この記事では、
「特定技能(介護分野)制度の外国人受入れ機関の基準」
について紹介しています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 介護職員さんの人材確保(採用)に苦労している
- 外国人労働者の受入れを考えている
- 法務省入国管理局の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」を読まずに各基準のポイントだけ知りたい
「そもそも、特定技能制度ってなんなの?」という人は、こちらの記事をどうぞ。
- 特定技能外国人を受入れるための主な基準と義務
- 詳細な取扱いは、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」で確認する
- 雇用関係に関する事項に関するもの
- 外国人の適正な在留に資するために必要な事項に関するもの
- 適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係るもの
- 労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの
- 非自発的離職者の発生に関するもの
- 行方不明者の発生に関するもの
- 関係法令による刑罰を受けたことによる欠格事由
- 特定技能所属機関の行為能力、役員等の適正に係る欠格事由
- 実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由
- 出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの
- 暴力団排除の観点からの欠格事由
- 特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの
- 保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由
- 支援に要する費用の負担に関するもの
- 派遣形態による受入れに関するもの
- 労災保険法に係る措置等に関するもの
- 特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの
- 報酬の口座振込み等に関するもの
- 分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
- 適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係るもの
- まとめ
特定技能外国人を受入れるための主な基準と義務
外国人受入れ機関になるための「特定技能所属機関」の基準は、かなり多いです。
なので、まずは、大まかな「受入れ機関が満たすべき基準の概要」から見ていきます。
全体のイメージを掴んでおくと、わかりやすくなると思いますので。
法務省入国管理局の資料「新たな外国人材の受入れについて」では、
【受入れ機関が外国人を受け入れるための基準】
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切(例:報酬額が日本人と同等以上)
- 機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
- 外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
- 外国人を支援する計画が適切(例:生活オリエンテーション等を含む)
【受入れ機関の義務】
- 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行(例:報酬を適切に支払う)
- 外国人への支援を適切に実施
⇒支援については、登録支援機関に委託も可。 - 出入国在留管理庁への各種届出
とされています。
要するに、特定技能所属機関(受入れ機関)の基準って、
「適正な在留管理、労働条件の確保、雇用管理、生活上の支援などにより特定技能外国人が、安定的かつ円滑な在留活動を行えるようにする要件を定めたもの」
ってことなんですよね。
詳細な取扱いは、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」で確認する
特定技能所属機関(外国人受入れ機関)の基準については、法務省入国管理局の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」でかなり細かく説明されています。
なので、これさえ読めば、OKです。
ただ、別冊の運用要領を含めると「200ページ」を超えるため、読み込むのにかなりの根気が必要です・・・
こんな感じです。
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領 約170ページ
- 1号特定技能外国人支援に関する運用要領 約25ページ
- 特定の分野(介護)に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 約12ページ
そして、その根気が必要な「運用要領」から、特定技能外国人の受入れを行うための基準(項目)だけを抜き出すと次のようになります。
特定技能雇用契約の内容の基準
【雇用関係に関する事項に関するもの】
- 従事させる業務に関するもの
- 所定労働時間に関するもの
- 報酬等に関するもの
- 一時帰国のための有給休暇取得に関するもの
- 派遣先に関するもの
- 分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
【外国人の適正な在留に資するために必要な事項に関するもの】
- 帰国担保措置に関するもの
- 健康状況やその他の生活状況把握のための必要な措置に関するもの
- 分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
特定技能雇用契約の相手方(受入れ機関)の基準
【適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係るもの】
- 労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの
- 非自発的離職者の発生に関するもの
- 行方不明者の発生に関するもの
- 関係法令による刑罰を受けたことによる欠格事由
- 特定技能所属機関の行為能力、役員等の適正に係る欠格事由
- 実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由
- 出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの
- 暴力団排除の観点からの欠格事由
- 特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの
- 保証金の徴収、違約金契約等による欠格事由
- 支援に要する費用の負担に関するもの
- 派遣形態による受入れに関するもの
- 労災保険法に係る措置等に関するもの
- 特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの
- 報酬の口座振込み等に関するもの
- 分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
【適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係るもの】
- 中長期在留者の受入れ実績等に関するもの
- 十分に理解できる言語による支援体制に関するもの
- 支援の実施状況に係る文書の作成等に関するもの
- 支援の中立性に関するもの
- 支援実施義務の不履行に関するもの
- 定期的な面談の実施に関するもの
- 分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
基準の項目だけで、こんなにある・・・
ただ、理解しないことには特定技能制度を利用することは難しいので、投げ出すわけにはいきません。
そこで、結構、がっつり読み込んでみましたので、各基準について、極力わかりやすく説明していきます。(あくまで、僕が理解した範囲です)
雇用関係に関する事項に関するもの
従事させる業務に関するもの
特定技能外国人に従事してもらうことのできる仕事は、特定産業分野ごとに変わってきますが、ここでは、「介護分野」における業務内容について紹介します。
特定技能「介護」における業務内容は、
- 身体介護等(入浴、食事、排せつの介助等)
- 身体介護等に付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)
- 日本人が通常従事する関連業務(掲示物の管理、物品の補充等)
となっていますので、いわゆる「一般的な介護業務」って感じです。
所定労働時間に関するもの
特定技能外国人の所定労働時間は、その事業所で働いている通常の労働者(常勤)と同じでなければいけません。
なので、事業所によってバラつきはあるんでしょうが、「1日8時間、週40時間」が基本ってことになります。
報酬等に関するもの
特定技能外国人の給与は、日本人労働者の給与と同等以上でなければなりません。
また、経験年数の取扱いについて、
とされていますので、通常の労働者と同じように、経験年数に応じた給与設定を行なわなければなりません。
一時帰国のための有給休暇取得に関するもの
特定技能外国人が一時帰国を希望した場合には、原則、必要な有給休暇を取得させなければなりません。
もし、法定の有給休暇を使い切ってしまっていた場合であっても、追加的な有給休暇の取得や無給休暇を取得できるようにする必要があります。
派遣先に関するもの
介護分野については、派遣労働者の受入れはできませんので、この基準は気にしなくてOKです。
分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
「雇用関係に関する事項に関するもの」における、介護分野特有の基準はありません。
外国人の適正な在留に資するために必要な事項に関するもの
帰国担保措置に関するもの
特定技能雇用契約終了後に、特定技能外国人が帰国するときの帰国費用については、原則、本人負担ですが、帰国費用を負担できないとき(理由は関係なく)は、受入れ機関が費用を負担する必要があります。
また、帰国のための航空券の予約や購入なども行わなければなりません。
ただ、「行方不明」になった場合を除きます。
健康状況やその他の生活状況把握のための必要な措置に関するもの
通常の労働者同様に、特定技能外国人についても、入職時健診や定期健康診断を行わなければなりません。
また、生活状況の把握として、
- 緊急連絡網の整備
- 定期的な面談
を行い、日常生活などで困っていないか確認することが必要です。
分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
「外国人の適正な在留に資するために必要な事項に関するもの」における、介護分野特有の基準ありません。
適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係るもの
労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの
特定技能外国人の受入れ機関は、
- 労働関係法令
- 社会保険関係法令
- 租税関係法令
を遵守していなければなりません。
具体的には、
- 労働基準法等の基準にのっとって、雇用契約が結ばれているか
- 雇用保険や労災保険の保険料を適切に納付しているか
- 社会保険料の未納がないか
- 源泉所得税、法人税、消費税、住民税などが適切に納付されているか
って感じです。
まぁ、特定技能所属機関(受入れ機関)じゃなくても、各種法令を遵守する必要はあると思いますが・・・
非自発的離職者の発生に関するもの
特定技能外国人の受入れに際し、現に雇用している国内労働者などに対し、解雇や退職勧奨を行い、離職させてはいけません。
つまり、
「特定技能外国人を受入れるために、他の労働者を辞めさせちゃダメだよ~」
ってことです。
でも、そもそも、人材不足の業界で、そんなことってあるんでしょうか?
そんなことできる余裕があるなんて、ちょっと羨ましい気もしますが・・・
行方不明者の発生に関するもの
特定技能所属機関(外国人受入れ機関)の「責めに帰すべき事由」により、外国人の行方不明者を発生させた場合は、基準(要件)に適合できなくなります。
なお、「責めに帰すべき事由」とは、
- 特定技能所属機関が、雇用条件どおりに賃金を適正に支払っていない場合
- 1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合
など、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に、特定技能外国人が行方不明となった場合のことをいいます。
なので、「ちゃんとやっていたのに、いきなりいなくなっちゃった・・・」って場合は、「責めに帰すべき事由」にはならないってことですね。
関係法令による刑罰を受けたことによる欠格事由
次に該当する場合は、特定技能所属機関(外国人受入れ機関)になることはできません。
- 禁錮以上の刑に処せられた者
- 出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者
- 暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
- 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者
特定技能所属機関の行為能力、役員等の適正に係る欠格事由
次に該当する場合は、特定技能所属機関(外国人受入れ機関)になることはできません。
- 精神の機能の障害により特定技能雇用契約の履行を適正に行うに当たっての必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人がイからヌまで又はヲのいずれかに該当するもの
- 法人であって、その役員のうちにイからルまでのいずれかに該当する者があるもの
なお、この項目でいう「イからヌ」とは、次のとおりです。
参考までに。(ちょっと長いので、ポイントだけ抜き出しています)
- イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
- ロ 各種法律(労働基準法など)にかかる罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
- ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律による罰金の刑の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
- ニ 健康保険法等による罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
- ホ 精神の機能の障害により特定技能雇用契約の履行を適正に行うに当たっての必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- ヘ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- ト 技能実習法第十六条第一項の規定により実習認定を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者
- チ 技能実習法第十六条第一項の規定により実習認定を取り消された者が法人である場合、当該取消しの処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員であった者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しないもの
- リ 特定技能雇用契約の締結の日前五年以内又はその締結の日以後に、次に掲げる行為その他の出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
(1)外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
(2)外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
(3)外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為
(4)外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
(5)(1)から(4)までに掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為 - ヌ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
- ル 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人がイからヌまで又はヲのいずれかに該当するもの
- ヲ 法人であって、その役員のうちにイからルまでのいずれかに該当する者があるもの
実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由
技能実習生を受け入れていた場合で、実習認定の取消しを受けた者は、特定技能所属機関になることはできません。
当該取消日から5年を経過しない者がその対象となります。
出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの
出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を行った者は、特定技能所属機関(外国人受入れ機関)になることはできません。
なお、ここでいう不正行為等とは、次のような場合です。
- 外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
- 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
- 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為
- 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
- 1から4に掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為
- 偽変造文書等の行使・提供
- 保証金の徴収等
- 届出の不履行又は虚偽の届出
- 報告徴収に対する妨害等
- 改善命令違反
- 不法就労者の雇用
- 労働関係法令違反
- 技能実習制度における不正行為
「先にあげた欠格事由と、いくつか重複してない?」と疑問に思う項目がありますよね・・・
暴力団排除の観点からの欠格事由
次に該当する場合は、特定技能所属機関(外国人受入れ機関)になることはできません。
- 暴力団員等及びその役員が暴力団員等
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの
活動状況に係る文書とは、
- 特定技能外国人の名簿
- 特定技能外国人の活動状況に関する帳簿
- 特定技能雇用契約の内容
- 雇用条件
- 特定技能外国人の待遇に係る事項が記載された書類(賃金台帳)
- 特定技能外国人の出勤状況に関する書類(出勤簿等の書類)
をいい、事業所に備えて置くことが必要です。
各文書の詳しい記載内容については、こちらの記事を。
保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由
特定技能外国人の失踪や労働契約の不履行に対し、保証金や違約金契約を締結することは違法であり、禁止されています。
また、特定技能所属機関(受入れ機関)は、特定技能外国人やその親族等が、登録支援機関や職業紹介会社等に
- 保証金の徴収
- 財産の管理
- 違約金契約
を締結させられていることを知りながら、特定技能外国人を受入れてはいけないことになっています。
支援に要する費用の負担に関するもの
支援に要する費用とは、1号特定技能外国人支援の「義務的支援」に必要となる費用のことです。
「義務的支援」の主な内容としては、次のようなものになります。
- 外国人が十分理解できる言語での対応
- 入国前の生活ガイダンスの提供
- 入国、出国時の空港等への出迎え、見送り
- 住宅の確保
- 在留中の生活オリエンテーションの実施
⇒預金口座開設や携帯電話の利用契約の支援を含む - 日本語習得
- 相談、苦情への対応
- 各種行政手続き
- 転職支援(自己都合退職以外の場合)
これらに係る費用は、特定技能外国人に負担させることはできません。(支援に要する費用には、登録支援機関への委託費用も含みます)
派遣形態による受入れに関するもの
介護分野については、派遣労働者の受入れはできませんので、この基準は気にしなくてOKです。
労災保険法に係る措置等に関するもの
特定技能外国人にも、
「労働者災害補償保険(労災保険)が適用できるようにしましょう」
ってことですね。
まぁ、原則、労働者を1人でも使用している事業場は、法律上、当然に労災保険が適用されることとなりますので、この項目は、あまり気にしなくていい気がします。
特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの
特定技能所属機関(受入れ機関)が、事業を安定的に継続し、特定技能雇用契約を履行できるかを判断します。
つまり、「経営状態が安定しているか?(財政的基盤を有しているか)」ってことです。
具体的には、直近2年分の決算書(貸借対照表、損益計算書)などから、赤字や債務超過の有無などにより総合的に判断されます。
報酬の口座振込み等に関するもの
特定技能外国人の報酬(給与)の支払いは、預貯金口座等への振込みが推奨されています。(もちろん、本人の同意を得たうえです)
これは、報酬の支払を確実かつ適正なものにするためです。
なお、外国人が同意しない場合は、労働基準法にのっとり通貨で支払うことになります。
分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
もしかすると、項目(分類)が別かもしれませんが、介護分野の追加基準としては、次のようなものがあります。
【特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準】
- 事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人などの常勤介護職員の総数を上限とすること
- 特定技能所属機関は、厚生労働省が設置する「介護分野における特定技能協議会」の構成員になること
- 特定技能所属機関は、「介護分野における特定技能協議会」に対し、必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、厚生労働省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと
介護分野の追加基準については、こちらの記事で詳しく説明しています。
適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係るもの
これから紹介する基準(要件)は、外国人労働者の受入れ実績や生活相談の経験の有無など、ちょっとハードル高めですが、登録支援機関に全委託することができますので、特定技能所属機関(外国人受入れ機関)で行う必要はありません。
もちろん、受入れ機関が自ら実施してもOKですけどね・・・
【関連記事】
中長期在留者の受入れ実績等に関するもの
特定技能所属機関(受入れ機関)は、次のいずれかに該当しなければなりません。
- 過去2年間に外国人労働者の受入れ実績があり、支援計画の実施に関する責任者(支援責任者)を選任していること
- 過去2年間に外国人労働者の生活相談業務に従事した経験を有するものの中から、1名以上の支援担当者を選任していること
- 1.2.に該当する者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として出入国在留管理庁館が認めたものの中から、1名以上の支援担当者を選任していること
つまり、特定技能外国人の受入れを行うには、外国人労働者の受入れ実績や経験が必要ってことです。
なので、新しく特定技能外国人の受入れを行おうとする事業所は、原則、登録支援機関への委託が必須ってことになります。
基準を満たすことは難しいでしょうから。
まぁ、基準を満たした職員を採用できればいいんでしょうけど・・・
十分に理解できる言語による支援体制に関するもの
特定技能外国人が、内容をしっかり理解できる言語で、情報提供や相談などが行なえる体制を確保する必要があります。
場合によっては、通訳の人を雇ったり、委託したりする必要がありますね。
支援の実施状況に係る文書の作成等に関するもの
特定技能所属機関(受入れ機関)は、「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」を作成し、特定技能雇用契約の終了日から1年以上保管しておく必要があります。
なお、「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」とは次のようなものです。
- 支援実施体制に関する管理簿
- 支援の委託契約に関する管理簿
- 支援対象者に関する管理簿
- 支援の実施に関する管理簿
各種管理簿の詳しい記載内容については、こちらの記事でまとめています。
支援の中立性に関するもの
支援の適正化および中立性の確保のため、支援責任者および支援担当者は、特定技能外国人と異なる部署の職員であるなど、外国人労働者に対する指揮命令権を有しない者でなければいけません。
支援実施義務の不履行に関するもの
特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結の日以後に、外国人支援を怠ったことがないことを求めています。
定期的な面談の実施に関するもの
支援責任者および支援担当者は、次の者と定期的(3ヵ月に1回以上)に面談する必要があります。
- 特定技能外国人
- 特定技能外国人に対し、指揮命令権を有する者(監理を担当する立場の者)
分野の特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
「適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係るもの」における、介護分野特有の基準はありません。
まとめ
「特定技能外国人」の受入れを行うためには、かなり多くの基準(要件)を満たす必要があります。
ただ、1つ1つの要件を確認していくと、
「特定技能外国人が、安心して日本で働くために必要な最低限な条件なのかも?」
って感じます。
逆の立場で考えてみると、法律や文化が全く違う国で働くのってすっごく不安ですからね~
特定技能外国人は、人材不足の介護業界を一緒になって、支えていく仲間です。
「日本に来てよかった~」って思ってもらえるよう、適正な制度利用をしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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