転職って、人生における重要な選択の1つで、納得のいく転職ができるかどうかで、人生の幸福度は大きく変わっちゃいます。
その分、不安も大きいので、
- どうせ、どこの会社でも同じでしょ!?
- 我慢して、今の職場にいたほうがいい
- 転職で失敗するぐらいなら・・・
みたいな、現状維持バイアス(変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理的作用)が働いて、なかなか決断しづらかったりします。
そこで、この記事では、実際に転職した人は、
- 給料が上がったのか?下がったのか?
- 転職(退職)をしようと決めた理由
- どんな方法で、転職活動を行ったのか?
- どのくらいの期間、転職活動を行ったのか?
について、まとめておきます。
「今の職場に不満があるんだけど、なかなか一歩を踏み出せない」
という人に、読んでいただけると嬉しいです。
転職者の4割以上が、給料が増えている
まず、結論です。
- 転職で給料が、増えた「40.4%」、変わらない「22.1%」、減った「36.1%」
- 退職理由は、仕事内容「26.7%」、労働条件「27.3%」、賃金が低い「25.1%」
- 学歴が高くなるほど、エージェントサービス(人材紹介)の利用者が多い
- 転職活動の期間は、3ヶ月未満の人が「46.5%」
それでは、1つずつ紹介していきます。
転職で給料が、増えた「40.4%」、変わらない「22.1%」、減った「36.1%」
転職した人の給料は、次のようになっています。
【転職者の賃金の変化(男女別)】
(単位:%)
給料の変化 | 総数 | 男 | 女 |
増加した | 40.4 | 38.0 | 43.6 |
・3割以上増加 | 8.9 | 8.0 | 10.2 |
・1割以上3割未満増加 | 18.6 | 18.2 | 19.2 |
・1割未満増加 | 12.9 | 11.8 | 14.3 |
変わらない | 22.1 | 23.0 | 20.7 |
減少した | 36.1 | 37.3 | 34.5 |
・3割以上減少 | 9.9 | 11.6 | 7.6 |
・1割以上3割未満減少 | 17.3 | 17.4 | 17.3 |
・1割未満減少 | 8.8 | 8.3 | 9.6 |
転職により、「給料が減少した」という人が「36.1%」いますが、全体としては、4割以上の人の給料が増えています。
そのうち、3割以上給料が増えた人が「8.9%」となっています。
結構、びっくりですよね?
3割って、月収20万円の人なら、6万円の増額ってことなんで。
男女別では、女性の方が、給料が増加した人が多くなっていて「43.6%」の人が増加したと回答しています。
転職により給料が減るのは、あまり歓迎できませんが、給料が変わらず(できれば、増加)で、今の職場の不満が解消できるなら嬉しいですよね。
次に、「年齢層別に、給料がどうなったのか?」を見てみます。
【転職者の賃金の変化(年齢層別)】
(単位:%)
年齢層 | 増加した | 変わらない | 減少した |
20~24歳 | 43.6 | 26.7 | 24.0 |
25~29歳 | 47.1 | 20.5 | 31.5 |
30~34歳 | 44.4 | 22.2 | 32.9 |
35~39歳 | 43.3 | 22.2 | 33.1 |
40~44歳 | 43.7 | 21.8 | 33.0 |
45~49歳 | 36.2 | 23.7 | 39.3 |
50~54歳 | 33.9 | 18.4 | 46.6 |
55~59歳 | 28.4 | 25.2 | 45.9 |
60~64歳 | 18.4 | 20.2 | 59.9 |
