介護休業給付金とは?【支給要件、支給額の計算方法、給付額早見表】

スポンサーリンク

お金、コインが積んである

この記事では、介護休業を利用したときに支給される「介護休業給付金」の

  • 支給条件
  • 支給額(早見表)
  • 支給内容
  • 申請手続き

について紹介しています。

 

会社員などで、社会保険(雇用保険)に加入している人は、家族の介護のため仕事を休んだとき、雇用保険から給付金が支給されます。

ただ、介護休業を取得すれば、必ず「介護休業給付金」がもらえるというわけではありませんので、自分が支給対象になるか、ぜひ、チェックしてみてください。

この記事は、医療・介護施設で、社会保険手続きを10年以上担当してきた経験をもとに書いています。

介護休業給付金の支給条件は、「介護休業の取得」と「1年以上の雇用保険への加入」

介護休業給付金の支給条件は、次の2つをいずれも満たすことです。

  • 「育児・介護休業法」で定められた、介護休業を取得していること
  • 雇用保険の被保険者で、介護休業開始前2年間に賃金支払の基礎となる日数が11日以上、または、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある完全月が12ヵ月以上あること

 

それでは、詳しく説明していきます。

「育児・介護休業法」で定められた、介護休業を取得していること

育児・介護休業法では、

「介護休業とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の 期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するためにする休業」

とされており、対象家族1人につき、最大で93日間まで取得できます。

 

また、3回までなら分割で取得できますので、1ヶ月づつ、分けて使うことも可能です。

もちろん、介護休業給付金も、その都度、支給されます。

 

【関連記事】

介護休業の詳しい要件については、こちらの記事でまとめています。

介護休業とは?【制度、利用条件、休業期間、給付額早見表、申請方法】
この記事では、家族に介護が必要になったときに利用できる「介護休業制度」の 利用条件 休業期間 給付額(早見表) 申請手続き について紹介しています。 こんな人に読んでいただけると嬉しいです。 そもそも、介護休業ってなに...
介護休業における「常時介護を必要とする状態」とは【厚労省の判断基準】
この記事では、介護休業を利用するときの要件である、 「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」 の判断基準について紹介しています。 「家族に介助が必要になっちゃったんだけど、介護休業って利用できるのかな?」 と疑問を感じている...

雇用保険の被保険者で、介護休業開始前2年間に賃金支払の基礎となる日数が11日以上、または、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある完全月が12ヵ月以上あること

介護休業給付金は、雇用保険の制度ですので、雇用保険の被保険者でなければ給付を受けることはできません。

また、雇用保険の被保険者であったとしても、次の条件を満たすことが必要です。

 

「雇用保険の被保険者で、介護休業開始前2年間に賃金支払の基礎となる日数が11日以上、または、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある完全月が12ヵ月以上ある人」

過去に基本手当(失業保険)の受給資格の決定などを受けたことのある人については、受給資格の決定を受けた後のものに限ります。

 

わかりやすく言うと、介護休業を利用する前の2年間(直近)に、

  • 11日以上働いた月
  • 80時間以上働いた月

の合計が、12ヶ月以上ある人ってことです。

ただ、この12ヶ月の数え方がちょっと特殊(複雑)なので、雇用保険の加入期間が短い人(1年~1年3ヶ月程度)の場合、注意が必要です。

 

詳しくは、こちらの記事で説明していますので、気になる人はチェックしてみてください。(育児休業給付金の記事ですが、介護休業給付金と取り扱いが同じですので、一部言葉を読み替えてください。)

育児休業給付金の「賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月」とは【受給要件】
育児休業給付金の受給要件に、 「育児休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12ヵ月以上あること」 という項目があるんですが・・・ この要件、すっごくわかりづらくないですか? というのも、 以前、この「受給要件」の...

 

なお、「賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上」の受給要件については、令和2年8月1日より追加になった考え方です。

詳しくは、こちらの記事を。

失業手当、育児・介護休業給付等における受給資格の変更【被保険者期間の算定方法】
この記事では、令和2年8月1日より変更になった、 失業等給付(失業保険や育児・介護休業給付など)を受けるために必要な雇用保険の「被保険者期間」の算定方法 その変更に伴う、「離職証明書」「休業開始時賃金月額証明書」「六十歳到達時等賃金...

