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看護師の平均給与額(年齢・経験年数・事業規模・地域別)【厚労省の調査から】

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この記事では、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」結果をもとに、

  • 看護師の平均給与(年齢・経験年数・事業規模・男女・地域別)
  • 看護師の平均的な働き方(勤続年数・労働時間・残業時間など)
  • 他の医療・介護職種と比べ、看護師の給与は高いのか?低いのか?(他職種との給与比較)

についてまとめています。

 

こんな人に読んでいただけると嬉しいです。

  • 看護師の給与ってどのくらい?
  • 転職するときの給与の目安を知りたい
  • 現在、貰っている給与は、「高いのか?低いのか?」知りたい
この記事で紹介している一覧表は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに作成したものです。

 

【関連記事】

最新の調査結果(2021年)は、こちらの記事でまとめています。

看護師の給料・年収調査【厚生労働省・日本看護協会の調査から(令和3年)】
看護師として働いている、または働こうと思っている人なら、誰だって、こんな風に考えると思います。 看護師って、どのくらいの給料がもらえるの? 今、もらっている給料は、高いの?低いの? 将来、どのくらいの給料がもらえるようになるの? 転職すると...

看護師(39歳)の平均給与は「月額33万円・年間賞与82万円」

まずは、この記事の概要です。

  • 39.5歳、勤続8.2年の看護師の平均年収は「4,829,100円(残業手当含む)」
  • 看護師の平均給与(年収)は、男女間で「約15万円」の違いがある
  • 月の平均残業時間は「7時間」
  • 事業所の規模が大きいほど、看護師の給与は高くなる傾向がある
  • 看護師の平均年収は、1位「岐阜県」、最下位「宮崎県」
  • 経験年数1~4年の看護師の基本給(所定内賃金)は「27~28万円」
  • 看護師の給与のピークは「50~59歳」
  • 医療・介護系職種では、医師を除き、看護師の給与は「第2位」

 

それでは、「賃金構造基本統計調査」の結果について紹介していきます。

看護師の男女別平均給与【令和元年(2019年)】

看護師さんの場合、年齢や働き方はほぼ同じなのに、男女間で「約15万円」の違いがあります。

性別 年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
39.4 7.7 161 14 426,600 886,800 6,006,000
39.5 8.0 159 10 379,900 797,800 5,356,600
合計 39.4 7.9 160 11 398,600 833,300 5,616,500
年収は、夜勤手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

薬剤師などの他の職種と比べると、年収差は少ない職種と言えます。(薬剤師は、約65万円の差があります)

看護師の平均給与の推移「2013~2019年」

看護師さんの年間給与(年収)は、直近6年間、ほぼ横ばいです。

年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
2013 38.0 7.4 158 9 328,400 782,700 4,723,500
2014 38.9 7.7 157 7 329,000 781,800 4,729,800
2015 38.2 7.8 159 7 329,200 832,700 4,783,100
2016 39.0 8.0 159 7 331,800 826,900 4,808,500
2017 39.3 7.9 160 7 331,900 799,900 4,782,700
2018 39.3 8.2 158 7 331,900 816,500 4,799,300
2019 39.5 8.2 154 7 334,400 816,300 4,829,100
年収は、夜勤手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっております。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

グラフにするとこんな感じです。

看護師の平均年収の推移(2013~2019年)

 

直近の2019年では、平均年収が過去最高の「4,829,100円」となっていますので、ちょっとずつは上がっています。

ただ、上り幅としては、かなりゆっくりな印象です。

看護師の事業所規模別平均給与【令和元年(2019年)】

看護師さんの場合、勤務する事業所の規模(労働者数)で「労働時間、年齢層、給与」にかなりの違いがあります。

労働者数 年齢 平均勤続年数 月の労働時間 月の残業時間 支給額 年間賞与 年収
10~99人 47.3 8.9 160 5 311,200 669,300 4,403,700
100~999人 41.3 8.0 155 5 327,700 749,800 4,682,200
1000人以上 35.0 8.2 151 10 349,000 935,500 5,123,500

合計

39.5 8.2 154 7 334,400 816,300 4,829,100
年収は、夜勤手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。
計算方法は、「支給額×12ヶ月+年間賞与」です。

 

まず、年収についてですが、

  • 労働者10~99人の事業所「4,403,700円」
  • 労働者100~999人の事業所「4,682,200円」
  • 労働者1,000人の事業所「5,123,500円」

となっており、労働者の多い事業所ほど、給与が高くなっています。

その差、約72万円です。(月6万円違うってことです)

 

これだけ見ると、

「大学病院や総合病院などの大病院で働こう!」

ってなっちゃいますが、年齢層や労働時間を見ると、印象がガラッと変わります。

 