65歳以上 | 29.2 | 14.9 | 52.9 |
45歳を過ぎたあたりから、「増加した」という人より「減少した」という人が、多くなっています。
一般的に、「40歳を過ぎると、転職はきつくなる」みたいなイメージがあると思うんですけど、このデータからも、「転職するなら45歳までにしたほうが、リスクが低い」と言えそうです。
ちなみに、転職した人の労働時間は、
- 減少した 34.2%
- 変わらない 33.0%
- 増加した 31.6%
となっています。
こんな感じです。
【転職者の労働時間の変化(男女別)】
(単位:%)
給料の変化 | 総数 | 男 | 女 |
増加した | 31.6 | 28.3 | 36.1 |
・3割以上増加 | 7.6 | 6.2 | 9.5 |
・1割以上3割未満増加 | 14.0 | 13.7 | 14.5 |
・1割未満増加 | 9.9 | 8.3 | 12.1 |
変わらない | 33.0 | 34.4 | 31.2 |
減少した | 34.2 | 36.0 | 31.6 |
・3割以上減少 | 8.4 | 8.8 | 7.8 |
・1割以上3割未満減少 | 14.2 | 16.2 | 11.5 |
・1割未満減少 | 11.6 | 11.1 | 12.3 |
給料が増えて、労働時間が減ったのなら最高ですよね。
時給単価が上がったってことで、実質、給料アップってことなので。
【関連記事】
退職理由は、労働条件「27.3%」、仕事内容「26.7%」、賃金が低い「25.1%」
転職するときって、今の職場に何かしらの不満があって、「その不満を解消したい」という人が多いと思います。
では、実際に転職した人は、「どんな理由で転職したのか?」ですが、
- 労働条件がよくなかったから(賃金以外) 27.3%
- 満足のいく仕事内容でなかったから 26.7%
- 賃金が低いから 25.1%
が多くなってます。
こんな感じです。
【自己都合による離職理由の割合】
(単位:%)
転職(退職)をしようと決めた理由 | 総数 | 男 | 女 |
労働条件がよくなかったから(賃金以外) | 27.3 | 27.4 | 27.2 |
満足のいく仕事内容でなかったから | 26.7 | 28.3 | 24.6 |
賃金が低いから | 25.1 | 27.7 | 21.8 |
会社の将来に不安を感じたから | 24.2 | 30.9 | 15.6 |
人間関係がうまくいかなかったから | 17.7 | 16.9 | 18.8 |
能力・実績が正当に評価されないから | 15.9 | 17.8 | 13.3 |
他によい仕事があったから | 15.1 | 14.9 | 15.3 |
いろいろな会社で経験を積みたいから | 12.2 | 13.6 | 10.5 |
働きやすさを大きく左右する「人間関係」についても「17.7%」と、比較的高くなっており、男女別では、女性が「18.8%」と男性を上回っています。
この結果から、女性の方が、人間関係の円滑な環境を優先する傾向があるのかな?と思います。
逆に、「会社の将来に不安を感じたから」は、
- 男性 30.9%
- 女性 15.6%
と大きく乖離していて、男性の転職理由1位になっています。
たしかに、「この会社、大丈夫かな・・・」って思いながら、ずるずる働いて、「やっぱ、ダメだった・・・」ってなるぐらいなら、サッサと見切りをつけて他の会社で安心して働いてほうが健全ですよね。
学歴が高くなるほど、エージェントサービス(人材紹介)の利用者が多い
転職活動の方法って、結構、色々あるので、
- どういう方法で転職すれば、自分にあった職場が見つけやすいのか?
- どういう方法で転職すれば、失敗しづらいのか?
みたいなので、悩む人って多いと思います。
そこで、実際に転職した人は、「どんな方法で転職したのか?」を見てみます。
まずは、男女別です。
【転職活動の方法(男女別)】
(単位:%)
転職活動の方法 | 総数 | 男 | 女 |
ハローワーク等の公的機関 | 41.4 | 38.4 | 45.6 |
縁故(知人、友人等) | 27.7 | 29.7 | 24.9 |
求人情報専門誌・新聞・チラシ等 | 24.2 | 21.1 | 28.6 |
民間の職業紹介機関(エージェントサービス) | 18.8 | 18.9 | 18.7 |
企業のホームページ | 13.6 | 13.7 | 13.4 |
男女ともに、ハローワーク等の公的機関がダントツに多く
- 縁故(知人、友人等) 27.6%
- 求人情報専門誌・新聞・チラシ等 24.2%
- 民間の職業紹介機関(エージェントサービス) 18.8%
と続きます。
次に、学歴別の転職活動の方法を見てみます。
【転職活動の方法(学歴別)】
(単位:%)
転職活動の方法 | 中学 | 高校 | 専修学校 | 短大等 | 大学 | 大学院 |
ハローワーク等の公的機関 | 29.9 | 44.0 | 43.0 | 50.6 | 36.5 | 28.0 |
縁故(知人、友人等) | 36.5 | 29.1 | 31.2 | 28.7 | 23.6 | 21.1 |
求人情報専門誌・新聞・チラシ等 | 29.4 | 24.3 | 25.1 | 24.9 | 23.3 | 19.4 |
エージェントサービス(民間紹介) | 6.5 | 8.9 | 18.2 | 17.3 | 30.6 | 45.9 |
企業のホームページ | 5.8 | 8.4 | 16.3 | 11.5 | 18.7 | 30.3 |
学歴が高くなるほど、民間の職業紹介機関、いわゆるエージェントサービスの利用が急増しています。
見やすく、グラフにしてみます。
大学卒で「30.6%」、大学院卒にいたっては「45.9%」の人が、エージェントサービスを利用し、転職を行っています。
専門学校や短大卒の人で、約2割の利用率です。
エージェントサービスは、完全無料で、学歴に関係なく利用できます。
なので、「色々な人が、もっと、積極的に活用したらいいのに」って、思うんですけどね・・・
次に、年齢層別の転職活動の方法を見てみます。
【転職活動の方法(年齢層別)】
(単位:%)
年齢層 | ハローワーク | 縁故 | 求人情報等 | 民間紹介 | 企業HP |
20~24歳 | 46.6 | 23.1 | 24.5 | 10.2 | 17.1 |
25~29歳 | 41.0 | 25.8 | 24.9 | 26.2 | 19.5 |
30~34歳 | 39.0 | 26.7 | 24.2 | 26.5 | 16.2 |
35~39歳 | 46.7 | 27.5 | 25.5 | 21.5 | 17.5 |
40~44歳 | 43.2 | 31.4 | 23.0 | 18.0 | 10.9 |
45~49歳 | 46.8 | 29.1 | 34.2 | 18.8 | 9.4 |
50~54歳 | 38.7 | 26.9 | 27.0 | 13.4 | 12.7 |
55~59歳 | 35.0 | 29.8 | 18.4 | 11.0 | 6.2 |
60~64歳 | 34.2 | 25.5 | 9.0 | 3.4 | 2.6 |
65歳以上 | 20.3 | 41.5 | 11.9 | 1.9 | 1.7 |
全体としては、ハローワークの利用が多いですが、年齢層が若いほど、エージェントサービス(民間紹介)の利用率が高くなっています。
特に、30代までが高めですね。
こちらも、グラフにしてみます。
ちなみに、僕の経験則ではありますが、友人などに相談されたときなどは、次のような転職活動の方法をオススメしています。(僕は、仕事柄、職員さんの採用活動を8年以上行っています)
「求人数の多い転職サイトとエージェントサービスを複数利用する」
具体的には、
- 転職サイト(リクナビNEXT など)
- エージェントサービス(リクルートエージェントなど)
です。
なぜ、この方法をオススメするかというと理由は、3つあります。
- エージェントサービスによって、紹介できる会社が違う
- 担当者によって、サービスの質が違う(相性も大事)
- 人材紹介(エージェントサービス)では採用してない会社を、転職サイトで調べ、応募できるようにする
転職サイトとエージェントサービスを複数利用することで、
「こっちの求人の方が良かったかも…」
という機会損失を、ほぼなくすことができます。
また、エージェントサービスは、相談から面接の日程調整、条件交渉など含めて完全無料なので、
「現在のの転職市場がどうなっているのか?」
「自分の市場価値はどのくらいなのか?」
について、話を聞くだけでも、意味(メリット)があると思いますよ。
転職活動の期間は、3ヶ月未満の人が「46.5%」
「転職した人は、転職活動にどのくらいの期間がかかったのか?」ですが、
- 1か月未満 19.3%
- 1か月以上3か月未満 27.2%
- 3か月以上6か月未満 14.8%
となっています。
こんな感じです。
【転職活動を始めてから離職するまでの期間】
(単位:%)
転職活動の期間 | 総数 | 男 | 女 |
1か月未満 | 19.3 | 18.6 | 20.4 |
1か月以上3か月未満 | 27.2 | 26.9 | 27.5 |
3か月以上6か月未満 | 14.8 | 15.8 | 13.4 |
6か月以上9か月未満 | 4.5 | 5.4 | 3.3 |
9か月以上1年未満 | 2.7 | 3.1 | 2.0 |
1年以上2年未満 | 2.6 | 2.9 | 2.2 |
2年以上 | 1.5 | 1.7 | 1.4 |
転職活動期間なし | 25.8 | 24.1 | 28.2 |
ほとんどの人が、転職活動の期間が、3ヶ月未満となっていますので、結構、スムーズに転職が行えていることがわかります。
また、転職活動期間なしという人が「25.8%」と高いのは、びっくりですが、縁故(知人、友人等)による、転職の割合が一定数あるからかな?って思います。
仕事探しは慎重に!
