一般の寡婦・特別の寡婦・寡夫とは【要件、所得500万円以下の説明、所得控除額】

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税金、節税、所得控除

この記事では、所得税法における、

  • 一般の寡婦(いっぱんのかふ)
  • 特別の寡婦(とくべつのかふ)
  • 寡夫(かふ)

について、紹介しています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 寡婦(寡夫)ってなんですか?
  • 寡婦(寡夫)の詳細な要件を知りたい
  • 仕事で、年末調整を担当している

一般の寡婦・特別の寡婦・寡夫に該当すると、所得税が安くなる

寡婦(寡夫)に該当する人は、「寡婦控除・寡夫控除」という所得控除が受けられるため、所得税が安くなります。

所得控除額は、

  • 一般の寡婦 27万円
  • 特別の寡婦 35万円
  • 寡夫  27万円

となっていますので、所得税率を5%とし、ざっくり試算した場合、

  • 一般の寡婦 13,500円
  • 特別の寡婦 17,500円
  • 寡夫  13,500円

が節税となります。

実際には、住民税も安くなるため、もっと大きな節税となります。

 

それでは、寡婦(寡夫)の要件について、1つずつ説明していきます。

一般の寡婦の要件(寡婦控除の対象となる人)

一般の寡婦とは、次の5つのうち、いずれかに該当する人のことをいいます。

  1. 夫と死別した後、婚姻をしていない人で、扶養親族または生計を一にする子がいる人
  2. 夫と離婚した後、婚姻をしていない人で、扶養親族または生計を一にする子がいる人
  3. 夫の生死が明らかでない人、扶養親族または生計を一にする子がいる人
  4. 夫と死別した後、婚姻をしていない人で、合計所得金額が500万円以下の人
  5. 夫の生死が明らかでない人で、合計所得金額が500万円以下の人
「夫」とは、民法上の婚姻関係にある人のことで、婚姻届けを提出し受理されている人という意味です。
また、ここでいう「生計を一にする子」については、総所得金額等が38万円以下(令和2年分以後は48万円以下)で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。

 

一覧表にすると、こんな感じです。(〇が付いているところが、寡婦に該当します)

 扶養親族がいる生計を一にする子がいる合計所得金額が500万円以下
夫と死別した後、婚姻をしていない人
夫と離婚した後、婚姻をしていない人×
夫の生死が明らかでない人

特別の寡婦の要件(寡婦控除の対象となる人)

特別の寡婦とは、次の3つの要件、すべてに該当する人のことをいいます。

  1. 夫と死別または夫と離婚した後、婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない人
  2. 扶養親族である子どもがいる
  3. あなたの合計所得金額が500万円以下
「夫」とは、民法上の婚姻関係にある人のことで、婚姻届けを提出し受理されている人という意味です。

寡夫の要件(寡夫控除の対象となる人)

寡夫とは、次の3つの要件、すべてに該当する人のことをいいます。

  1. 妻と死別または妻と離婚した後、婚姻をしていない人や妻の生死が明らかでない人
  2. 生計を一にする子どもがいる
  3. あなたの合計所得金額が500万円以下
「妻」とは、民法上の婚姻関係にある人のことで、婚姻届けを提出し受理されている人という意味です。
また、ここでいう「生計を一にする子」については、総所得金額等が38万円以下(令和2年分以後は48万円以下)で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。

寡婦(寡夫)の判断は、その年の12月31日現在の状況で行う

「一般の寡婦・特別の寡婦・寡夫」に該当するかどうかは、原則、その年の12月31日の現況で判断します。

 

たとえば、

「2019年分であれば、2019年12月31日現在の状況で判断する」

ってことです。

合計所得金額500万円以下とは?【所得と収入の違い】

寡婦(寡夫)の条件である、「合計所得金額500万円以下」とは、あくまで所得金額です。

収入と所得は、混同しやすいですが、別物なので注意してください。

 

なお、収入と所得の違いは、次のとおりです。

  • 収入とは、総支給額から交通費(非課税分)を除いた額
  • 所得とは、総支給額から交通費(非課税分)と必要経費を除いた額

 

たとえば、収入が給与のみの場合、

「総支給額から交通費(非課税分)を引いた金額が、688万8,889円以下」

であれば、合計所得金額500万円以下に該当します。

 

