【給料比較のしかた】給与総額と労働時間から時給換算して考えよう

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時間とお金を天秤にかける、労働時間管理

就職や転職するとき、給料の総支給額を気にする人は多いですが、時給換算して比較する人は少ないです。

「実際に受け取れる金額さえ多ければいい」という人なら、それでもいいと思いますが、

  • ワークライフバランスを重視
  • 自分の市場価値(労働価値)を意識して働く

といった場合、残念な就職・転職になってしまう可能性が高くなります。

 

そこで、この記事では、残念な就職・転職をしてしまわないために、

「なぜ、給料は、時給で比較すべきなのか?」

についてまとめておきます。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 転職しようと考えている
  • 現在、就職・転職活動を行っている
  • 看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、介護職、医療事務など、医療・介護業界で働いている
この記事は、医療・介護施設で、人材採用を5年以上担当してきた経験をもとに書いています。

総支給額が多くても、労働時間が長ければ、時給(給料)は安くなる

「なぜ、転職するときの給料は時給で比較すべきなのか?」ですが、それは次の3つの理由からです。

  • 総支給額を時給換算することで、自分の1時間あたりの価値を明確化できる
  • 時給で比較することで、正確な給料比較ができる
  • 労働時間が短ければ、副業・兼業がしやすくなる

 

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

総支給額を時給換算することで、自分の1時間あたりの価値を明確化できる

時給換算して比較するってことは、つまりは、自分の1時間あたりの価値を明確化し、自分の安売りをやめるってことです。

時給比較をしないってことは、知らず知らずのうちに、自分を安売りしている可能性があります。

 

たとえば、同じ、年収300万円であっても、

  1. 年間労働時間 2,000時間
  2. 年間労働時間 1,850時間

であれば、1は「時給1,500円」ですが、2は「時給1,621円」となります。

その差、121円です。

時給に121円の違いがあるってことは、年間では20万円以上の金額差になります。

 

また、労働時間も「150時間」違いますので、2の方が「約1ヶ月休みが多い」ということになります。

当然、誰だって、2の条件で働きたいと思いますよね。

 

結果、給料を時給で考えるということは、納得度の高い働き方ができるってことなんです。

労働時間が、あまりにも長い会社の場合(サービス残業が多いなど)、最低賃金より低い時給で働いていたなんてこともありますし。

時給で比較することで、正確な給料比較ができる

1つ目の「自分の1時間あたりの価値を明確化できる」に通じるところもありますが、給料を時給で比較することで、正確な給料比較をすることができます。

というのも、労働基準法では労働時間について、

労働基準法

(労働時間)

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

と定められておりますが、事業所(会社)によって、バラつきがすごいからです。

労働時間の上限は、1日8時間、週40時間以内です。(36協定を締結している場合を除きます)

 

それは、

  • 1日の所定労働時間数の違い
  • 年間休日数の違い
  • 有給休暇取得率の違い
  • サービス残業の有無(本来は、ダメなんですけど・・・)

などによるものです。

 

試しに、次の3パターンで比較してみます。

 A事業所B事業所C事業所
1日の所定労働時間8.0時間8.0時間7.5時間
年間休日数120日110日110日
有給休暇平均取得数5日10日15日
サービス残業の有無有(月20時間)
年収額400万円380万円360万円
時給約1,851円約1,938円2,000円

 

パッと、年収額と年間休日数を見ただけだと、「A事業所が、給料も休日も多いから、A事業所で決まりだな!」となっちゃいますが、時給比較をすると、

  • A事業所の場合「年間労働時間2,160時間、年収400万円」なので、時給1,851円
  • B事業所の場合「年間労働時間1,960時間、年収380万円」なので、時給1,938円
  • C事業所の場合「年間労働時間1,800時間、年収360万円」なので、時給2,000円

「C事業所の時給が高く、休みも多い」となります。

 

もちろん、就職・転職で何を優先するかは人それぞれでOKなんですが、「時間」ってかなり貴重なものなので、正確な給料比較を行い納得して働きたいですよね。

じゃないと、給料(総支給額)はいいけど、地獄の労働で家族や趣味の時間が全くないなんてこともありえますので。

労働時間が短ければ、副業・兼業がしやすい

現在、国は、副業・兼業を推奨しています。

 

時給で給料を考えるということは、つまりは「労働時間数」を意識することです。

そして、労働時間を意識することで生産性が上がりますので、副業・兼業の時間を確保しやすくなります。

 

特に、僕が働いている医療・介護業界は、

  • 看護師、介護職の夜勤バイト
  • 薬剤師の調剤薬局やドラックストア
  • 理学療法士、作業療法士の訪問リハビリやデイサービス

など、単価の高い副業(アルバイト)が可能です。

そのため、本業で長時間拘束(サービス残業などで)されるより、別の事業所で勤務した方が稼ぐ効率が良かったり、本業とは違う経験価値を得たりできます。

看護師の夜勤バイトなら、1回25,000~30,000円ぐらいが相場です。(もっと出すところもあります)
また、薬剤師さんなどでは、時給2,300~3,000円ぐらいがあたりまえです。

 

もちろん、労働時間が少ないってことは、家族と過ごしたり、趣味の時間を確保したりできますので、給料を時給で考えるというのは、人生の幸福度を高めるという意味でも大切なことです。

 

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僕の経験則ではありますが、医療・介護業界は、その事業所(法人)によって、年間の所定労働時間はぜんぜん違います。

僕が知っている範囲でも、次のような好条件の事業所(診療所)もあります。

  • 1日の所定労働時間 7.5時間
  • 年間休日数 140日
  • 有給休暇取得率 90%
  • 残業時間、月5~10時間程度
  • サービス残業なし

 

もちろん、逆の事業所もあります・・・

 

なので、転職するときなどは、総支給額に惑わされることなく、色々な事業所を様々な条件で比較してみてください。

もちろん、時給で比較することも忘れずに。

応募・面接の際に必ず確認しておくポイント

給料を時給で比較する際には、面接などの際に次のことを確認しておきましょう。

じゃないと、正確な比較ができませんので。

  • 月額給与額
  • 年間賞与額(前年実績など)
  • 1日の所定労働時間
  • 年間休日数
  • 有給休暇の発生日数(サイクル)
  • 有給休暇取得率(できれば、配属部署のもの)
  • 有給休暇の取りやすさ
  • 残業の平均時間
  • サービス残業の有無(聞きにくいと思いますが・・・)

 

自分で聞きにくい場合は、転職サービス(dodaエージェントなど)を活用して確認してもらいましょう。

転職サービスは、完全無料で利用できますので。

 

【関連記事】

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まとめ

ここで、「残念な就職・転職をしてしまわないためのポイント」について、まとめておきます。

  • 自分の1時間あたりの価値を明確化し、自分の安売りをやめる
  • 時給比較で、総支給額に惑わされることなく、正確な給料比較ができる
  • 労働時間数を意識し、副業・兼業で収入および経験価値を上げる
  • 医療・介護業界の年間労働時間数はバラつきがスゴイので、色々な事業所を比較する
  • エージェントサービスを活用して、情報収集を行う

 

給料の時給比較を意識することで、その事業所の勤務状況などの情報収集を自然とするようになります。(あたりまえになります)

結果、あなたの希望条件にあった職場に出会える確率も上がると思います。

 

ぜひ、自分の価値を時給で考え、ステキな転職をしてください。

 

なお、転職の際は、雇用保険(ハローワーク)から「再就職手当」をもらいましょう。

以前に比べ、給付額が上がったので、もらわないのはもったいないです。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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