記事内に広告が含まれています

薬剤師の平均年収(給与)とは?【年齢・経験年数・事業規模・地域・開設者別】

スポンサーリンク

お金、コイン、時計

この記事では、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」「医療経済実態調査」の結果をもとに、

  • 薬剤師の平均給与(年齢・経験年数・事業規模・男女・開設者・都道府県別)
  • 薬剤師の平均的な働き方(勤続年数・労働時間・残業時間など)
  • 他の医療・介護職種と比べ、薬剤師の給与は高いのか?低いのか?(他職種との給与比較)

についてまとめています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 薬剤師の給与ってどのくらい?
  • 転職するときの給与の目安を知りたい
  • 現在、貰っている給与は、「高いのか?低いのか?」知りたい
この記事で紹介している一覧表は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」と「医療経済実態調査」をもとに作成したものです。

薬剤師(39歳)の平均給与は「月額40万円・年間賞与83万円」

まずは、この記事の概要です。

  • 39.4歳、勤続7.9年の薬剤師の平均年収は「5,616,500円(残業手当含む)」
  • 薬剤師の平均給与(年収)は、男女間で約65万円の違いがある
  • 月の平均残業時間は「11~14時間」
  • 事業所の規模が小さいほど、薬剤師の給与は高くなる傾向がある
  • 薬剤師の給与は、診療所が一番高くなっている
  • 薬剤師の給与は、地方の方が高くなる傾向がある
  • 経験年数1~4年の薬剤師の基本給(所定内賃金)は「30万~34万円」
  • 薬剤師の給与のピークは「50~59歳」
  • 医療・介護系職種では、薬剤師の給与がダントツ1位(医師を除く)

 

それでは、「賃金構造基本統計調査」と「医療経済実態調査」の結果について紹介していきます。

薬剤師の男女別平均給与【令和元年(2019年)】

薬剤師さんの場合、年齢や働き方はほぼ同じなのに、男女間で「約65万円」の違いがあります。

性別 年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
39.4 7.7 161 14 426,600 886,800 6,006,000
39.5 8.0 159 10 379,900 797,800 5,356,600
合計 39.4 7.9 160 11 398,600 833,300 5,616,500
年収は、残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

この違いについて明確な理由はわかりませんが、出産や育児などの影響による、就職先や働き方の希望に男女間の違いがあるのだと思います。

薬剤師の平均給与の推移「2013~2019年」

薬剤師さんの年間給与(年収)は、全体としては、徐々に上がっています。

年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
2013 39.1 7.6 162 12 370,600 879,400 5,326,600
2014 38.6 7.0 160 11 376,000 799,700 5,311,700
2015 38.7 7.1 163 11 381,600 755,700 5,334,900
2016 37.4 6.5 165 10 363,500 787,000 5,149,000
2017 39.0 7.2 164 10 388,300 778,600 5,438,200
2018 38.6 7.6 162 12 379,900 877,100 5,435,900
2019 39.4 7.9 160 11 398,600 833,300 5,616,500
年収は、残業代等の各種手当を含めた金額となっております。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

グラフにするとこんな感じです。

薬剤師の平均年収の推移(2013~2019年)

 

直近の2019年では、平均年収が過去最高の「5,616,500円」となっています。

勤続年数や労働時間はほぼ変わりなく、所定内賃金(基本給)が上がっていますので、全体として、薬剤師さんの処遇が良くなっていると言えそうです。

薬剤師の事業所規模別平均給与【令和元年(2019年)】

薬剤師さんの場合、勤務する事業所の規模(労働者数)で「労働時間、年齢層、給与」にかなりの違いがあります。

労働者数 年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
10~99人 43.9 9.9 168 9 440,400 895,000 6,179,800
100~999人 40.8 7.5 160 9 396,900 722,500 5,485,300
1000人以上 35.5 6.8 155 14 372,800 882,300 5,355,900

合計

39.4 7.9 160 11 398,600 833,300 5,615,500
年収は、残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