転職することで、給料を増やしたり、労働条件や労働環境を改善し、今の職場の不満を解消することはできますが、すべての人がそうなるとは限りません。
というのも、厚生労働省の「労働基準監督年報(平成30年)」によると、日本企業の約7割に、労働基準法違反があったとされています。
内容としては、
- 長時間労働
- 残業代の未払い
- 労働条件を明示してない
が比較的、多いです。
労働基準法って、労働条件の最低基準を定めたものなので、これが守れてないっていうのは、ちょっと「ブラック感」が漂うってことです。
つまり、「転職したとしても、かなりの確率で、労働基準法違反の職場にあたってしまう」ってことなんです。
【関連記事】
⇒労働基準関係法令違反の内容と割合【日本企業の約7割に違反あり】
だからこそ、
- 自分にとって、どんな職場が働きやすいのか?
- 仕事をするうえで、優先すべき要素はなんなのか?
をしっかり考えて、転職先を探した方がいいと思います。
結局、納得度の高い転職ができるかどうかは、事業主と労働者のマッチングの問題だと思うので。
もし、「情報収集ってどうやったら?」とか「条件交渉が苦手・・・」というなら、繰り返しにはなりますが、エージェントサービス(リクルートエージェントなど)を利用してみてください。
完全無料で、情報収集、条件交渉、面接などの日程調整をすべてやってくれますので。
まとめ
ここで、「転職した人の労働条件の変化と就業実態」について、まとめておきます。
- 転職した4割以上の人の給料が増えている
- 3割以上給料が増えた人は、転職した人の「8.9%」
- 転職するなら45歳までにしたほうがリスクが低い(賃金的な)
- 男性の転職理由1位は、「会社の将来に不安を感じたから」
- 女性の転職理由1位は、「労働条件(賃金以外)」
- 男女ともに、ハローワーク等の公的機関の利用が多い
- 学歴が高いほど、エージェントサービスの利用者が多い
- 年齢層が若いほど、エージェントサービスの利用率が高い
- 転職活動は、比較的、スムーズに行えている
この調査からもわかるとおり、転職というと、ハローワークを利用する人が多いです。
これは、失業保険の給付が大きく関わっていると思います。
この考えには、僕も大きく賛同しますが、失業保険って、ハローワークを利用して転職する必要はないんですよね。
ハローワークって、どうしても転職先の情報量が少なく、会社側も無料で求人を出せるので、採用に対する真剣さが低いんですよね。
「あわよくば・・・」みたいな感じです。
なので、しっかり失業給付を受けつつ、民間の転職サイトやエージェントサービスを利用して、仕事探しは慎重に行うことをオススメします。
特に、転職が決まった際に、祝い金として受け取れる「再就職手当」は、給付額も増えていて、もらわないのはもったいないと思います。
ぜひ、お得に、いい転職をしてください。
【関連記事】
再就職手当については、こちらの記事を。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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