訪問看護ステーションの労働環境とは?【求人倍率、給与、希望条件、求職者の年齢層】

スポンサーリンク

手を繋ぐ、在宅医療、訪問看護

訪問看護ステーションの人材不足は、深刻です。

それは、ただでさえ、人手が足りないと言われている看護師市場(勤務先)の中でも、ダントツです。

 

ただ、人手不足というと、

「その仕事に人気がないから・・・」

と思いがちですが、訪問看護の場合はちょっと違います。

 

というのも、訪問看護ステーションは、ここ数年で急激に増えていて、それによって、需要(求人数)が増加しているからです。

訪問看護(在宅医療)のニーズが増えことにより、人材が足りなくなっている部分が多いってことです。

【関連記事】

訪問看護ステーションの増加状況については,、こちらの記事でまとめています。

訪問看護・訪問リハビリ事業所の増加数がスゴイ!【年間推移、経営主体、新規・倒産数】
この記事では、 訪問看護ステーション 訪問リハビリテーション事業所 の事業所数の推移(増加状況など)について紹介しています。 こんな人に読んでいただけると嬉しいです。 訪問看護ステーションや訪問リハビ...

 

ちなみに、

  • 訪問看護師として働いている人
  • 訪問看護ステーションでの勤務を希望する看護師

も増えています。

 

そこで、この記事では、訪問看護ステーションにおける、

  • 人手不足の状況(求人倍率)
  • 訪問看護を希望する看護師が、重視するポイント(条件)
  • 訪問看護希望者(求職者)の年齢層
  • 経営(運営)主体ごとの、給与と働き方の違い

について紹介します。

 

「訪問看護に興味があるんだけど・・・」

という看護師さんに読んでいただけると嬉しいです。

 

なお、この記事で紹介している各種データは、

の結果をもとに、僕が作成したものです。

また、引用させていただきました表などについては、記事の中で明記しています。

希望者の70%は、40歳以上!人気急上昇中の訪問看護

まず、結論です。

  • 訪問看護ステーションの求人倍率は、「2.91」で人手不足No.1
  • 訪問看護の希望者(求職者)は、「勤務時間、給与、看護内容」を重視する
  • 「40歳以上が、70%!?」の訪問看護希望者
  • 訪問看護師として働くなら、社会福祉法人か医療法人を選ぼう
  • 准看護師が訪問看護で働くのは、かなり厳しい!?

 

それでは、1つずつ説明していきます。

訪問看護ステーションの求人倍率は、「2.91」で人手不足NO.1

平成30年度(2018年度)の人手不足を状況を表す求人倍率は、訪問看護ステーションで「2.91倍」となっていて、他の施設・事業所と比べて、ダントツの高さとなっています。

このとおり。

看護師の求人倍率(平成30年度)

 

求人数・求職者の内訳は、次のとおりです。

施設種別求人数(人)求職数(人)求人倍率
訪問看護ステーション15,2665,2432.91
病院(500床以上)10,9149,7651.12
病院(200~499床)23,34116,5431.41
病院(20~199床)34,12518,6941.83
診療所(有床)4,5269,1030.50
診療所(無床)14,45618,0740.80
介護老人保健施設6,9766,8321.02
特別養護老人ホーム7,9876,6361.20
全  体157,08767,6202.32
求人倍率は、1.0倍を超えると人手不足であることを表し、1.0倍を下回ると、仕事不足(失業者が多いなど)を表しています。

【関連記事】

有効求人倍率とは?【転職のしやすさと人手不足の職種を知ろう】
この記事では、 有効求人倍率の意味と見方 有効求人倍率からみる「転職のしやすさ」と「人手不足の職種」 について紹介しています。 有効求人倍率は、厚生労働省が毎月発表している「雇用状況を表す1つの指標」で、労働市場...

 

このデータだけ見ちゃうと、

「訪問看護って、ダントツで人気がないんだな~」

って思っちゃいますが、直近3年間の求人倍率(求人数・求職者数)の推移をみてみると、ガラッと印象が変わります。

 

【訪問看護における求人倍率の推移】

年度求人数(人)求職数(人)求人倍率
201614,1123,8263.69
201714,6873,8853.78
201815,2665,2432.91

 

2017年から2018年かけて、求職者(訪問看護希望者)が3割以上増え、求人倍率が一気に下がっています。

つまり、「訪問看護の人気が急上昇!?」ってことです。(笑)

 

在宅医療のニーズがますます増えていくことを考えると、これからも訪問看護師は増え続けていく職種です。

訪問看護の希望者(求職者)は、「勤務時間、給与、看護内容」を重視する

訪問看護を希望する看護師さんは、次の3つのポイントを重視して、訪問看護ステーションでの勤務を希望しています。

  1. 勤務時間 35.9%
  2. 給与 34.9%
  3. 看護内容 32.7%

 

他の施設や事業所を希望する看護師さんが重視するポイントと比べると、勤務時間と看護内容の項目が高くなっています。

このとおり。

看護師が就職の際に重視する条件(施設種類別)

出典:日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」

 

これは、

  • 病院などと違い、不規則な勤務体制がない
  • 看護師としてのやりがいを求めて、訪問看護で働く人が多い

というのが関係しているのだと思います。

 

【関連記事】

訪問看護のオンコール体制の実態【待機回数、緊急訪問回数、手当額】
訪問看護というと、 土日、祝日休み 夜勤がない 比較的、残業が少ない(1日の訪問件数や訪問時間があらかじめ決まっているため) から、働きやすくていいんだけど、「オンコール体制(24時間対応体制)」があるのが、ネック...
訪問看護の内容とやりがいとは?【病棟とは違う!訪問看護師の3つの魅力】
この記事では、 「なぜ、訪問看護なのか?」 について、現役の訪問看護師(友人2名)の言葉を紹介しています。 こんな人の読んでいただけると嬉しいです。 訪問看護に興味があるんだけど、どんなことをやるの? 訪問看護...

「40歳以上が、70%!?」の訪問看護ステーション希望者

そもそもの看護職員の転職希望者は、会社員などの一般職と比べ、年齢層が高めなんですが、訪問看護の希望者は、さらに年齢層が高めとなっています。

こんな感じです。

看護職員の年齢階層別求職者割合(2017年度)

 

訪問看護希望者は、

  • 40歳以上 69.9%
  • 50歳以上 29.5%
  • 60歳以上 6.6%

となっており、40歳以上の人が、約7割です。

 

これは、

  • ある程度の看護経験が求められる(訪問看護は、ほぼ単独行動のため)
  • 病院などの勤務で人間関係に疲れた

といった理由が関係しているのだと思います。

 

ちなみに、年齢を重ねてから訪問看護を希望する看護職員さんは増えています。

 

訪問看護ステーションを希望している求職者(年齢構成別)

出典:日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」

訪問看護師として働くなら、社会福祉法人か医療法人を選ぼう

訪問看護ステーションは、法人格さえあれば開設が可能なため、色々な経営(運営)主体があります。

訪問看護ステーション数の経営主体割合(2017年)

出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」

 

この中から、比較的、比率の高い

  • 社会福祉法人
  • 医療法人
  • 営利法人(株式会社など)

の勤務状況等(平均)について、厚生労働省「介護事業経営実態調査」をもとに比較してみます。

項   目社会福祉法人医療法人営利法人
売上高(月間)2,243,000円2,238,000円2,185,000円
売上に対する給与費の割合84.2%81.3%73.0%
利益率(税引後)2.9%3.6%1.4%
職員数6.6人6.7人7.0人
内、看護職員数4.9人5.2人4.2人
職員1人あたりの月間訪問回数43.0回42.2回40.6回
看護職員1人あたりの月間訪問回数57.4回54.7回67.3回

 

売上高は、ほぼ変わりませんが、職員に支給する給与費が、

  • 社会福祉法人 84.2%
  • 医療法人 81.3%
  • 営利法人 73.0%

と営利法人が、かなり低くなっています。

 

また、職員数は、6.6人~7.0人とほぼ変わりませんが、看護職員数は、営利法人だけ少なくなっています。

これは、営利法人の場合、PT・OTさんを多く採用しているってことなんだと思います。

事実、「看護職員1人あたりの月間訪問回数」では、営利法人が、ダントツで多くなっていますし。(看護師さんに負担が集中しているのかもしれません)