まず、年収についてですが、

  • 労働者10~99人の事業所「6,179,800円」
  • 労働者100~999人の事業所「5,485,300円」
  • 労働者1,000人の事業所「5,355,900円」

となっており、労働者の少ない事業所ほど、給与が高くなっています。

その差、約82万円です。(月6万円以上違うってことです)

 

一般的に薬剤師さんの給与は、病院に比べ、調剤薬局の方が高いと言われていますので、イメージどおりといったところかと思います。

 

次に、年齢層や労働時間ですが、これも労働者の小さい事業所になるほど、高く(多く)なっています。

給与は増えているが、労働時間も長くなっているということで、一概に「給与が良いから、小さい事業所で働こう!」とは言えないですが、「82万円」は魅力的ですね・・・(笑)

病院・診療所・保険薬局別「薬剤師」の平均年収【令和元年(2019年)】

令和元年に実施された「医療経済実態調査」によると、薬剤師さんの年収(給与)は、

  1. 診療所
  2. 保険薬局(管理薬剤師の場合)
  3. 病院

の順で高くなっています。

(単位:円)

機関 開設者・職種 月額給与 年間賞与 年収
病院 国立 366,932 1,249,431 5,652,620
公立 382,168 1,373,038 5,959,059
公的 386,477 1,286,933 5,924,661
社会保険関係法人 396,670 1,484,770 6,244,812
医療法人 366,695 845,847 5,246,187
個人 433,418 677,183 5,878,196
診療所 個人 611,905 1,900,000 9,242,857
医療法人 779,004 705,494 10,053,544
保険薬局 個人 349,017 364,476 4,552,685
法人(管理薬剤師) 565,367 759,232 7,543,641
法人(薬剤師) 347,357 573,958 4,742,242
年収は、宿直手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「月額給与×12ヶ月+年間賞与」です。

 

グラフにするとこんな感じです。

薬剤師 病院、診療所、保険薬局別 平均年収 2019年

 

繰り返しにはなりますが、一般的には、「病院より、調剤薬局の方が給料が高い」と言われます。

でも、この調査においては、管理薬剤師でない場合、病院薬剤師の方が平均年収は高くなっています。

ただ、管理薬剤師となると、平均年収が「7,543,641円」となり、

  • 病院薬剤師より、120~230万円高く
  • 保険薬局(一般の薬剤師)より、280万円以上高く

なっています。

管理薬剤師とは、保険薬局などの責任者のことです。(管理薬剤師は、薬剤師以外の特別な資格は必要ありません)

 

また、病院だけで比較してみると、公立や社会保険関係法人の年収が高く、医療法人は一番低くなっています。

 

診療所については、見ていただいたとおり、凄まじい金額になっており、

  • 個人の診療所では、平均年収「9,242,857円」
  • 医療法人の診療所では、平均年収「10,053,544円」

とダントツの結果です。

 

僕としては、「診療所の給料って、こんなに高かったっけ!?」と、ちょっと違和感がありますが、転職をするときには、「診療所の薬剤師」という選択肢を入れておいた方がいいかもしれません。

