ひとり親(シングルマザーなど)の方で、収入による生活や将来などへの不安から
「資格を取得して働きたい」
という人、多いですよね。
ただ、
- 学校に通っている間、収入が・・・
- 働きながらだと、勉強する時間がないし・・・
みたいに思って、資格取得をあきらめている人も多いです。
そこで、この記事では、看護師などの国家資格等を取得するときに生活費を支援してくれる「高等職業訓練促進給付金」について、まとめておきます。
国家資格等を取得することで、収入は増えますし、転職の自由度も上がります。
結果、安定した職場に出会える可能性が高まります。
ぜひ、活用してみてください。
高等職業訓練促進給付金とは?
ひとり親(シングルマザーなど)の方が、国家資格等の取得を目指して、養成機関で修業する期間の生活費を支援するため、給付金を支給する制度です。
給付の対象となる国家資格(例)
医療・福祉系の資格が多めです。
高等職業訓練促進給付金の目的が、「就職の際に有利であり、かつ生活の安定に資する資格の取得を促進する」となっているためだと思います。
医療・福祉系の職種は、人材も不足していることもあり、資格を取得すれば、結構、どこでも働けますからね。
【給付の対象となる国家資格(例)】
- 看護師
- 准看護師
- 保育士
- 介護福祉士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 歯科衛生士
- 美容師
- 社会福祉士
- 製菓衛生師
- 調理師
- シスコシステムズ認定資格
- LPI認定資格 等
僕としては、「看護師・准看護師」をゴリ押しします。
支給額・支給期間
高等職業訓練促進給付金の制度には、
- 高等職業訓練促進給付金
- 高等職業訓練修了支援給付金
の2種類の給付金があり、支給額と支給期間は、次のようになっています。
高等職業訓練促進給付金 | 高等職業訓練修了支援給付金 | |
住民税非課税世帯 | 月額100,000円 | 50,000円 |
住民税課税世帯 | 月額70,500円 | 25,000円 |
支給期間等 | 修業期間の全期間(上限4年) | 修了後に支給 |
養成機関における課程修了までの期間の最後の12ヶ月については、高等職業訓練促進給付金の支給額が月額4万円増額となりますので、次のようになります。
【修業期間の最後の12ヶ月】
- 住民税非課税世帯 月額140,000円
- 住民税課税世帯 月額110,500円
なお、准看護学校卒業後、引き続き、看護師資格取得のために修業する場合は、通算で上限4
年(48ヶ月)の支給となります。(令和3年4月1日改正)
高等職業訓練促進給付金の「支給対象となる人」
次の要件をすべて満たす人が、高等職業訓練促進給付金の支給対象となります。
- 20歳未満の児童を扶養する母子家庭の母または父子家庭の父であること
- 児童扶養手当の支給を受けているか、または同等の所得水準にあること
- 養成機関において1年以上のカリキュラムを修業し、資格取得が見込まれること
- 就業または育児と、資格取得のための修業との両立が困難と認められること
- 過去に高等職業訓練促進給付金の支給を受けたことがないこと
高等職業訓練修了支援給付金については、修業開始日及び修了日において上記「1から5の条件」を満たし、過去に高等職業訓練修了支援給付金の支給を受けたことがない人が支給対象となります。
ちなみに、「児童扶養手当をの支給をうけることができる所得額」とは、次のとおりです。
参考までに。
扶養人数 | 所得額 |
0 | 1,920,000円未満 |
1 | 2,300,000円未満 |
2 | 2,680,000円未満 |
3 | 3,060,000円未満 |
4 | 3,440,000円未満 |
支給手続きの流れ
高等職業訓練促進給付金の支給を受けるためには、事前相談が必須です。
なので、「現在、看護師学校に通っていて、高等職業訓練促進給付金の制度を知ったから支給申請しようかな?」というのはできません。
理由としては、高等職業訓練促進給付金は、経済的支援を受けなければ、学校に通えない人を支援する制度だからです。
わかりやすく言うと、「支援を受けなくても、学校通えてるよね?」ってことです。
資格取得をしたいと思ったら、まず、お住いの自治体(都道府県または市区町村)に相談しましょう。
相談すれば、そのあとの手続き(申請など)は教えてくれますので、安心ですし。
ちなみに、「支給までの流れ」としては、次のとおりです。
参考までに。
【高等職業訓練促進給付金の支給までの流れ】
高等職業訓練促進給付金って、どのくらいの人が活用しているの?
出典:厚生労働省「ひとり親自立促進パッケージ」の推進について
令和元年度の実績では、
- 総支給件数 7,348件(全ての修学年次を合計)
- 資格取得者数 2,855人(看護師1,212人、准看護師1,016人、保育士162人、美容師103人など)
- 就職者数 2,121人(看護師1,035人、准看護師603人、保育士137人、美容師72人など)
と結構、多くの人が、この制度を活用して資格を取得しています。
Q&A「自治体の担当者に確認したこと」
高等職業訓練促進給付金について、担当者から教えてもらったことをまとめておきます。
参考程度に、ご覧ください。
働きながらでも、給付金はもらえますか?
もらえます。
たとえば、看護師の資格取得を目指している方で、学校が休みの日や時間に病院などで働きながら、給付を受けることができます。
事前相談のタイミングは、学校への入学(合格)が決まってからでいいですか?
学校などへの受験の前に、相談してほしい。
事前相談の際に、受給要件や生活状況なども含め、確認し、申請の流れなどについて案内します。
入学後の事前相談はできますか?
できません。(高等職業訓練促進給付金は支給されません)
通信制でも、給付金はもらえますか?
通信制は、給付の対象外となります。
引っ越しなどで、他の自治体に移った場合、別の資格で高等職業訓練促進給付金を再度もらうことはできますか?
高等職業訓練促進給付金は、一生に1度しか利用できない制度なため、自治体が変わっても、2回目の給付を受けることはできません。
学校を途中で退学(修業をやめるなど)した場合は、給付はどうなりますか?
学校に通っている期間までの給付となります。(受給要件を満たせなくなった時点で支給停止)
また、資格が取得できなかったからといって、給付金の返金などはありません。
親と同居でも給付金はもらえますか?
受給要件を満たせば、もらえます。
なお、高等職業訓練促進給付金の所得要件は、本人の所得額で判断するため、親と同居だからといって、給付されないということはありません。
まとめ
ここで、「高等職業訓練促進給付金」について、まとめておきます。
- ひとり親の方の資格取得を支援(生活費を支給)
- 対象資格は、看護師などの医療、福祉系資格が多め
- 支給額は、毎月10万円(住民税課税世帯は、毎月70,500円)
- 支給を受けるには、事前相談が必須
- 働きながらでも、給付を受けられる
高等職業訓練促進給付金は、「毎月10万円の生活費を支給」と、かなり手厚い制度ですが、
「資格取得には、学費もかかるよね?どうしたらいいの?」
という人もいると思います。
そういう人は、ぜひ、看護師・准看護師を目指してみてください。
病院の奨学金制度を利用すれば、学費無料で資格取得ができますので。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
⇒病院の「奨学金審査」を100%通す方法【学費無料で看護師になるには】
また、資格取得を考えて、職場を変える(転職)する際は、雇用保険の「再就職手当」をもらいましょう。
再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってますので。
⇒許可・届出のある職業紹介事業者等の定義とは?【再就職手当の要件】
⇒失業等給付の「再就職手当」とは?【支給要件・支給金額・申請手続きの説明】
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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