 

続いて、職種別の給与費(月間)の比較です。

(単位:円)

職種(常勤)社会福祉法人医療法人営利法人
看護師461,671450,342403,537
准看護師422,609370,669407,511
理学療法士449,492399,601404,746
作業療法士424,834412,428367,580
給与費には、年間賞与額の12分の1を含んでいます。

 

圧倒的に、社会福祉法人ですね。

次いで、医療法人となっています。

 

以上のことから、この調査を見る限りでは、

「訪問看護やるなら、社会福祉法人か医療法人で!!」

ってことですね。

 

【関連記事】

訪問看護師の離職率と退職理由【訪問看護ステーション探しは慎重に】
この記事では、訪問看護ステーションにおける、 離職率の推移 離職率の比較(対、産業平均、病院看護職員) 主な退職理由 働きやすい「訪問看護ステーション」の探しかた について紹介しています。 こんな人に読ん...

准看護師が訪問看護で働くのは、かなり厳しい!?

訪問看護ステーションで働く看護職員は、9割以上が看護師です。

就業している全看護職員中の約22%が准看護師ですので、かなり少ない印象です。

 

これは、「診療報酬・介護報酬の減算」が大きく影響しており、訪問看護の場合、看護師による訪問と准看護師による訪問で報酬が変わるというのが主な理由です。

具体的には、

医療保険「訪問看護基本療養費(Ⅰ)」

保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による場合

  • 週3日目まで 5,550円
  • 週4日目以降 6,550円

准看護師による場合

  • 週3日目まで 5,050円
  • 週4日目以降 6,050円

 

介護保険「指定訪問看護ステーションの場合」

准看護師の場合は、次の所定単位数の10%減算(90/100)とする。

  • 所要時間20分未満の場合 311単位
  • 所要時間30分未満の場合 467単位
  • 所要時間30分以上1時間未満の場合 816単位
  • 所要時間1時間以上 1時間30分未満の場合 1,118単位

 

って感じです。(2019年12月1日現在)

 

同じ内容、同じ時間の訪問に行って、報酬が低いというのは、運営側からすれば、かなり痛手になりますからね・・・

 

ただ、准看護師が訪問看護ステーションで働けないわけではありませんので、

「訪問看護をやりたい」

という人は、いきなり諦めてしまわずに、まず、探してみることをオススメします。

「訪問看護ステーションで働く看護職員は、9割以上が看護師」ってことは、逆に言えば、全体の1割弱は、准看護師ってことですし。

まとめ

ここで、「訪問看護ステーションの労働環境」について、おさらいです。

  • 訪問看護の人材不足は深刻だが、希望者は急増している
  • 「勤務時間、給与、看護内容」を重視して訪問看護を選ぶ人が多い
  • 訪問看護に年齢制限はない!(40歳以上の人が、69.9%)
  • 訪問看護やるなら、社会福祉法人か医療法人がオススメ
  • 准看護師が訪問看護で働くのは、ハードル高め

 

在宅サービスは、社会保障費の問題(財政状況の悪化など)もあり、国が強烈に推進しています。

そういった背景からしても、訪問看護ステーション(訪問看護師)の需要は増え続けていきます。

 

もし、訪問看護に興味があり、「どうしようかな~」と迷っているなら、ぜひ、チャレンジしてみてください。

この記事でも紹介したとおり、現在は、強烈な売り手市場になっていますので。

 

【訪問看護を探す(無料)】

訪問看護ステーションを探すなら、「看護のお仕事 」さんがオススメです。

公式サイトはこちら。

 

【関連記事】

【看護職の転職】病院の採用担当者がオススメする職業紹介事業者(サービス)3社
僕は、15年以上の医療・介護業界の勤務経験の中で、5年以上、看護師採用を担当してきました。 そんな採用活動を通じて、 20社以上の職業紹介事業者(転職エージェント)を利用 採用させていただいた、看護師さんから利用した転...

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

【あわせて読みたい】

スポンサーリンク
人財
スポンサーリンク
こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

こうをフォローする
よろしければシェアお願いします
こうをフォローする
まいぼた

コメント

タイトルとURLをコピーしました