実際に、これだけの給与を出しているところがあるってことですからね。

薬剤師の都道府県(地域)別平均給与【令和元年(2019年)】

薬剤師さんの給与は、地域によって、バラツキがあります。

このとおり。

都道府県 年齢 平均年収
北海道 39.6 5,663,200
青森 37.2 6,198,400
岩手 35.9 4,940,500
宮城 45.5 6,102,300
秋田 39.4 6,187,900
山形 39.2 5,951,300
福島 50.2 4,891,600
茨城 37.7 5,807,800
栃木 40.9 5,206,900
群馬 31.8 4,834,900
埼玉 38.2 5,211,800
千葉 39.7 5,374,900
東京 38.5 5,535,800
神奈川 38.0 5,833,600
新潟 36.4 4,471,700
富山 45.4 5,361,500
石川 41.2 4,950,900
福井 42.7 5,657,000
山梨 39.0 5,115,300
長野 43.1 6,895,100
岐阜 34.0 5,034,200
静岡 38.7 6,986,800
愛知 41.4 6,221,400
三重 42.7 6,006,000
滋賀 41.3 5,638,900
京都 44.1 5,273,100
大阪 36.4 5,588,900
兵庫 36.2 5,269,900
奈良 34.4 5,067,300
和歌山 43.9 5,629,000
鳥取 34.2 5,249,700
島根 42.9 6,258,200
岡山 36.4 5,285,800
広島 41.0 5,714,000
山口 42.4 5,387,900
徳島 43.5 4,440,200
香川 42.4 5,476,300
愛媛 38.8 4,637,200
高知 40.1 6,426,500
福岡 40.6 5,305,100
佐賀 44.4 5,225,500
長崎 36.5 4,282,100
熊本 42.6 5,371,900
大分 39.8 5,375,100
宮崎 46.8 5,697,400
鹿児島 37.5 5,367,500
沖縄 44.3 5,304,700
この表の平均年収は、残業代等の各種手当を含めた金額となっています。

 

わかりやすくグラフにすると、こんな感じです。

薬剤師の都道府県別 平均年収(男女計)2019年

 

また、平均年収が多い順に並べると、こうなります。

薬剤師の平均年収ランキング(都道府県別)2019年②

 

1位の静岡県「6,986,800円」と、最下位の長崎県「4,282,100円」を比較すると、約270万円ほどの違いがあります。

 

主な要因としては、地域における需給バランスの違いによるものだと思います。

つまり、薬剤師さんが不足している地域では給与は高くなり、充足している地域では給与は少なくなる傾向があるということです。

もちろん、病院や調剤薬局ごとの事情や採用のタイミングの影響もあると思いますが。

 

ちなみに、薬剤師さんの給与は、比較的、地方の方が高くなると言われてます。

地方の薬剤師不足は、結構深刻なんで・・・

薬剤師の基本給(所定内賃金)と年間賞与【経験年数別・男女別】

転職するときの給与提示は、基本給でされることが多いでしょうから、こっちの金額の方が、働き方(長時間の残業や夜勤など)に左右されず、比較がしやすいと思います。

令和元年(2019年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 337,200 805,200 4,851,600
5~9年 369,300 966,100 5,397,700
10~14年 431,300 942,000 6,117,600
15年以上 433,000 1,014,400 6,210,400
全体 388,100 886,800 5,544,000

 

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 302,600 755,800 4,387,000
5~9年 338,100 974,700 5,031,900
10~14年 344,900 751,600 4,890,400
15年以上 410,400 912,200 5,837,000
全体 354,300 797,800 5,049,400
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当は含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

 

グラフにすると、こんな感じです。

薬剤師の経験年齢別 平均年収 2019年

 

「さすが、薬剤師!」って感じです。

男女ともに経験年数が1~4年でも「年収440~480万円」となっています。

 

なお、参考までに、平成29年(2017年)と平成30年(2018年)の調査結果も載せておきます。

平成30年(2018年)と比較すると、男女ともに月額2万円程度、所定内賃金が上がっています。

平成30年(2018年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 319,400 702,700 4,535,500
5~9年 354,400 996,600 5,249,400
10~14年 420,300 1,099,700 6,143,300
15年以上 424,900 1,049,500 6,148,300
全体 368,000 883,000 5,299,000

 

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 295,600 775,500 4,322,700
5~9年 337,600 864,400 4,915,600
10~14年 351,400 916,200 5,133,000
15年以上 369,300 1,107,700 5,539,300
全体 334,500 873,400 4,887,400
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当は含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

平成29年(2017年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 327,900 853,900 4,788,700
5~9年 368,800 996,000 5,421,600
10~14年 400,600 928,700 5,735,900
15年以上 447,600 971,800 6,343,000
全体 377,800 830,900 5,364,500

 

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 298,700 693,500 4,277,900
5~9年 335,500 787,600 4,813,600
10~14年 349,900 839,600 5,038,400
15年以上 396,300 857,500 5,613,100
全体 351,200 749,000 4,963,400
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当は含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

