記事内に広告が含まれています

精神疾患(うつ病など)の既往歴は転職に不利なのか?【就職先の探し方】

スポンサーリンク

女性、仕事、ホワイトボード、会社

一般的に、精神疾患(うつ病など)の既往歴は、就職・転職するときに不利と言われます。

なので、既往歴や現在患っている病気などを伝えずに、転職活動をする人が結構います。

 

僕は、10年以上、職員さんの採用を担当しているのですが、入職したあとに病気があることがわかり、すぐに休職ってことを何度も経験しています。

そして、「最近、そういうケースが増えているな~」って感じています。

 

僕としては、

「精神疾患(うつ病など)の既往歴を隠した就職・転職活動って、お互いにデメリットしかないよね」

と思っています。

 

というのも、事業所(会社)側のデメリットは、言うまでもないですが、求職者さんにとっても、

  • 病気のことを隠しているという後ろめたさ(精神的な負担)
  • もしものときに、業務調整などの相談ができない
  • 休みが取りづらい

ってことが起こるからです。

もちろん、虚偽の申告をしたということで、信頼関係に支障も出ます。

 

つまり、採用後、長く働いていこうと思うなら、

「精神疾患(うつ病など)を患っていることに、理解を示してくれるところで働く方がいいよね」

ってことです。

 

そこで、この記事では、精神疾患(うつ病など)の既往歴があっても採用してくれる就職先の探し方について紹介します。

この記事は、医療・介護施設で、職員採用を10年以上担当してきた経験をもとに書いています。

人材紹介サービスなら、精神疾患(うつ病など)の既往歴があっても採用してくれるところを知っている

「すべての人材紹介サービスで」というわけではありませんが、人材紹介サービス事業者は、精神疾患(うつ病など)の既往歴があっても採用してくれるところを把握しています。

それこそ、システムにて、リスト化しているところもあります。

 

なので、人材紹介サービス(リクルートエージェントなど)を利用することで、採用される確率をあげることができます。

 

そもそも、事業所によって、精神疾患(うつ病など)の既往歴がある人を

  • 採用する
  • 採用しない(もちろん、公にはしてないですが)

という所がありますので、「採用しない事業所」へ応募をしても採用されることはありません。

 

転職活動って、電話のやり取りや履歴書の作成など、結構な負担になりますので、採用される可能性がない事業所に応募して消耗するのはもったいないです。

もちろん、不採用が続くことでの精神的な負担もありますし。

精神疾患の既往歴がある人を採用する事業所は、病気への理解がある

事業所(会社)側からすれば、健康で、バリバリ働いてくれる人を採用したいと考えています。

これは、すべての事業所に言えることです。

なので、一般的に、精神疾患(うつ病など)の既往歴のある人は敬遠されます。

 

ただし、採用が困難な業種・職種については、あてはまりません。

採用が困難な業種・職種とは、医療・介護業界で言えば、看護師や介護職員のことです。

 

そういう事業所は、障害のある人や既往歴・現病歴のある人に活躍いただくことで、人材を確保しているからです。

 

もちろん、そういう方々に活躍いただくためには、障害や病気について理解を示し、業務内容や休みやすさなど、フォローしていくことが大切となります。

なので、精神疾患の既往歴などがある人を採用する事業所は、自然と働きやすい環境となっていきます。

 

事業所側からすれば、「採用したけど、すぐに休職(傷病手当金の受給)」では、何のために障害のある人や既往歴・現病歴のある人を採用したのかわからないからですからね。

うちの事業所でも、障害のある人や既往歴・現病歴のある人を採用しており、薬を飲みながら活躍している人もいます。

面接で病気(既往歴を含む)のことを、答える義務があるのか?

