示された給与額が平均給与から大きく外れることも考えられます。

 

ただ、転職などをするときの「1つの目安」としては、かなり参考になる数値だと思います。

提示された給与が「高いのか?安いのか?」、また「どのくらいの給与額を希望していいのか?」がわかりますので。

 

ぜひ、あなたの経験が適性に評価されるよう「平均給与額」を目安に、給与などの条件交渉を行ってみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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