【賞与(ボーナス)】社会保険料の計算方法(手順)と保険料額早見表

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会社員、お金、金融、法律

この記事では、賞与(ボーナス)にかかる

  • 健康保険料
  • 介護保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料

の「計算方法(手順)」と「賞与支給額別の社会保険料額早見表」を紹介しています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 社会保険への加入を考えている
  • 大まかな社会保険料額を知りたい
  • 毎月引かれている社会保険料の仕組みを知りたい
  • 仕事で「社会保険手続き」を担当している
2019年4月の制度で説明を行っていますが、計算方法については、年度が変わっても原則変わりません。実際に計算する際は、保険料率などを計算する年度にあわせて行ってください。
なお、この記事は、全国健康保険協会(協会けんぽ)への加入を想定しています。

 

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健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の計算方法(手順)

「健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料」の計算手順は同じです。

唯一、違うのは「保険料率」となります。

【計算手順】

  1. 賞与の総支給額から「標準賞与額」を計算する
  2. 健康保険、介護保険、厚生年金の保険料率を確認する
  3. 標準賞与額に各種保険料率をかけ、「保険料の全額」を算出する
  4. 「保険料の全額」に2分の1をかけ、「被保険者負担分の保険料額」を算出する

 

なお、計算式にすると、

標準賞与額 × 保険料率 ÷ 2 = 保険料額(被保険者負担分)

となります。

 

それでは、1つずつ説明していきます。

賞与の総支給額から「標準賞与額」を計算する

標準賞与額は、賞与の総支給額(1回に対し)の1,000円未満の端数を切り捨てた額となります。

 

たとえば、

賞与の総支給額が「800,900円」であれば、標準賞与額は「800,000円」

となります。

 

また、標準賞与額には上限があり、

  • 健康保険は年間573万円まで(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額)
  • 厚生年金保険は月間150万円まで

の範囲で設定されます。

 

詳しくは、こちらを。

全国健康保険協会「標準報酬月額・標準賞与額とは?」

健康保険、介護保険、厚生年金の保険料率を確認する

健康保険の保険料率は、都道府県によって変わりますが、介護保険および厚生年金保険の保険料率は全国統一です。

 

各種保険料率は、全国健康保険協会の公式サイトにある「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で確認します。

全国健康保険協会「平成31年度保険料額表(平成31年4月分から)」

2019被保険者の方の健康保険料額(健康保険協会)

 

ダウンロードした「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の赤く囲った所が保険料率となります。

2019健康保険等の保険料率(東京都)

 

この表では、

  • 健康保険 9.90%
  • 介護保険 1.73%
  • 厚生年金保険 18.3%

となります。

介護保険第2号被保険者に該当する場合の保険料率は、「健康保険9.90%」と「介護保険料1.73%」をあわせた数字になっています。

 

なお、介護保険料は、40歳以上65歳未満の人しか賞与から引かれませんので、計算するときは注意してください。

健康保険組合の加入者は、その組合の規定により変わってきます。

標準賞与額に各種保険料率をかけ、「保険料の全額」を算出する

次に、標準賞与額に各種保険料をかけていきます。

 

標準賞与額「800,000円」で、健康保険料率「9.9%」であれば、

800,000円 × 9.9% = 79,200円

となります。

 

この金額が、健康保険における事業主と被保険者(職員)が負担する「保険料の全額」です。

「保険料の全額」に2分の1をかけ、「被保険者負担分の保険料額」を算出する

「健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料」は、事業主との折半のため、最後に2分の1をかけます。

 

健康保険における「保険料の全額」が79,200円の場合は、

79,200円 ÷ 2 = 39,600円

となります。

 

この金額が、賞与1回に対し引かれる「被保険者(職員)負担分の健康保険料額」です。

健康保険、介護保険、厚生年金保険の保険料額を試算してみる

次の条件で、計算してみます。

  • 被保険者の年齢 40歳
  • 賞与の総支給額 759,800円
  • 標準賞与額 759,000円
  • 健康保険(東京都) 9.90%
  • 介護保険料 1.73%
  • 厚生年金保険料 18.3%

 

計算式にあてはめてみると、

  • 759,000円 × 9.9% ÷ 2 = 37,570円(健康保険)
  • 759,000円 × 1.73% ÷ 2 = 6,565円(介護保険)
  • 759,000円 × 18.3% ÷ 2 = 69,448円(厚生年金保険)

