この記事は、政府が、平成30年5月31日に取りまとめた、
「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」
に書かれている「保育・幼児教育無償化」の内容と取り扱いについてまとめています。
この制度、幼稚園や保育所を利用するすべての子どもが対象になるわけじゃないので、
- 自分の子どもは、無償化の対象になるのか?
- どうすれば無償化の対象になるのか?
など、チェックしてみてください。
なお、認可外保育施設等(院内保育室など)の取り扱いについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
よろしければ、チェックしてみてください。
「保育・幼児教育」無償化の5つのポイント
まずは、「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」のポイントからです。
- 保育・幼児教育の無償化は、原則3~5歳児が対象
- 「保育の必要性の認定事由」に該当しない場合、保育所は無償化されない
- 認可外保育施設、ベビーシッター、院内保育室も無償化の対象
- 通園送迎費、食材料費、行事費などは、無償化の対象から除く
- 2019年10月から「保育・幼児教育の無償化」を実施
「保育の必要性の認定事由」の該当有無の違いによる無償化の対象施設
「保育・幼児教育」無償化の制度においては、保育の必要性の認定事由に該当するかどうかで、無償となる施設が変わってきます。
保育の必要性の認定事由に該当する子供(保育が必要と認められた人)
- 幼稚園
- 保育所
- 認定こども園
- 幼稚園の預かり保育
- 認可外保育施設
- ベビーシッター
- 障害児通園施設
保育の必要性の認定事由に該当しない子供(保育が必要と認められなかった人)
- 幼稚園
- 認定こども園
- 障害児通園施設
保育の必要性の認定事由とは
以下のいずれかの事由に該当する場合は、「保育が必要と認められた人」となります。
- 就労
⇒フルタイムのほか、パートタイム、夜間など基本的にすべての就労に対応(一時預かりで対応可能な短時間の就労は除く)- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障害
- 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
⇒兄弟姉妹の小児慢性疾患に伴う看護など、同居又は長期入院・入所している親族の常時の介護、看護- 災害復旧
- 求職活動・起業準備を含む
- 就学・職業訓練校等における職業訓練を含む
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得時に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
- その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
出典:子ども・子育て支援新制度について「内閣府子ども・子育て本部」
事業所内保育(院内保育室)の取扱い
「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」に、
「これまで、届出義務の対象外とされていた事業所内保育を新たに届出義務とする」
とあるので、院内保育室も無償化の対象になると考えてよさそうです。
「保育・幼児教育」無償化の対象児童
3~5歳児
すべての子どもが対象
0~2歳児
住民税非課税世帯のみ対象
年齢、対象施設、保育の必要性別「無償範囲等一覧」
「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」だと無償化にかかる取扱いが、すっごくわかりづらいので、一覧表にしておきます。
3~5歳児の場合
施設の種類 | 保育の必要性あり | 保育の必要性なし |
幼稚園 | 月額25,700円まで | 月額25,700円まで |
認可保育所 | 無償 | 対象外 |
認定こども園 | 無償 | 無償 |
幼稚園の預かり保育 | 月額37,000円まで (幼稚園の上限25,700円を含む) |
対象外 |
認可外保育施設 | 月額37,000円まで | 対象外 |
ベビーシッター | 月額37,000円まで | 対象外 |
障害児通園施設 | 無償 | 無償 |
0~2歳児の場合(住民税非課税世帯のみ対象)
施設の種類 | 保育の必要性あり | 保育の必要性なし |
幼稚園 | 対象外 | 対象外 |
認可保育所 | 無償 | 対象外 |
認定こども園 | 無償 | 無償 |
幼稚園の預かり保育 | 月額42,000円まで | 対象外 |
認可外保育施設 | 月額42,000円まで | 対象外 |
ベビーシッター | 月額42,000円まで | 対象外 |
障害児通園施設 | 無償 | 無償 |
幼児教育無償化の具体的なイメージ
「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」からの引用です。
「保育の必要性あり」の場合
「保育の必要性なし」の場合
無償化されるのは、原則、保育料のみ
次の費用は、無償化の対象にはなりません。
- 通園送迎費
- 食材料費
- 行事費 など
「保育・幼児教育」無償化は、2019年10月から実施
「保育・幼児教育」無償化は、消費増税(10%)の時期と同じく、
2019年10月から
となります。
まとめ
ここで、「保育・幼児教育」無償化についてのおさらいです。
- 保育・幼児教育の無償化は、原則3~5歳児が対象
(住民税非課税世帯のみ0~2歳児も対象) - 「保育の必要性なし」の場合、認可外保育所等は無償化されない
- 認可外保育施設、ベビーシッター、院内保育室も無償化の対象
- 通園送迎費、食材料費、行事費などは、無償化されない
- 2019年10月から「保育・幼児教育の無償化」を実施
幼稚園や保育園が無償化されるのは、子どもを持つ親にとってはすっごく嬉しいですよね。
でも、「ただただ、嬉しすぎる~」で終われない、様々な問題が出てきそうです。
例えば、
- 保育所の利用者が増加する(タダだから使わないと~)
- 待機児童の増加
- 保育士の人材不足が深刻化
- 保育助手の積極的な採用
- 保育助手に人材が取られ、介護職員の人材不足がさらに深刻化
などなど。
これは、医療・介護業界にも大きな影響が出るかもな・・・
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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