面接で、健康状態について聞かれることって多いと思います。

このとき、既往歴などがある求職者側の心理としては、「あんまり言いたくないな~」っていうのが本音だと思います。

だからと言って、「答えない」っていうのも、なかなかできないですよね。

 

まぁ、僕としては、採用後の自分自身のためにも、病気についてしっかり伝えておいた方がいいと思いますが、どうしても答えなくないというなら、法的には答える必要はありません。

というのも、精神疾患(うつ病など)の既往歴は、個人情報保護法における「要配慮個人情報」に該当され、原則として、本人の同意なく情報を取得してはいけないことになっているからです。

 

こんな感じです。

要配慮個人情報とは

出典:個人情報保護委員会事務局「個人情報保護法の基本」

 

また、職業安定法第5条の4においても、休職者等の個人情報の取扱いについて、事業主等は、本人の同意がなく個人情報を収集することを禁止していますので、どうしても答えなくないなら答える必要はありません。

根拠としては、次のとおりです。

求職者等の個人情報の取扱い(東京労働局)

出典:東京労働局「求職者等の個人情報の取扱い」

 

上記の個人情報の取扱いについては、職業紹介事業者(人材紹介サービス事業者)にも適用されます。

なので、人材紹介サービスを利用するときにも、既往歴について答えなくても問題ありません。

 

とはいえ、繰り返しにはなりますが、僕としては、採用後の自分自身のためにも、病気(飲んでいる薬も含め)について、事業所にも、人材紹介サービスの担当者にも、しっかり伝えておいた方がいいと思います。

うつ病の再発率は、60%もあり、その後再発を繰り返すとさらに再発率が高くなる

厚生労働省によると、うつ病は、いったん改善しても約60%が再発し、2回うつ病にかかった人では70%、3回かかった人では90%と再発率は高くなるとされています。

このことからも、「うつ病は、いかにして再発させないようにするか?」が大切になります。

 

なので、病気について、理解のある事業所で働くっていうのは、うつ病を再発させない大きな要素となります。

 

ちなみに、精神疾患患者は、かなりの勢いで増加しており、2002年から2017年の15年で「160.9万人」増え、「419.3万人」となっています。

こんな感じです。

【精神疾患を有する患者の推移】

精神疾患有する患者数の推移

出典:厚生労働省「精神医療について」

 

患者の内訳として、外来患者では、

  • 認知症(血管性など) 11.4万人
  • 認知症(アルツハイマー病) 51.3万人
  • 統合失調症等 63.9万人
  • 気分(感情)障害 124.6万人
  • 神経症性障害等 82.8万人
  • 精神作用物質使用による精神及び行動の障害 6.4万人
  • その他 31.4万人
  • てんかん 21.1万人

となっており、躁うつ病を含む「気分(感情)障害」が一番多くなっています。

 

外来患者数の推移を見てみると、2002年から2017年の15年で「165.2万人」増え、「389.1万人」となっています。

【精神疾患を有する外来患者数の推移】

精神疾患を有する外来患者数の推移(疾患別内訳)

出典:厚生労働省「精神医療について」

 

一方、入院患者では、

  • 認知症(血管性など) 2.8万人
  • 認知症(アルツハイマー病) 4.9万人
  • 統合失調症等 15.4万人
  • 気分(感情)障害 3.0万人
  • 神経症性障害等 0.6万人
  • 精神作用物質使用による精神及び行動の障害 1.3万人
  • その他 1.6万人
  • てんかん 0.7万人

となっており、「統合失調症等」が一番多くなっています。

 

入院患者は、外来患者とは違い、少しずつ減ってきてますね。

【精神疾患を有する入院患者数の推移】

精神疾患を有する入院患者数の推移(疾患別内訳)

出典:厚生労働省「精神医療について」

 

また、傷病手当金受給者の「32.7%」は精神及び行動の障害が原因であり、この割合は、件数とともにかなりの勢いで増えています。

こんな感じです。

傷病手当金「精神及び行動の障害」の件数・割合の推移1

 

このことからも、かなり多くの人が病気とつきあいながら、活躍していることがわかると思います。

なので、もしものときのことも考え、

  • 業務内容などについて、相談できる
  • 休みやすい

という事業所を探してみてください。

 

【関連記事】

傷病手当金っていくらもらえるの?【支給条件、計算方法、支給額早見表、申請方法】
この記事では、傷病手当金の 支給条件 計算方法 支給額(早見表) 支給期間 休業中の社会保険料等の取扱い 申請手続き 支給されるまでの期間について紹介しています。会社員などの社会保険に加入してる人は、病気やケガで仕事を休み給与がもらえないと...