薬剤師の給与(年収)のピーク年齢は「50~59歳」

令和元年(2019年)の薬剤師の年齢別平均年収は、次のようになっています。

【薬剤師 年齢別平均年収一覧表(2019年)】

年齢 平均年収
男性 女性
20~24歳 3,261,600 3,769,800
25~29歳 4,440,700 4,234,500
30~34歳 5,298,400 4,755,200
35~39歳 5,988,900 5,110,000
40~44歳 5,995,200 5,466,300
45~49歳 6,559,400 5,809,600
50~54歳 6,900,600 6,415,400
55~59歳 7,001,800 5,899,800
60~64歳 5,818,800 5,123,600
65~69歳 5,294,900 5,853,200
70歳~ 4,845,300 5,167,900
この表の平均年収には、残業手当、日直手当、夜勤手当等は含んでいません。

 

わかりやすく、グラフにするとこんな感じです。

薬剤師の年齢別 平均年収(男女別)2019年

 

この表によると、薬剤師さんの給与のピークは、

  • 男性55~59歳「7,001,800円」
  • 女性50~54歳「6,415,400円」

ということになります。

 

給与のピーク年齢については、他の職種とほぼ変わりはないですね。

医療・介護系職種の給与比較【令和元年(2019年)】

医療・介護系職種では、医師を除き、薬剤師の給与(年収)がダントツ1位です。

こんな感じです。

医療・福祉系職種別 平均年収 2019年(医師なし)

 

ただ、医師(歯科医師)を入れると、こんな感じになります。

医療・福祉系職種別 平均年収 2019年(医師あり)

医師は別格ですからね・・・

 

なお、詳細な金額は次のとおりです。

【医療・介護系職種 平均年収一覧表(2019年)】

職種 平均給与
男性 女性
医師 12,269,400 10,163,500
歯科医師 6,523,300 4,729,200
薬剤師 6,006,000 5,356,600
看護師 4,960,800 4,813,600
准看護師 4,249,100 4,006,100
看護補助者 3,281,300 2,986,500
診療放射線技師 5,204,300 4,640,200
臨床検査技師 5,012,500 4,453,300
理学・作業療法士 4,221,800 3,942,700
歯科衛生士 3,084,400 3,707,400
栄養士 3,693,400 3,558,900
保育士 3,891,600 3,621,300
介護支援専門員 4,240,500 3,811,100
ホームヘルパー 3,679,600 3,166,000
福祉施設介護員 3,715,500 3,320,000
この表の平均年収は、残業代等の各種手当を含めた金額となっています。

まとめ

今回紹介した「薬剤師の平均給与」は、あくまでも平均値です。

なので、場合によっては、提示された給与額が平均給与から大きく外れることも考えられます。

 

ただ、転職などをするときの「1つの目安」としては、かなり参考になる数値だと思います。

提示された給与が「高いのか?安いのか?」、また「どのくらいの給与額を希望していいのか?」がわかりますので。

地方の病院などの場合、医薬分業制度による調剤薬局の増加や薬学部(薬剤師養成)の6年生への変更などによる「薬剤師不足」のため、給与額の交渉がしやすいです。

 

ぜひ、あなたの経験が適性に評価されるよう「平均給与額」を目安に、給与などの条件交渉を行ってみてください。

 

ちなみに、転職の際には、必ず、再就職手当の受給を検討しましょう。

再就職手当は、ハローワークから支給される手当で、

  • 2~3ヶ月も休むつもりがない
  • すぐに次の職場を探す予定
  • ハローワークで仕事を探す気がない(人材紹介サービスを使うなど)

という人でも、支給を受けられる場合があります。

 

また、再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってます。

もらわないのはもったいないです。

【関連記事】

再就職手当(失業給付)を満額もらうための3つの注意点と「支給額早見表」

離職票が届く前に手続き可能!失業保険を早くもらう方法【ハローワーク確認】

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

【あわせて読みたい】

人財
スポンサーリンク
こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

こうをフォローする
よろしければシェアお願いします
こうをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました