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看護師の離職率って、ほんとに高いの?【年間推移、産業比較、新卒者】

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看護師、転職、働きやすい病院

看護職員(看護師や准看護師など)というと、一般的に転職が多いイメージです。

転職は、退職や入職がセットですので、当然、看護職員さんの離職率は高いと思ってました。

 

日本看護協会さんの調査結果を見るまでは・・・

 

 

そんなことで、この記事では、病院看護職員(常勤)における、

  • 離職率の年間推移と産業全体との比較
  • 病床規模別の離職率
  • 設置(経営)主体別の離職率
  • 新卒看護師が、就職後、1年以内に辞める割合と人数
  • 看護職員の職場に対する不満

について調べてみましたので、まとめておきます。

 

「就職・転職先で悩んでいる・・・」

という看護職員さんに読んでいただけると嬉しいです。

離職率は、働きやすい職場を見分ける1つの指標になりますので。

この記事は、医療・介護施設で、看護師・准看護師の採用を5年以上担当してきた経験をもとに書いています。

看護職の離職率は高くない!ただ、病院の規模によっては・・・

まず、結論です。

  • 病院看護職員の離職率は、2017年度で「10.9%」
  • 病院の病床規模が大きいほど、離職率は低くなる
  • 公立系病院の離職率は低く、医療法人や個人の病院は比較的高い
  • 新卒看護職員の「7.5%」が、1年以内に退職する
  • 「仕事を辞めたい」看護師は、74.9%!?

 

それでは、1つずつ説明していきます。

病院看護職員の離職率は、2017年度で「10.9%」

日本看護協会さんの調査によると、2017年度の病院看護職員(常勤)さんの離職率は「10.9%」となっています。

このとおり。

病院看護職員の離職率

出典:日本看護協会「2018年病院看護実態調査」

 

厚生労働省「雇用動向調査(平成30年)」によると、産業全体の常勤職員における平均離職率は、「11.3%」となっているため、若干(0.4%)ではありますが、看護職員の方が低くなっています

 

また、看護職員さんは、ほぼ女性ということを考慮し、女性における産業全体の離職率で比較してみると、次のようになります。

  • 女性における産業平均「14.2%」
  • 看護職員「10.9%」

 

看護職員さんの方が、「3%以上」低くなっています。

看護職員の約93%は女性です。(厚生労働省「衛生行政報告例」より)

 

ちなみに、看護職員(常勤)さんの人数は全国で約130万人いますので、2017年度は「141,700人」が退職したことになります。

病院の病床規模が大きいほど、離職率は低くなる

看護職員さんの離職率は、病院の規模によって、大きく違ってきます。

このとおり。

病院看護職員の離職率(病床規模別)

出典:日本看護協会「2018年病院看護実態調査」

 

全体としては、10.9%の離職率ですが、

  • 99床以下 13.1%
  • 100~199床 12.4%

と、病床規模が小さいほど、離職率が高くなっています。

 

特にこだわりがないなら、就職・転職の際は、病床規模が「200床以上」の病院を選ぶ方がいい気がします。

「働きやすい職場を探す」という意味では。

看護職員の人材不足は、深刻なため、大きめの病院の方が、人材確保ができているということなのかもしれません。

公立系病院の離職率は低く、医療法人は比較的高い

看護職員さんの離職率は、設置(経営)主体によっても、大きく違ってきます。

このとおり。

設置主体別・看護職員離職率

出典:日本看護協会「2018年病院看護実態調査」

 

比較的、公立系の病院は離職率が低く、医療法人や個人病院は高くなっています。

看護業界においても、公務員人気というのがあるのかもしれませんね。

新卒看護職員の「7.5%」が、1年以内に退職する

新卒の看護職員さんは、比較的、離職率が低いです。

このとおり。

病院新卒看護職員の離職率(病床規模別)

設置主体別・看護職員離職率(新卒看護職員)

出典:日本看護協会「2018年病院看護実態調査」

 

ただ、看護職員全体のデータ同様に、

  • 病院の病床規模が大きいほど、離職率は低くなる
  • 公立系病院の離職率は低く、医療法人や個人の病院は比較的高い

となっていますので、就職先を決める際には、ある程度、参考にしていただいたほうがいいかもしれません。

最初に働く病院が、劣悪な職場(環境)だと、看護師として成長が遅くなっちゃいますし。

 

ちなみに、看護師・准看護師の新卒者(試験合格者)数は、次のようになっています。

【看護師・准看護師試験 合格者の推移】

(単位:人)

看護師 准看護師 合計
2015 54,871 17,611 72,482
2016 55,585 17,236 72,821
2017 55,367 17,473 72,840
2018 58,682 17,302 75,984
2019 56,767 16,910 73,677

出典:厚生労働省

 

毎年、約5,500人の新卒看護職員さんが、就職した病院を1年以内に辞めていることになりますね。

「仕事を辞めたい」看護師は、74.9%!?

看護職員さんの離職率が、比較的、低いとはいえ、不満がないわけではありません。

 

日本医療労働組合連合会「2017年 看護職員の労働実態調査」によると、看護職員さんの「74.9%」は、仕事を辞めたいと思っているそうです。

このとおり。

看護職員の「仕事を辞めたい」割合

 

また、「仕事を辞めたい」理由トップ3は、

  1. 人手不足で仕事がきつい 47.7%
  2. 賃金が安い 36.6%
  3. 休暇が取れない 33.7%

となっております。

こんな感じです。

看護職員の「仕事を辞めたい」理由

 

ここ数年で、訪問看護ステーションが強烈に増加していますので、そういった理由からも事業所によっては、人材不足がますます深刻化しているのだと思います。

 

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なお、24歳以下(新卒看護職員)に限定したときの退職理由は、「自分の健康(主に精神的)」が、トップになっています。

  1. 自分の健康(主に精神的) 17.7%
  2. 自分の適性・能力への不安 14.1%
  3. 自分の健康(主に身体的) 8.8%
  4. 上司(看護管理者等)との関係 8.8%

出典:日本看護協会「平成30年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」

 

退職した看護職員さんの2割が、精神的な理由で退職しているというのは、ちょっと多い気がします。

事業所側からすれば、職場環境の改善(メンタルケアを含め)が喫緊の課題になりますね。

まとめ

ここで、「離職率から見る、看護職員さんの転職・就職のポイント」についてまとめておきます。

  • 病床規模は、200床以上の病院を選ぶ
  • 都道府県立、市町村立の病院を選ぶ
  • 健康を害する前に、職場を変えよう(看護職員の退職者は、年間15万人近くいる)
  • 新卒の看護師さんほど、職場選びは慎重に

 

僕は、仕事柄、看護職員さんの採用面接をさせてもらうことが多く、色々な人の履歴書を見させていただきますが、やっぱり、転職回数は多いんですよね。

 

ただ、今回の離職率のデータを見てみて思ったのは、

「看護師さんは、働きやすい職場に出会うまでは転職を繰り返し、いい職場に出会ってからは、その職場でずっと勤務する人が多いのかも!?」

でした。(だから、全体の離職率は低くなる)

 

たしかに、うちの職場でも、10年、20年と長く勤務いただいている看護師さんって多いんですよね。

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もし、あなたが、現在の職場環境に悩んでいるなら、希望にあった「働きやすい職場」を探すことも視野に入れてたほうがいいかもしれません。

その方が、結果、身体的・精神的負担が少なく、長く働けるでしょうから。

 

なお、転職するときは、ハローワークから「再就職手当」をもらいましょう。

看護師さんの場合、受給ハードルが低いです。

詳しくは、こちらの記事を。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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こう

医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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