年齢層は、

  • 労働者10~99人の事業所「47.3歳」
  • 労働者100~999人の事業所「41.3歳」
  • 労働者1,000人の事業所「35.0歳」

とかなりの違いがあります。

これは、大病院の忙しさ(夜勤体制などを含み)の影響がありそうですね。

 

月の労働時間は、

  • 労働者1,000人以上の事業所「151時間」
  • 10~99人の事業「160時間」

と9時間の違いがあります。(毎月1日以上多く働いてることになります)

ただし、労働者1,000人の事業所の残業時間は、ちょっと多めです。

 

勤続年数は、ほぼ違いはありません。

 

これらのことから、

  • 看護師さんは、新卒時に「大きめの病院」で経験を積む
  • 結婚や出産を期に、働き方を変える
  • 年齢を重ねると、比較的小さめの事業所(診療所など)で勤務する人が多い

と言えそうです。

看護師の都道府県(地域)別平均給与【令和元年(2019年)】

看護師さんの給与は、地域によって、バラツキがあります。

このとおり。

都道府県 年齢 平均年収
北海道 39.5 4,991,800
青森 46.5 4,184,700
岩手 42.7 4,755,900
宮城 41.2 4,419,700
秋田 39.3 4,665,200
山形 40.3 4,419,400
福島 39.1 4,174,400
茨城 42.2 5,088,900
栃木 39.8 5,209,400
群馬 40.3 4,663,500
埼玉 38.7 4,902,500
千葉 37.9 5,220,200
東京 37.2 5,098,400
神奈川 38.3 5,172,400
新潟 40.5 4,734,200
富山 43.1 4,637,800
石川 41.8 4,681,200
福井 39.8 4,963,600
山梨 38.6 4,497,300
長野 41.0 4,655,800
岐阜 44.3 5,434,400
静岡 43.0 5,193,200
愛知 40.0 4,941,400
三重 39.0 4,954,300
滋賀 39.1 5,365,900
京都 38.6 4,892,000
大阪 36.8 4,895,900
兵庫 37.7 4,948,500
奈良 37.8 5,111,700
和歌山 41.7 5,139,900
鳥取 41.7 4,933,800
島根 39.1 4,474,800
岡山 39.3 4,625,300
広島 38.3 4,562,500
山口 41.6 4,425,900
徳島 45.3 4,840,000
香川 35.9 4,752,000
愛媛 41.4 4,486,400
高知 43.4 4,375,300
福岡 38.5 4,607,700
佐賀 45.6 4,733,000
長崎 40.1 4,523,500
熊本 42.1 4,303,600
大分 42.2 4,166,900
宮崎 40.7 3,915,300
鹿児島 40.4 4,172,000
沖縄 43.6 4,557,200
この表の平均年収は、夜勤手当や残業代等の各種手当を含めた金額となっています。

 

わかりやすくグラフにすると、こんな感じです。

看護師の都道府県別 平均年収 2019年

 

また、平均年収が多い順に並べると、こうなります。

看護師の都道府県別 平均年収 2019年(多い順)

 

1位の岐阜県「5,434,400円」と、最下位の宮崎県「3,915,300円」を比較すると、約150万円ほどの違いがあります。

 

主な要因としては、地域における需給バランスの違いによるものだと思います。

つまり、看護師さんが不足している地域では給与は高くなり、充足している地域では給与は少なくなる傾向があるということです。

もちろん、病院などの事情や採用のタイミングの影響もあると思いますけどね。

 

ちなみに、看護師さんの給与は、比較的、都市部の方が高くなると言われてます。

看護師の基本給(所定内賃金)と年間賞与【経験年数別・男女別】

転職するときの給与提示は、基本給でされることが多いでしょうから、こっちの金額の方が、働き方(長時間の残業や夜勤など)に左右されず、比較がしやすいと思います。

令和元年(2019年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 279,800 752,200 4,109,800
5~9年 307,600 861,600 4,552,800
10~14年 333,200 1,065,300 5,063,700
15年以上 344,100 993,200 5,122,400
全体 307,300 836,400 4,524,000

 

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 276,300 724,100 4,039,700
5~9年 295,900 810,000 4,360,800
10~14年 304,300 845,400 4,497,000
15年以上 323,200 952,300 4,830,700
全体 301,800 814,000 4,435,600
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当などは含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

 

グラフにすると、こんな感じです。

看護師の経験年数別 平均年収 2019年

 

「さすが、看護師!」って感じです。

男女ともに経験年数が1~4年でも「年収400~410万円」となっています。

 

なお、参考までに、平成30年(2018年)の調査結果も載せておきます。

比較してみると、ほぼどの経験年数層においても所定内賃金が上がっていることがわかります。

平成30年(2018年) 賃金構造基本統計調査

(単位:円)

