この記事では、看護師・准看護師(就業者)における
- 就業者数の推移
- 年齢層
- 就業場所の違い(割合)
- 人材不足の状況(求人倍率の推移)
についてまとめています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- 看護師・准看護師になりたい
- 介護職として働いている
- 看護職としての働き方(就業先など)を知りたい
なお、この記事で紹介している各種データ(グラフ)は、厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」をもとに、作成したものです。
また、引用させていただきました表などについては、記事の中で明記しています。
看護師と准看護師の働き方(就業場所)には大きな違いある
まず、結論です。
- 看護師は、どんどん増えているが、准看護師は減り続けている
- 看護師は、「40~44歳」が一番多く、准看護師は、「55~59歳」が一番多い
- 看護師は、病院勤務が7割、准看護師は、病院、診療所、介護保険施設等の勤務に分かれる
- 看護職員は増え続けているが、人手不足は続いている【求人倍率 2.0以上】
それでは、1つずつ説明していきます。
看護師は、どんどん増えているが、准看護師は減り続けている
厚生労働省の調査によると、看護師・准看護師さんの就業者は、次のようになっています。
【看護師・准看護師の就業者数の推移】
年末現在 | 看護師数 | 准看護師数 |
1994 | 492,352 | 369,661 |
1996 | 544,929 | 383,967 |
1998 | 594,447 | 391,374 |
2000 | 653,617 | 388,851 |
2002 | 703,913 | 393,413 |
2004 | 760,221 | 385,960 |
2006 | 811,972 | 382,149 |
2008 | 877,182 | 375,042 |
2010 | 952,723 | 368,148 |
2012 | 1,015,744 | 357,777 |
2014 | 1,086,779 | 340,153 |
2016 | 1,149,397 | 323,111 |
2018 | 1,218,606 | 304,479 |
グラフにするとこんな感じです。
看護師さんは、1994年の「492,352人」から「726,254人」増え、「1,218,606人」となっています。(毎年6万人づつ増えていることになります)
一方、准看護師さんは、1994年の「369,661人」から「65,182人」減り、「304,479人」となっています。(毎年5千人以上減っていることになります)
これは、准看護師学校(養成所)への入学者が減っていることが、主な原因だと思われます。
特に、最近の5年間では、受験者が半数以下にまで減っていますし。
個人的には、
「准看護師は、比較的、取得しやすい資格のため、もっと受験者が増えればいいのに!」
と思うんですけどね・・・(人材確保が厳しいので)
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看護師は、「40~44歳」が一番多く、准看護師は、「55~59歳」が一番多くなっている
2018年末現在で就業している看護師・准看護師さんの年齢層は、次にようになっています。
看護師に比べ、准看護師は、かなり年齢層が高くなっています。
これは、准看護師学校(養成所)は、
- 30歳以上の入学生が多い(約4割)
- 社会人経験のある入学生が大半
という特徴があるためです。
そういう意味では、准看護師は、何歳からでもチャレンジしやすい資格ってことになります。
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看護師は、病院勤務が7割、准看護師は、病院、診療所、介護保険施設等の勤務に分かれる
看護師と准看護師で、働き方(就業場所)は、大きく違っています。
両職種とも、病院勤務が最も多くなっているのは変わらないのですが、その割合に結構な違いがあります。
【看護師】
【准看護師】
看護師に比べ、准看護師は、
- 病院での勤務者が少ない
- 診療所での勤務者が多い
- 介護保険施設等での勤務者が多い
となっています。
病院の種類(急性期病院など)によっては、准看護師さんの採用を行っていないところがあるというのが、主な理由かと思います。
その分、診療所や介護保険施設等(老健、特養、老人ホームなど)で活躍する人が多くなっています。
ちなみに、採用する側からすれば、人件費を少しでも抑えられるという意図がありますので、准看護師さんは重宝されます。(看護師と准看護師では、看護師の方が給料が高くなりますので)
看護職員は増え続けているが、人手不足は続いている【求人倍率 2.0以上】
看護職員(看護師・准看護師の合計)は、1994年の「862,013人」から、2018年の「1,523,085人」へ増加しています。
【看護職員数の推移】
年末現在 | 看護職員数 |
1994 | 862,013 |
1996 | 928,896 |
1998 | 985,821 |
2000 | 1,042,468 |
2002 | 1,097,326 |
2004 | 1,146,181 |
2006 | 1,194,121 |
2008 | 1,252,224 |
2010 | 1,320,871 |
2012 | 1,373,521 |
2014 | 1,426,932 |
2016 | 1,472,508 |
2018 | 1,523,085 |
グラフにするとこんな感じです。
でも、人手不足は解消されていません。
こんな感じで。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」と日本看護協会「平成30年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」をもとに作成
求人倍率は、徐々に下がってきていますが、まだ「2.0倍」を超えています。
2018年における全職種(全産業)の有効求人倍率が、「1.45倍」ですので、看護職員の人手不足のスゴさがわかると思います。
逆に言えば、
「看護職は、売り手市場の職種であり、就職先に困ることはない」
ということになります。
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まとめ
ここで、「看護師・准看護師の働き方の違い」について、おさらいです。
- 看護師は、毎年、約6万人、増え続けている
- 准看護師は、毎年、約5千人、減り続けている
- 准看護師は、看護師に比べ、年齢層が高め
- 看護師は、病院での勤務者が、7割以上
- 准看護師は、看護師に比べ、診療所、介護保険施設等での勤務者が多い
- 看護職は、売り手市場の職種であり、就職先に困ることはない
看護師と准看護師の仕事内容(実務)は、ほぼ同じです。
ただ、看護師と准看護師の役割は、法律上明確に分かれています。
この法律上の違いが、看護師と准看護師の働き方(就業場所)に、大きな違いを生んでいます。
もちろん、看護師資格を取得することに越したことはないですが、看護師資格は、准看護師資格と比べ、費用も時間もかかりますので、「どういう働き方をしたいのか?」を判断材料にしてみてもいいと思います。
そもそも、資格って、やりたいことをやるための手段でしかないので。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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