この記事では、
- 理学療法士、作業療法士の最適な転職時期
- 理学療法士、作業療法士と看護師の転職市場との違い
について紹介しています。
理学療法士、作業療法士の転職は、看護師と違い「年齢による制限」が結構はっきりしています。
なので、あまり年齢を重ねてからの転職はオススメできません。
もし、あなたが
- 転職のタイミング
- 今後のキャリア形成
について悩んでるなら、ぜひ読んでみてください。
「現役の理学療法士、作業療法士」と「セラピストの人材紹介会社さん(担当者)」の意見をまとめていますので。
理学療法士、作業療法士は、40歳までに理想の職場を見つけよう
理学療法士、作業療法士で転職する人の約85%は、20~30代です。
しかも、そのうち20代が「55%」を超えています。
これは、
- 理学療法士、作業療法士が、比較的若い国家資格であること
- 採用側(病院など)の意図
が影響しています。
なので、40歳以降の転職は、20~30代までに比べ、かなり厳しくなります。
40歳以降は、採用してくれるところが一気に減る
人材紹介サービスを行っている「マイナビコメディカル(担当者)」さんの話しによると、理学療法士・作業療法士さんの場合、年齢が上がるほど就職(採用)先が減るそうです。
特に、50代ともなると、転職はかなり厳しくなるとのこと。
理由としては、リハビリテーション科の責任者は、比較的若い人が多いということもあり、
「自分より年上(経験年数が多い人)を、あまり採用したくない」
と考えているからだそうです。
また、40歳を超えた理学療法士・作業療法士さんの場合、
「他の病院で役職を持っているケースが多いため、採用するときにそのポジションがない」
ということもあります。
ちなみに、うちで働いている理学療法士・作業療法士さん(すべて30代)4名に話を聞きましたが、
- 40歳を過ぎるとセラピストの転職は、かなり厳しくなる
- 転職するなら、20~30代のうちにしないと・・・
という意見でした。
看護師の転職者(求職者)は、40歳以上が「62.8%」
「理学療法士、作業療法士」と「看護師」の転職市場を比較してみると、あまりの違いにびっくりします。
まず、看護師の転職者(年代別)ですが、次のようになっています。
【求職者(看護職員)の年齢構成】
出典:日本看護協会「令和2年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書より作成
年代別にまとめると、こんな感じになります。
年代 | 求職者の割合 |
20代 | 14.5% |
30代 | 22.7% |
40代 | 28.7% |
50代 | 22.6% |
60代 | 11.5% |
看護師の転職者(求職者)は、40代がもっとも多く「28.7%」となっています。
なお、40歳以上の転職者は「62.8%」であることから、看護師の転職に「年齢制限」は、ほぼないと言えます。
次に、理学療法士、作業療法士の場合です。
年代 | 求職者の割合 |
20代 | 55.1% |
30代 | 29.9% |
40代 | 13.6% |
50~60代 | 1.4% |
理学療法士、作業療法士の転職者(求職者)は、20代がもっとも多く「55.1%」となっています。
なお、40歳以上の転職者は「15.0%」で、50歳以上については、1.4%です。
同じ医療資格(国家資格)でも、転職動向(意向)はこんなにも違いがあります。
理学療法士の経験年数と役職の関係
病院によって様々だと思いますが、うちの理学療法士、作業療法士は、次のように考えている人が多かったです。
【セラピストの経験年数と役職】
経験年数 | 役職等 |
3年まで | 新人層 |
4~5年 | チームリーダー |
6~8年 | 主任レベル |
9年以上 | 係長や科長など |
もちろん、目指す方向性によっても変わってきます。
たとえば、
- プレイヤーとして、リハビリ技術の向上を目指すのか?
- マネージャーとして、人材育成や組織管理を学ぶのか?
って感じで。
ただ、採用する側(病院や施設など)からすれば、その人の経験年数に応じて、それだけの期待をするってことなんですよね。
なので、
「自分は、経験年数が○○年だから、これぐらいの仕事を期待されるんだろうな~」
と、相手の期待値を考慮したうえで、転職を考えることが大切になります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(35歳)の平均給与は「月額30万円、年間賞与71万円」
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」から、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士さんの給与について載せておきます。
転職するときの目安にしてみてください。
- 35.1歳、勤続7.4年の理学療法士・作業療法士の平均年収は「4,265,400円(残業手当含む)」
- 月の平均残業時間は「4~5時間」
- 事業所規模の大きい事業所の方が年収が高く、労働時間が短い
- 訪問看護、訪問リハビリの給料(年収)は高い
- 経験年数1~4年の理学療法士・作業療法士の基本給(所定内賃金)は「25万円」
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与のピークは「55~59歳」
- 医療・介護系職種の中で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給料は平均的
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は人手不足で就職・転職しやすい(有効求人倍率3.15倍)
「もっと詳しく知りたい~」という人は、こちらの記事を。
理学療法士・作業療法士の需要と供給のバランス
厚生労働省は、理学療法士の需要と供給のバランスが、次のようになると推計しています。
【理学療法士・作業療法士の需給推計】
出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」
需要に対し、供給が圧倒的に多くなっています。
つまり、超買い手市場で、理学療法士・作業療法士の仕事がない状態です。
現在の職場で適正に評価されているなら問題はありませんが、もしそうじゃない場合は、きちんと評価してもらえる職場を探した方がいいと思います。
超買い手市場ってことは、市場から評価される人しか採用されないってことなんで。
まとめ
ここで、理学療法士、作業療法士の転職市場(転職動向)についてまとめておきます。
- 40歳以降の転職は、20~30代までに比べ、かなり厳しくなる
- 40歳までに、色々な職場を経験し「スキルアップ」をしておこう
- 40歳までに、理想の職場を見つけ、その後の転職は極力避けよう
- 経験年数に応じた採用側の期待値を考慮し、転職を考えよう
- 労働市場の需要と供給のバランスを考え、キャリアを考える
「理学療法士、作業療法士」という資格は、比較的若い国家資格です。
ですので、今後の年齢構成の変化によって、転職市場も大きく変わってくるかもしれません。
ただ、
- 現在の職場に不満がある(給与、待遇、労働時間、休暇、評価など)
- スキルアップを考えてる
というなら、早めに決断したほうがいいです。
変わるかどうかわからない「転職市場」を待っていても意味がないですし。
ちなみに、
「情報収集ってどうやったら?」
「勤務が忙しくて情報を集めている時間がない・・・」
「給与などの条件交渉が苦手・・・」
という人は、無料で利用できる転職エージェント(マイナビコメディカル・PT・OT・ST WORKERなど)の活用をオススメします。
キャリアアドバイザーさんが、あなたの希望にあった職場を紹介してくれるうえ、情報収集、条件交渉、面接などの日程調整をすべてやってくれますので。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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