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 274,400 732,900 4,025,700
5~9年 300,000 827,600 4,427,600
10~14年 317,900 974,700 4,789,500
15年以上 334,400 1,027,700 5,040,500
全体 301,900 828,600 4,451,400

 

経験年数
所定内賃金 年間賞与 年収
1~4年 269,500 721,500 3,955,500
5~9年 289,700 802,900 4,279,300
10~14年 301,100 877,100 4,490,300
15年以上 322,600 959,000 4,830,200
全体 297,900 815,100 4,389,900
所定内賃金には、残業手当、日直手当、夜勤手当などは含んでいません。
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。

看護師の給与(年収)のピーク年齢は「50~59歳」

令和元年(2019年)の看護師の年齢別平均年収は、次のようになっています。

【看護師 年齢別平均年収一覧表(2019年)】

年齢 平均年収
男性 女性
20~24歳 3,604,700 3,517,400
25~29歳 4,208,500 4,165,400
30~34歳 4,551,200 4,351,700
35~39歳 4,796,600 4,415,800
40~44歳 4,777,700 4,702,000
45~49歳 5,251,000 4,881,700
50~54歳 5,371,300 4,972,300
55~59歳 5,242,800 4,992,600
60~64歳 4,105,200 4,246,600
65~69歳 2,638,300 3,717,600
70歳~ 2,041,100 3,820,600
この表の平均年収には、残業手当、日直手当、夜勤手当などは含んでいません。

 

わかりやすく、グラフにするとこんな感じです。

看護師の年齢別 平均年収 2019年

 

この表によると、看護師さんの給与のピークは、

  • 男性50~54歳「5,371,300円」
  • 女性55~59歳「4,972,300円」

ということになります。

 

給与のピーク年齢については、他の職種とほぼ変わりはないですが、70歳以上の女性看護師が「380万円」以上稼いでいるというのは、スゴイですね。

看護部長さんの年齢層の影響もあるのかもしれませんね・・・

医療・介護系職種の給与比較【令和元年(2019年)】

医療・介護系職種では、医師を除き、薬剤師の給与(年収)がダントツ1位です。

看護師は、薬剤師に次いで2位(男女計)となります。

こんな感じです。

医療・福祉系職種別 平均年収 2019年(医師なし)

 

ただ、医師(歯科医師)を入れると、こんな感じになります。

医療・福祉系職種別 平均年収 2019年(医師あり)

 

医師は別格ですからね・・・

 

なお、詳細な金額は次のとおりです。

【医療・介護系職種 平均年収一覧表(2019年)】

職種 平均給与
男性 女性
医師 12,269,400 10,163,500
歯科医師 6,523,300 4,729,200
薬剤師 6,006,000 5,356,600
看護師 4,960,800 4,813,600
准看護師 4,249,100 4,006,100
看護補助者 3,281,300 2,986,500
診療放射線技師 5,204,300 4,640,200
臨床検査技師 5,012,500 4,453,300
理学・作業療法士 4,221,800 3,942,700
歯科衛生士 3,084,400 3,707,400
栄養士 3,693,400 3,558,900
保育士 3,891,600 3,621,300
介護支援専門員 4,240,500 3,811,100
ホームヘルパー 3,679,600 3,166,000
福祉施設介護員 3,715,500 3,320,000
この表の平均年収は、夜勤手当や残業代などの各種手当を含めた金額となっています。

まとめ

今回紹介した「看護師の平均給与」は、あくまでも平均値です。

なので、場合によっては、提示された給与額が平均給与から大きく外れることも考えられます。

 

ただ、転職などをするときの「1つの目安」としては、かなり参考になる数値だと思います。

提示された給与が「高いのか?安いのか?」、また「どのくらいの給与額を希望していいのか?」がわかりますので。

 

ぜひ、あなたの経験が適性に評価されるよう「平均給与額」を目安に、給与などの条件交渉を行ってみてください。

 

ちなみに、転職の際には、必ず、再就職手当の受給を検討しましょう。

再就職手当は、ハローワークから支給される手当で、

  • 2~3ヶ月も休むつもりがない
  • すぐに次の職場を探す予定
  • ハローワークで仕事を探す気がない(人材紹介サービスを使うなど)

という人でも、支給を受けられる場合があります。

 

また、再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってます。

もらわないのはもったいないです。

【関連記事】

再就職手当(失業給付)を満額もらうための3つの注意点と「支給額早見表」

離職票が届く前に手続き可能!失業保険を早くもらう方法【ハローワーク確認】

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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医療・介護業界で経営管理の仕事をしながら、ブログ「まいぼた」を書いています。

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