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理学療法士(新卒)の就職先の選びかた【新人セラピストに聞いた】

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病院、介護施設、リハビリ施設、理学療法士

この記事では、現役の理学療法士に聞いた、

「新卒時の就職活動は、どういう基準で就職先(病院など)を選んだのか?」

について紹介しています。

 

もし、就職先(進路等)について悩んでいるなら、ぜひ読んでみてください。

先輩理学療法士の経験が役に立つかもしれませんので。

 

なお、この記事で紹介している内容は、

  • 新卒で入職した理学療法士
  • 急性期から在宅までの経験を有する理学療法士

数名から聞いた話をまとめたものです。

 

【関連記事】

作業療法士さんについては、こちらの記事を。

作業療法士(新卒)の就職先の選びかた【新人セラピストに聞いた】
この記事では、現役の作業療法士に聞いた、 「新卒時の就職活動は、どういう基準で就職先(病院など)を選んだのか?」 について紹介しています。 もし、就職先(進路等)について悩んでいるなら、ぜひ読んでみてください。 先輩作業療法士の経験が役に立...

理学療法士の就職先の選びかた

新卒時の就職先は、次のような順番で選んでいる人が多かったです。

  1. 「急性期系の病院」か「回復期から在宅系の病院」のどちらかを選択
  2. 「新人教育のしくみ」と「学ぶためのしくみ」が、しっかりしている病院を選ぶ
  3. 働きやすさ(給与、職場の雰囲気、ワークライフバランスなど)を確認

 

それでは、1つずつ説明していきます。

「急性期系の病院」か「回復期から在宅系の病院」のどちらかを選択

まず、新卒の理学療法士さんは、

  1. 急性期系の病院(大学病院などの救急病院)
  2. 回復期から在宅系の病院(回復期リハビリ、訪問リハビリなど)

の2つから就職先を絞っています。

 

理由としては、

「急性期系の病院」と「回復期から在宅系の病院」では、行われるリハビリテーションが全く違う

からです。

 

ちなみに、新卒で「老健などの施設系」を希望する人は、少ないようです。

「まずは、病院で経験を積んでから・・・」と考える学生さんが多いんでしょうね。

急性期系の病院(大学病院などの救急病院)のリハビリテーション

「急性期系の病院」では、様々な病気の患者が集まることから、病気ついて幅広い知識を得ることができます。

ただ、「リハビリの技術」という意味では、領域が限定されます。

 

また、入院期間の制限などにより、患者さんの回転(入替)が速いため、

  • 慌ただしい
  • スピードが求められる

という特徴があります。

回復期から在宅系の病院(回復期リハビリ、訪問リハビリなど)のリハビリテーション

「回復期から在宅系の病院」では、病気の知識は限定的ですが「リハビリの技術」という意味では、かなり広い領域を学ぶことができます。

また、患者さんの入院期間も比較的長めなので、じっくりとその患者さんに関われるという特徴があります。

 

また、「訪問リハビリ」を行っている病院では、

  • 退院後のフォロー(リハビリ継続)ができる
  • ケアマネさんとともに、退院後の日常生活に関われる

ってこともあり、1人の患者さんとの関わりが、さらに強くなります。

急性期系の病院と回復期から在宅系の病院のリハビリテーションの比較

ざっくりですが、「急性期系の病院」と「回復期から在宅系の病院」違いを一覧表にしておきます。

項  目

急性期系の病院
(一般病棟・回復期リハ)

回復期から在宅系の病院
(回復期リハ・療養・訪問リハ)

スピード(慌ただしさ) 速い ゆっくり
受け持ち患者数 多い 少ない
1人の患者と関わる時間 少ない じっくり
病気の知識 広く学べる 限定的
リハビリ技術 限定的 広く学べる
退院後のフォロー 少ない 多い

 

ちなみに、「回復期から在宅系の病院」のスピードに慣れてしまうと「急性期系の病院」のスピード感で働くのが大変だそうです。

逆に、「急性期系の病院」のスピードに慣れている人は、「回復期から在宅系の病院」のスピード感に物足りなさを感じるみたいです。

スピード感が全く違うので、自分にあったスピード感で働ける病院を選ぶことが大切です。

「新人教育のしくみ」と「学ぶためのしくみ」が、しっかりしている所を選ぶ

「急性期系の病院」か「回復期から在宅系の病院」かを選択したら、次は、

  • 新人教育のしくみ
  • 学ぶため(研修)のしくみ

がしっかりしているかを確認しましょう。

 