また、厚生年金や国民年金などの年金収入のみの場合、

「収入が680万5,882円以下」

であれば、合計所得金額500万円以下に該当します。

 

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「扶養親族」と「生計を一にする親族」の違い

ちょっと、ごっちゃになりやすいですが、

  • 扶養親族
  • 生計を一にする親族

は、別物です。(同じではありません)

 

扶養親族とは、生計を一にする親族のうち、年間の合計所得が38万円以下(令和2年分以後は48万円以下)の人をいい、

生計を一にする親族とは、同居している、もしくは別居であっても送金を行なうなど、あなたと一体的に生活している人のことをいいます。

 

なので、扶養親族であれば、必ず生計を一にしていますが、生計を一にしているからと言って、必ずしも扶養親族というわけではありません。

 

わかりやすく、例えてみると、

  • あなたの所得が、500万円
  • 子どもの所得が、500万円

が同居している場合は、生計を一にする親族になりえますが、扶養親族にはならないということです。

 

ただ、寡婦(寡夫)の要件については、

「生計を一にする子については、総所得金額等が38万円以下(令和2年分以後は48万円以下)に限る」

という条件が追加されていますので、僕としては、あんまり違いはないかも!?って、思っています。

未婚のひとり親は、寡婦(寡夫)には該当しない

寡婦(寡夫)控除というと、一般的に、ひとり親への税制優遇措置というイメージですが、未婚の母(父)については、対象になりません。

 

理由としては、「婚姻」が、寡婦(寡夫)の大きな条件になっているためです。

未婚の母(父)については、「婚姻」をしていないため、寡婦(寡夫)に該当しません。

 

僕としては、ちょっと、違和感を感じますが、

「日本については、婚外子(婚姻届を出していない男女間に生まれた子)が少ないから、あまり問題にされてこなかった」

という背景があるのかな?と思っています。

 

ただ、個人住民税については、令和2年分から「単身児童扶養者」という言葉で、未婚のひとり親の人も優遇措置が受けられるようになります。

「もしかしたら、対象になるかも?」という人は、こちらの記事をご覧ください。

単身児童扶養者とは?【扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項(令和2年分から)】
令和2年分から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の様式が変更になっています。 変更点としては、 「住民税に関する事項に、【単身児童扶養者】の欄の追加された」 です。 僕は、この様式を初めて見たとき、 「単身児童扶養者...

 

ちなみに、日本の婚外子の割合を世界各国と比べてみると、次のようになっています。

世界各国の婚外子割合(平成25年版厚生労働白書)

出典:厚生労働省「平成25年版厚生労働白書 -若者の意識を探る-」

 

2008年において、日本の婚外子の割合は、2.1%ですので、出生する子どもの約98%が結婚している夫婦から産まれていることになります。(2016年のデータでも、日本の婚外子の割合は、2.3%です)

また、他国を見てみると、

1位:スウェーデン 54.7%
2位:フランス   52.6%
3位:デンマーク  46.2%
4位:英国     43.7%
5位:オランダ   41.2%
6位:アメリカ   40.6%

となっておりますので、かなりの違いがあることがわかります。

まとめ

ここで、「寡婦(寡夫)控除のポイント」についておさらいです。

  • 寡婦(寡夫)に該当すると、「一般の寡婦27万円、特別の寡婦35万円、寡夫27万円」のいずれかの控除が受けられる
  • 寡婦(寡夫)控除は、「婚姻」が大きな条件となっている
  • 合計所得金額500万円以下は、給与収入688万8,889円以下で該当(給与収入のみの場合)
  • 寡婦(寡夫)の判断は、原則、その年の12月31日現在の状況で行う

 

寡婦(寡夫)って、かなり馴染みのない言葉だと思います。

僕も、仕事で年末調整を担当するまでは、全く知らなかった言葉ですし。

 

ただ、「そんなの知りませんでした~」だと、せっかくの税制優遇が受けられなくなりますので、離婚(死別)をされている人は、「給与所得者の扶養控除(異動)申告書」の書き方を含め、職場の担当者に相談することをオススメします。

まぁ、しっかりしている担当者さんなら、色々な社会保険関係の手続きを通じて、寡婦(寡夫)に該当するかどうかを確認されると思いますが。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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