となります。

 

結果、合計額は、115,862円です。

結構、引かれますよね・・・

雇用保険料の計算方法(手順)

雇用保険料は、賞与の総支給額に保険料率をかけ計算されます。

【計算手順】

  1. 事業の種類に応じた、保険料率を確認する
  2. 賞与の総支給額に保険料率をかける

 

なお、計算式にすると、

賞与の総支給額 × 保険料率 = 保険料額(労働者負担分)

となります。

 

それでは、1つずつ説明していきます。

事業の種類に応じた、保険料率を確認する

雇用保険は、「事業の種類」よって、保険料率が変わってきます。

こんな感じで。

2019年度 雇用保険料率(厚生労働省)

出典:厚生労働省「平成31年度の雇用保険料率」

 

2019年度(4月~3月)における、労働者負担の保険料率は、

  • 一般の事業 0.3%
  • 農林水産・清酒製造の事業 0.4%
  • 建設の事業 0.4%

となります。

賞与の総支給額に保険料率をかける

「健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料」では、「保険料の全額」を折半しましたが、雇用保険の場合「労働者負担の保険料率」が明示されていますので、そのまま保険料率をかけていきます。

 

賞与の総支給額「800,900円」で、雇用保険料率「0.3%」であれば、

800,900 × 0.3% = 2,403円

となり、この金額が「月額の雇用保険料」となります。

 

ちなみに、計算結果に小数点以下が出た場合は、次のとおり処理します。

被保険者負担額を源泉控除する場合

被保険者負担額の端数が、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。

出典:和歌山労働局「雇用保険の被保険者負担額の端数処理について」

雇用保険の保険料額を試算してみる

次の条件で、計算してみます。

  • 賞与の総支給額 759,800円
  • 雇用保険料率(一般の事業) 0.3%

 

計算式にあてはめてみると、次のようになります。

759,800 × 0.3% = 2,279円(雇用保険)

賞与支給額別 社会保険料額 早見表

社会保険料額が、パッと見でわかるように「早見表」にしておきます。

参考程度に、ご覧ください。

 

ちなみに、こんな条件でつくってあります。

  • 被保険者(社会保険に加入している人)の負担額を表示
  • 健康保険料率は、全国健康保険協会の平均値「10%」を使用
  • 雇用保険料率は、「一般の事業」を使用
  • 賞与の総支給額100,000~1,000,000円の範囲で作成

賞与の総支給額「100,000円~500,000円」

賞与支給額別「社会保険料額」早見表(100,000~500,000円)

賞与の総支給額「525,000円~1,000,000円」

賞与支給額別「社会保険料額」早見表(525,000~1,000,000円)

介護保険料は、40歳以上65歳未満の人のみ天引きされます。

まとめ

ここで、「賞与にかかる社会保険料額を計算するときのポイント」をまとめておきます。

健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の計算

  • 健康保険、介護保険、厚生年金保険の保険料額の計算手順は同じ
  • 計算式は、「標準賞与額 × 保険料率 ÷ 2 = 保険料額」
  • 標準賞与額は、賞与の総支給額(1回に対し)の1,000円未満の端数を切り捨て額
  • 「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で、保険料率を確認する
  • 「健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料」は、事業主との折半

雇用保険料の計算方法

  • 雇用保険料の計算式は、「賞与の総支給額 × 保険料率 = 保険料額」
  • 雇用保険は「事業の種類」よって、保険料率が変わる
  • 雇用保険に「報酬賞与額」という言葉はない

 

社会保険料の計算って、複雑で難しそうに感じますが、1つずつ順を追って計算してみると、結構わかりやすいしくみだと思います。

計算自体は、足し算、かけ算、割り算しか使いませんし。

 

興味があれば、給与明細を見ながら、社会保険料が間違っていないか計算してみてください。

計算がピッタリ合うと、結構、スッキリしますよ~(笑)

 

なお、

「毎月の給与から天引きされている社会保険料の計算はどうやるの?」

という人は、こちらの記事を。

【毎月の給与】社会保険料の計算方法(手順)と保険料額早見表

 

また、「社会保険料の徴収ルール」については、こちらの記事をご覧ください。

社会保険料の支払いルールとは?【入職月、退職月、2ヶ月分控除、日割り計算の有無】

退職日と社会保険料(健康保険・厚生年金)の関係【いつ辞めるとお得?】

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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