これは、

「この病院は、俺(私)を、一人前の理学療法士にしてくれるのか?」

という視点です。

 

ちょっと、他力本願に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

 

どんなに学びたいと思っていたとしても、学ぶための環境が整っていないと「成長のスピード」は鈍ってしまいます。

「ほったらかしで、何にも教えてもらえなかった・・・」って所、ほんとにありますから。

 

そもそも、国家資格って「その仕事をするためのスタート地点」なんですよね。

だから、色々と教えてもらいながら、1人前になるしかないです。

 

逆に言うと、「新人教育のしくみ」がしっかりしてないところだと、かなりの遠まわりになっちゃうってことです。

 

なので、必ず確認してください。

これ、すっごく大切な要素です。

 

なお、「学びのしくみ」については、一般的には、次の3つに分かれます。

  1. 病院側が強制的に研修を受けさせるスタイル
  2. 学ぶための選択肢を用意してくれ、職員自らが選ぶスタイル
  3. 勝手に学べというスタイル

 

1は、「能動的に学べない人」にオススメです。

学ぶしかない環境に自分を置いちゃうってことですから。

 

2は、学ぶための環境整備はするが、学ぶかどうかは本人次第というしくみです。

つまり、「学びとは強制されるべきものではなく、自ら手を伸ばすべきもの」という考えです。

 

3は、論外ですね。

 

うちの場合は、2の「学ぶための選択肢を用意してくれ、職員自らが選ぶスタイル」をとっています。

たとえば、

  • 学会や研修への参加は、職員の希望制
  • 学会や研修の参加は、出勤扱い
  • 参加費、宿泊費、交通費は、病院(施設)負担

などです。

研修報告や伝達研修は、他の職員さんのためにも、しっかり行ってもらっています。

働きやすさ(給与、職場の雰囲気、ワークライフバランスなど)を確認

学ぶためのしくみ(新人教育を含む)がしっかりしているところを選んだら、最後に、

「働きやすい職場か?」

についてしっかり確認しましょう。

 

どんなに学べる環境でも、ブラックな環境では自分が壊れちゃいます。

結果、学びの効率も落ちますし・・・

 

なお、働きやすさを確認するときのポイントとしては、

  • 病院と部署の雰囲気(明るさや挨拶の有無)
  • リハビリ科職員の雰囲気(どんな職員がいるのか?)
  • リハビリ科職員の年齢層(幅広い年齢層が揃っているか?)
  • 年間休日(110~120日ぐらい)
  • 有給休暇取得率(80~90%は欲しい)
  • 残業の有無(月何時間ぐらい?)
  • 院内保育室の有無(理学療法士は使えるか?)

って感じです。

このあたりは、見学や求人票等でもわかる部分が多いので、よくチェックしてください。

給与は、あんまり気にしなくていい

給与って就職先を選ぶときすっごく大事な要素ですが、理学療法士さんについては、あまり気にする人はいませんでした。

おそらくは、そもそもの初任給の相場が高いからかもしれません。

「月額24~26万円」を初任給としているところが多いので。

一般的な大卒の初任給と比べても、高額だと思います。

 

【関連記事】

理学療法士さんの給与について詳しくは、こちらの記事を。(厚生労働省の調査結果をまとめています)

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まとめ

ここで、「理学療法士(新卒)が、就職先を選ぶときのポイント」をまとめておきます

  • 何をやりたいのか?(急性期・回復期・慢性期・在宅)
  • どんな理学療法士になりたいのか?(経験と学びの環境)
  • どんな働き方をしたいのか?(ワークライフバランスなど)
  • 給与は、どのくらい欲しいのか?

 

最初の就職先って、これからの理学療法士としてのキャリア(生き方)を大きく左右するものです。

「実習でお世話になったしな~」とか、「名前の知れた有名な病院だから・・・」と、安易に決めてしまわず、情報収集をしっかり行い、色々な病院に足を運び「あなたのニーズ」を満たせる就職先を探してみてください。

厚生労働省は、理学療法士の需要と供給のバランスが、次のようになると計算しています。

【理学療法士・作業療法士の需給推計】

PT・OT需給推計(厚生労働省)令和4年

出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」

 

需要に対し、供給が圧倒的に多くなっています。

つまり、超買い手市場で、理学療法士の仕事がない状態です。

 

この状況からしても、理学療法士としてのキャリア(生き方)をしっかりと考えておくことが大切です。

「国家資格を取ったから、もう安心」という状態ではないですからね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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