 

【関連記事】

雇用保険の加入条件とは?【パート、アルバイト、派遣、学生、65歳以上】
この記事では、「雇用保険に加入できる人の条件」についてまとめています。 雇用保険の加入者は、 失業給付(失業保険) 育児休業給付 介護休業給付 一般教育訓練給付金 高年齢雇用継続給付 など、労働者の生活及び雇用の安定を...

介護休業給付金の支給額

介護休業給付金額の計算方法は、次のとおりです。

 

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67% = 介護休業給付金額

 

「支給日数」とは、介護休業を利用した日数です。

また、「休業開始時賃金日額」とは、介護休業開始前6ヶ月間の給料(総支給額)を180で割り込んだ数字となります。

 

たとえば、月額給与30万円の人なら、

「30万円 × 6ヵ月 ÷ 180 = 10,000円(小数点以下切り捨て)」

となり、休業開始時賃金日額は、「10,000円」になります。

介護休業給付金支給額早見表【月額給与別】

介護休業給付金額の計算が面倒なので、支給額を早見表(概算)にしておきます。

(単位:円)

月額給与1日あたりの支給額93日間(最大)の支給合計額
100,0002,233207,669
125,0002,791259,563
150,0003,350311,550
175,0003,908363,444
200,0004,466415,338
225,0005,025467,325
250,0005,583519,219
275,0006,141571,113
300,0006,700623,100
325,0007,258674,994
350,0007,816726,888
375,0008,375778,875
400,0008,933830,769
425,0009,491882,663
450,00010,050934,650
460,000以上10,063935,859
2021年8月1日現在の法令にて作成しています。

介護休業給付金を自動計算する「エクセルファイル(無料)」

「もっと、詳細に介護休業給付金を計算したい!」

という人は、こちらのエクセルファイルを使ってみてください。

 

「介護休業給付金算出表」ダウンロード

kaigokyuugyoukeisan20210801

 

介護休業給付金算出表20180801

使い方は、すっごく簡単で「黄色のセル」

  • 介護休業を利用した日数
  • 月額給与(交通費を含む総支給額)

を入力するだけです。

 

あとは、介護休業給付金の

  • 休業開始時賃金日額
  • 1日あたりの支給額
  • 支給合計額

が自動計算されます。

 

なお、動作確認を徹底したつもりですが、利用については各自の責任でお願いします。

2021年8月1日現在の法令で作成しています。

介護休業給付金の手続き

介護休業給付金の支給手続きは、事業主が行いますので、介護休業の手続き同様、職場の社会保険担当者に相談しましょう。

必要書類の案内をしてくれるはずです。

 

ちなみに、介護休業給付金の申請書は、こんな様式です。(参考までに)

介護休業給付金支給申請書(厚生労働省)

出典:厚生労働省(ハローワーク)

まとめ

ここで、「介護休業給付金制度」のポイントをまとめておきます。

  • 雇用保険の被保険者で「介護休業を利用する前の2年間(直近)に、11日以上、または80時間以上働いた月が、12ヶ月ある人」が支給対象者
  • 支給額は給与の約67%
  • 介護休業給付金の支給手続きは、職場の社会保険担当者へ相談する

 

「介護休業給付金制度」を利用することにより、経済面の不安を感じることなく、安心して仕事と介護を両立する体制を整えることができます。

 

「家族の介護のために仕事を辞める」という選択をしてしまわぬよう、介護休業制度と介護休業給付金制度を活用していきましょう。

 

なお、どうしても仕事を辞めざるを得ないという場合は、失業等給付(いわゆる失業保険)の利用を検討しましょう。

詳しくは、こちらの記事を。

雇用保険の失業等給付(基本手当)のもらい方【受給要件・支給額・手続き】
この記事では、雇用保険の基本手当(失業保険)における、 制度の目的 失業の状態 失業保険がもらえる人の条件(受給要件) 失業保険の受給額、受給期間 手続きの流れ についてまとめています。 こんな人に読んでいただると嬉しいで...
高年齢求職者給付金のもらい方と支給額【65歳以上の失業保険(2022年8月以降)】
2017年(平成29年)1月1日の雇用保険制度の改正により、雇用保険の適用範囲が拡大され、65歳以上の方でも「高年齢被保険者」として、雇用保険へ加入できるようになりました。 この改正により、今まで、1回しか受給できなかった「高年齢求職者給...

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

【あわせて読みたい】

スポンサーリンク
社会保険
スポンサーリンク
こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

こうをフォローする
よろしければシェアお願いします
こうをフォローする
まいぼた

コメント

タイトルとURLをコピーしました