無料で利用できる、オススメの人材紹介サービス(転職エージェント)

「病気(うつ病など)への理解がある事業所を探す」といっても、なかなか個人では難しいですよね。

だからこそ、無料で利用できる人材紹介サービス(転職エージェント)を活用しましょう。

 

人材紹介サービスなら、精神疾患(うつ病など)の既往歴があっても採用してくれるところの中から、あなたの希望条件にあった事業所をいくつも探してくれます。

また、

  • 面接などの日程調整
  • 休みやすさ
  • 病気についての相談

など、「面倒な手続き」や「気になったことの確認(情報収集)」も、あなたの代わりにやってくれます。

もちろん、途中で利用をやめても、キャンセル料などが発生することもありませんので、登録しておいて損はないと思います。

 

なお、参考までに、うちが利用している人材紹介サービス(転職エージェント)を紹介します。

完全無料なうえ、サービスも丁寧なので、オススメですよ。

一般企業系の人材紹介サービス(公式サイト)

 

リクルートエージェント、dodaエージェントは、転職支援実績・求人数ともに業界大手の人材紹介サービスです。

求人数も多く、転職ノウハウも豊富なため、「転職エージェントに登録するのが初めて」という人にも、オススメです。

看護師の人材紹介サービス(公式サイト)

 

介護職の人材紹介サービス(公式サイト)

 

転職する際は、医師から「転職活動を始めても大丈夫」と言われてから、転職活動を始めてくださいね。

まとめ

ここで、「精神疾患(うつ病など)の既往歴がある人の就職・転職活動のポイント」についてまとめておきます。

  • 人材紹介サービス(リクルートエージェントなど)を活用する
  • 病気(飲んでいる薬も含め)について、しっかり伝えておく
  • 病気への理解がある事業所を探す
  • 病気(うつ病など)を、再発させないことを優先する

 

転職活動を頑張って、就職したとしても、体調を崩してしまっては、意味がありません。

ぜひ、長く働ける職場を探してみてください。

 

なお、障害者手帳をお持ちなら、障害者専門の求人サイト(アットジーピー【atGP】 など)を利用し、「障害者雇用」としての就職も検討してみてください。

働きやすさという意味では、「障害者雇用」の方が、断然上ですので。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

【あわせて読みたい】

人財
スポンサーリンク
こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

こうをフォローする
よろしければシェアお願いします
こうをフォローする

コメント

  1. Monkey より:

    初めまして、コメント失礼いたします。
    上記に記載がございます下記の2つのエージェントは、アビリティスタッフィング・dodaチャレンジではなく、一般枠の方のエージェントで精神疾患等の既往歴を隠さず話してもOKな求人があるという事ですか?
    >一般企業系の人材紹介サービス(公式サイト)
    リクルートエージェント
    dodaエージェント

    お伺いできますと幸いです。

    • こう こう より:

      Monkeyさん
      コメントありがとうございます。
      障害者手帳をお持ちであれば、アビリティスタッフィング・dodaチャレンジの活用が
      いいと思います。
      障害者雇用促進法において、企業には障害者の雇用義務がありますので、採用されやすくなります。

      ただ、障害者手帳を持っていない場合は、アビリティスタッフィング・dodaチャレンジの活用は
      難しいと思いますので、一般枠のエージェントサービスを活用することになります。

      その際、経験則ではありますが、エージェントサービスの担当者は、精神疾患等の既往歴があっても
      採用してくれる企業をある程度把握しています。
      つまり、採用してくれる可能性のあるところを紹介してくれるってことです。

      もちろん、エージェントサービスの担当者によっても、バラつきはありますけどね。
      なので、色々なサービスを試してみることをオススメします。

タイトルとURLをコピーしました